こんにちは、日向です。
先日来、何度かお知らせしております和歌山市の情報開示についての不服申し立ての件、
年明けの7日に新たな動きがあったので、それに関連した和歌山市の情報開示について書いておきます。
下の書面をみてください。昨年12月25日に、和歌山市の市民団体が市長あてに提出しました反論書が1月7日、審査会に諮問されたとの通知です。
これから審査会において、審査請求者と担当部署が、お互いの主張を述べあい、審査会の委員の先生方が最終的にどちらの言い分が正しいかを詳しく審査。後日、市に対して、こうしなさいというような答申を出すというプロセスです。
和歌山市の卑劣な時間稼ぎ
今回の件は、この市民団体としては、二度目の審査請求です。2018年5月から始まっている一度目の審査請求(CCC選定プロセスがわかる書面)については、申立から3年近くかかってすでに「一部開示せよ」との答申が出されており、あとは、その答申を受けた文書が担当部署から開示される最後のプロセスだけが残っています。
こちらは、黒塗りに不服申立した和歌山市民の1000日 で詳しく解説しました。
市民団体の方から相談を受けて、一部始終をリアルタイムでみてきた者として、
最初に開示請求をしてから丸3年以上経過しているこの間の出来事を振り返ってみますと、
和歌山市が行ってきたのは、情報開示請求という制度をトコトン骨抜きにし、1400枚の黒塗資料に象徴されるような、行政プロセスのブラックボックス化です。
まず、第一に、われわれ市外在住者に対しては、情報開示請求ではなく、不服の申し立てができない「情報開示申出」のみ申請可能にしています。それでふるいにかけます。国から巨額の補助金はもらうけれど、市外の者には文句を言わせないしくみです。(門真市もこのパターン)
そして、市民からややこしい開示請求があると、ほとんどのケースで14日めのギリギリに、延長決定を出して時間稼ぎをします。
延長決定が出ますと、開示請求をしてから45日待たされます。
45日待ってようやく入手できたと思ったら、今度は、核心部分のほとんどが黒塗りされていて、何が何やらさっぱりわからないようになっています。
ふつうは、これでウンザリするといいますか、黒い紙をめくるだけで疲れ果てて、無駄に時間を使ったことに腹立たしい気持ちだけが残ります。
情報を出してきた部署にいろいろと聞いても、のらりくらりの反応で、「条例にのっとって適正に処理をしました」としか言いません。
そこで不開示に対して、不服の申し立てを行うわけですが、この後さらに時間稼ぎされます。
まず担当部署の弁明書が作成されて届くまでに数か月はかかっています。
この弁明書が届いたら、開示請求者した市民が、それに対する反論書を書いて提出をしますとそれが受理されます(←1/7諮問の第二弾はイマココ)。
後日、審査会で直接反論を述べる機会が与えられて、今回和歌山市民の方も、第一弾の審査請求では、口頭でも主張を述べられたと聞いておりますが、それで終わりではありませんでした。
この後、ようやく市が任命した委員の先生方が出席をした審査会が何回か開催されるらしく、そのときの議論をもとにして
ここはもうちょっと開示すべき または この開示は適正に行われているので問題なし
ということがまとめられて市に答申されます。
ややこしいので整理しますと、第一弾の審査請求プロセスは、以下の通りでした。
開示請求したのが2017年12月4日審査請求(不服申立)したのが2018年2月1日審査請求結果(審査会の答申)が出たのが2020年9月4日審査会の答申に従って、再度市が指摘された部分の情報を開示するだが、それははまだ(1カ月程度で開示→2~3か月で開示→遅くとも3月までには開示と非公式に回答←イマココ)
和歌山市民が2017年12月4日に開示請求した分の審査請求スケジュールと審査会の委員メンバー。答申が出たとの通知の日付は2020年9月4日。最初の開示請求した日から数えると、答申が出るまで2年と9か月もかかっている。 |
第一弾の審査請求は、3年かかって、ようやくこの答申までたどりついたわけですが、
答申の内容に従って出るはずの、担当部署からの再度の情報開示が、もう3か月以上待っているのに、一向に出てきません。
ここでもどうやら時間稼ぎをされているらしく、漏れ聞くところによりますと、
コロナの影響で会議が開催できなかったので遅れている
そうです。
しかし、これら一連の手続きには、コロナの影響などほとんどないはずです。なぜならば、和歌山県は、運よくこれまで感染者は一日数人出る程度でしたので、全国に発令された緊急事態宣言の時期をのぞいて、ほとんど会議の開催が遅れるようなことはなく、また答申にかかわる作業などについても、書面だけのことですので、コロナの影響で何カ月も止まるなんてことも考えられません。何せ、9月の段階で市民図書館では密をさける国の基準(定員の半分以下)を無視して、“賑わい創出”していたくらいです。
私が年末に関係者を通して聞いた感触では、第一弾の審査請求については、3月末の年度内にはなんとか答申結果を反映した文書が出てくるのではないか、新年度にずれ込むことは考えにくい、との見込みでしたが、その後、なんの音沙汰もないことからすれば、年度内すらいまやシカトしそうな感じになってきています。
そうしたなかで、今回二回目の審査請求の手続き本格スタートすることになり、これもまた3年かかるとすれば、開示請求が一段落するのに、生まれたばかりの赤ん坊が小学生に入学するまでの時間がかかっていることになります。
それが終わってはじめて、住民訴訟を提起できるようになるとされていますので、この訴訟にさらに3年かかったとしたら、結論が出るまでには本当に道程は遠いです。(2019年10月に、会社経営者によって行われた訴訟は、行政を対象にした住民訴訟ではなく、個人的に被った損害の賠償を求める国家賠償請求)
和歌山市がやっている時間稼ぎは、ほとんど市民に対する嫌がらせに等しいのではないでしょうか。
「独自分類は、2階5万冊だけ」との約束を反故にして、4階児童書コーナーまでCCCによる謎分類で配架した、“和歌山市騙し討ち事件”についても、納得のいく説明は一切ありませんでした。
そうしたなかで、第一弾のCCC選定プロセスに関する情報開示と、第二弾は、RIA選定時の入札調書に関する数字の開示も、うやむやなまま終わらせようとしています。
市民団体は、もちろん、審査請求の結果次第では住民訴訟も検討するそうです。
カルチュア・コンビニエンス・クラブが2013年から受託した佐賀県武雄市では、ツタヤ図書館運営に関して2件の住民訴訟が提起されました。2015年には神奈川県海老名市でも1件の住民訴訟が提起されています。宮城県多賀城市でも、2018年に2件の住民監査請求が行われています。
いずれも、和歌山市ほどの時間稼ぎは行われなかったようですが、それにしても、これだけ次々と進出した先の市民から進出自治体が訴えられる指定管理者というのは、これまではもちろん、これからもおそらくもう永遠に出てこないのではないでしょうか。カルチュア・コンビニエンス・クラブこそが、“住民訴訟のレジェンド指定管理者”と言えるかもしれません。
それでもまだ、カルチュア・コンビニエンス・クラブを指定管理者に選定しますか?
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