2022年11月23日水曜日

和歌山市・光熱水費の謎（その1）～公文書隠蔽と蔦屋書店・水道料金タダ～

 

こんにちは、日向です。


本日は、しばらく休止しておりました和歌山市民図書館の光熱水費について、詳しくみていきたいと思います。


開示された資料は、全部で22枚。同館が和歌山市駅前に移転して、グランドオープンした2020年6月から、2022年3月までの丸2年度分について、電気料金と水道料金（下水道料金含む）の子メータ別の明細が記載された資料です。


和歌山市光熱費・開示対象文書.pdf　


私が知りたいのは、CCCが管理している市民図書館の光熱水費と、同社が館内で営利事業として展開している、スターバックスと蔦屋書店が負担している光熱水費なんですが、


例によって、開示された資料の肝心の部分は黒塗りされています。すぐにわかるのは、CCCが運営している公共施設棟施設全体の電気料金と、スタバの水道料金です。


毎月の電気代総額は、明細書の冒頭に記載されている。



各子メーターの計測数値と金額の部分は、ほぼ全面黒塗り。



スターバックスの水道料金の負担額だけは黒塗りなしで開示されていることが2020年8月分以降の資料からわかった。


なぜか水道料金だけは、2カ月に一度のスタバ請求額の部分を黒塗りなしで出ています。（2020年８月以降。同年12月以降は、左下段に請求先別の明細を記載したフォーマットに変更）


2020年12月電気代より



電気料金については、CCCによる第二電力との契約内容等、企業秘密の要素があるとされているのに対して、さすがに公共の水道料金についてまで、そんな理屈は通用しないことを、ようやく和歌山市も理解したのでしょう（2021年2月、高橋聡CCCカンパニー長の名前まで黒塗りにしていたのを、市民からの審査請求で開示せよと審査会に答申されたこともありました→高橋聡カンパニー長の名前まで黒塗りだった和歌山市の開示書類 ）。


しかし、電気料金についても、CCCの独自ノウハウが、もしあったとしても、詳細な契約内容を伏せればいいだけのこと。月額使用料まで不開示にする必要性がいったいどこにあるのでしょうか。まったく理解に苦しみます。



では、黒塗りされている民業店舗部分の電気料金は、まったく知ることができないのでしょうか？


結論から言うと、そんなことはありません。開示された資料のデータをすべて集計していくことで、結果的に、スタバと蔦屋書店の電気代についても、おおまかに把握することができました。


そのプロセスについて詳しくお話する前に、前提条件として、気になったことを書いておきます。


一枚目の右下をみてください。




ここに各月の水道代の明細が記載されているんですが、この請求月がなぜか、こうなっています。


令和2年4月＋5月～6月の3か月分


令和2年、すなわちオープンした2020年6月5日 よりも2か月も前から水道代の請求がスタートしていることになっています。


それもそのはず。図書館部分は、利用者を館内に入れての全面開館が6月5日でしたが、駐輪場は、その前の年の2019年10月から開業しています。


また、CCCが図書館の建物の指定管理者になったのは、2019年12月19日からですから、少なくとも、それ以降は、水道代だけでなく電気料金も、関係各所で使用した分は負担されていたはずです。当然のことながら、6月よりも前の請求明細書もあるはずなんです。


では、どうして、その資料は、今回開示されていないのでしょうか。


ひとつ考えられるのは、6月のオープン前にスタバと蔦屋書店における光熱水費の負担データを出してしまうと、和歌山市は、それらの店舗に目的外使用許可を与えていないにもかかわらず、両店舗が館内のスペースを無許可で使用していたことを正式に認めることになってしまうからではないか。


そう思いました。22枚の光熱水費の文書を開示するのに、4か月もかかっていることから、この件をどうするのかということをさんざん内部で検討していたのではないのかって、思いました。毎月、CCCより提出されている報告ですから、その気になれば2週間で出てくるはずの基本的な資料なんですから。


で、市の内部でさんざん検討した結果、6月のオープンより前のものについては「行政財産使用許可が令和2年6月からであるため不存在」という理由で、不開示としたことがあとから判明しています。（「不存在の理由」を誤魔化す和歌山市）


その釈明が辻褄のあわないものであることが、この水道料金の“令和2年4月＋5月～6月の3か月分”の記載によって、早くも露呈してしまった格好です。


スタバと蔦屋書店については、開業準備期間中（4月よりも前）の請求明細が別に存在しているのを、意図的に隠蔽していると考えざるをえません。


次に、気になったのは、これまた水道料金についてですが、全編を詳しく精査していきますと、スタバの使用量、請求額は記載されているにもかかわらず、


蔦屋書店の使用量・請求額が、開示資料のどこをさがしても存在しません。


先述したとおり、水道料金については、黒塗りはありません。


電気料金については、左中段に「↓電気料金　端数処理」欄に、「蔦屋書店」とはっきりと記載されているのに対して、水道料金の明細を示した欄には、どこにも「蔦屋書店」もしくは、それらしき子メーターがみつかりません。


ということは、蔦屋書店は、水道料金を1円も負担していないのではとの疑惑がにわかに浮上してきました。


使用許可書をみてみると、負担しなければいけないとされているのは、なぜか電気料金についての記載のみで、水道料金についての記載はみあたりませんでした。


      • 和歌山市・使用許可開示資料その1・定期申請　より




      書店で水道を使うことといえば、客とスタッフ用のトイレくらいでしょうから、その分は、賃料に含むことにしたとしてもおかしくはないのですが、スタバと合わせて月19万円というただでさえ激安の賃料なのに、その賃料に、客が利用する駐車場（図書館利用者60分無料）やトイレの水道料金までも含まれているとしたら、これまた超オトクですね。CCCとしては。


      すみません。前振りが、すっかり長くなってしまいましたので、本題は、次のエントリーで、続けることにしたいと思います。


      よろしくお願いいたします。



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      2020年8月29日土曜日

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      《2020年6月》

      ●和歌山市民図書館は、ICタグ装備せず●「ICタグと自動貸出機」はセット●自動貸出機についての補足説明●和歌山市民図書館の自動貸出機について●３８００万円の“安全対策”●出来レースの代償・後編●出来レースの代償・前編●専門家がほとんどいない審議会 ●『第9版　失業保険150％トコトン活用術』についてのお詫びと訂正 ●TSUTAYA占領地のレジスタンス ●疑惑まみれのグランドオープン ●“白塗り”に隠されていた告発意図


      《2020年5月》

      《2020年4月》

      《2020年3月》

      《2020年2月》







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