2021年1月10日日曜日

和歌山市とソックリな門真市

 

こんにちは、日向です。


昨日に続いて、門真市についてひとつ気になることありましたので、忘れないうちに書いておきたいと思います。


門真市が4年後に完成を予定している新しい図書館の入った複合施設の指定管理者にTSUTAYAの本社・カルチュア・コンビニエンス・クラブを選定したのは、昨年11月27日の選定会議でした。



応募者は、CCCともう一グループ(KADOMAニュー・ライフプロジェクトチーム)の代表企業は、「図書館界のガリバー」として君臨するTRC図書館流通センター。



これを知ってまず最初に私が思ったのは、これって、もしかして和歌山市と同じパターンではないのかってこと。


和歌山市も2017年11月に行われた新しい市民図書館の指定管理者のコンペに応募してきたのは、CCCとTRCの二社。

二社による公開プレゼンまで行って選定されたのがCCCだったのですが、あとから入手した黒塗りが外れた文書によって、プロジェクト発足当初から、和歌山市も建物の施主となった南海電鉄も、最初からCCCに決めていた出来レースだった疑いがかなり濃厚になっています。



その記憶からすると、なんかあるなと思っていたのですが、現状でわかっていることだけを並べてみても、和歌山市との共通点が次々と出てくるのです。


選定結果発表直後に、門真市の担当部署に取材した内容を、改めて、以下に列挙しておきます。



・総事業費は127億円。国交省管轄の補助金が投入される


・2012年の基本構想策定段階から、コンサルタントとして入っているのは、アール・アイ・エー


・総事業費127億円のうち、77億円は、古川橋駅周辺事業に投入される予定なので、図書館の入る生涯学習複合施設単体の建築費にかかるのは、50億円程度と見込まれている。このうち国の補助金・社会資本総合整備交付金は、最大20数億円になる見込み。申請はこれから。


・当事業における基本構想・基本計画の立案業務については、2012年4月に一般競争入札で事業者を公募。二社応募があり、380万円でRIAが落札。


施設の建設にかかわる基本設計・実施設計を担当する事業者については、これから募集する予定(すでにCCCと門真市は設計業務で連携協定を締結しているため、設計を担当するのは当然、CCCと懇意な企業が選定されることが予想される)




和歌山市の南海市駅再開発事業が総事業費123億円でしたので、門真市もほぼそれと同じ規模のプロジェクトであり、その計画案策定段階から関与しているのが、


代官山蔦屋書店とその周辺一帯の開発を手掛けて以来、海老名市のリニューアルや多賀城市の図書館計画も手掛けたアール・アイ・エーとくれば、これはもう和歌山市と同じパターンではないのかと思わざるをえないわけです。



そのアール・アイ・エーが門真市で最初に基本構想・基本計画の立案業務を受託しているのは2012年です。CCCが武雄市で初のTSUTAYA図書館の運営に乗り出したのが2013年ですので、それよりも1年前から、門真市での計画自体は始まっていたことになります。


実は、和歌山市でも、RIAが国土交通省系列の公益財団法人である全国市街地再開発協会の下請けとして、和歌山市駅前の再開発の調査業務を受託しているのも2012年からでした。



和歌山市の場合は、その調査業務がスタートした2012年の委託費は1900万円なのに対して、門真市では、基本構想・基本計画の立案業務をRIAが落札した価格は380万円でした。



門真市の落札結果を、建築に詳しい関係者に伝えましたところ、こう言われて驚きました。



タダみたいな価格です。いわゆる1円入札と同じです。




なるほど、和歌山市では、国土交通省系列の公益法人を通して、のちに南海電鉄のコンサル業務と和歌山市の再開発計画の両方を手掛ける一方、門真市では、ズドンとあからさまにRIAは入ったんですね。



もちろん、CCCと仲のいいRIAが基本構想や基本計画に関与したら必ずツタヤ図書館になるというわけではありませんけれど、


和歌山市で、RIAが、自社が手掛けた多賀城市や、自社は直接関与していない武雄市の例まで持ち出して、さんざんツタヤ図書館を売り込んでいた実態を思えば、門真市でも、同じような動きは水面下でも当然あったのではないのかと疑わざるを得ないわけです。


和歌山市が2012年度から3年間にわたって、国土交通省系の団体を通してRIAに行わせた調査・計画策定業務。初年度の委託費は1900万円。



しかし、ですね。門真市は、2016年から大阪維新の会に所属する宮本一孝市長になっていますので、それからすれば、


CCCが市の顔になるような施設を受託するなんてことは、あまり考えられないんですよ。


なぜって、CCCがこれまで受託してきた自治体の議会で、CCC応援団となっているのは公明党の議員さんたちでしたので、大阪で維新と公明党が仲良くならない限り、門真市で、CCCが公務を受託するなんてことは不可能です。


で、みなさんもよくご存じの通り、昨年11月に行われた、おおさか都構想の住民投票では、公明党は維新と手を結んで都構想賛成に回りました。


なので、その動きからしてみれば、なるほど、維新系の市長がいる自治体でもCCCが受託することが可能になったんだと思いました。




で、だんだん脈絡のない話に突入してしまいましたけれど、


そこで思い出すのが、一昨年4月に行われた「こども本の森 中之島」の指定管理者選定結果です。



そう、あの安藤忠雄さんが資金を集めてつくって話題になった、こども図書館もどきです。



ツタヤ図書館ばりの高層書架が話題になりましたけれど、基本的に公共図書館ではない施設ですので、


同列には語れないのですが、この指定管理者のコンペにも実は、CCCが参加しているんです。



このとき、維新がCCCに補助金つけて任せるのではないのか、なんてウワサされてましたけれど


まだ公明党との関係が不明なままでしたので、維新の市長のいるところにCCCが受託なんてあるわけないと思ってました。


驚いたのは、CCCが自社が設計に関与しないコンペに参加してきたことです。


ツタヤ図書館というのは、CCCが1円もカネを出さずに全額自治体に出させて、自分たちの思うような設計の「マイ図書館」をつくるわけですから、そういうことができない、「こども本の森 中之島」になんで出てきたんだろうと不思議で仕方なかったんですね。


で結果は、落選。8グループ応募してきたなかで、選定されたのは、TRC図書館流通センターを代表企業とするグループでした。



ここまで書くと、あれっ、門真市とソックリと気づいた人もいるかもしれません。


私もそう思いました。「こども本の森 中之島」TRCのグループには長谷工コミュニティも参画していて、これも門真市と同じです。


2019年4月に行われた、こどのも本の森の指定管理者選定。応募してきた8グループのなかにCCCもいた。選定されたのは、TRCを代表企業としたグループだった。




なにが言いたいかといいますと、CCCはこども本の森では、TRCに負けて、逆に、門真市では、TRCに勝ったということです。


本の森に参加してあげるから、門真市ではお願いしますねTRCさん


というような裏で話がついていたのではないのかって、疑いがむくむくと湧き上がってくるんです。



指定管理者に応募してくるには、通常の価格だけで競う施工のコンペとは違って、なかなか手間暇かかりますので、わざわざコストかけてほとんど望みのない募集には参加してこないとよく言われます。



そういうなかで、お付き合いしてくれるTRCというのは、お互いにメリットのある関係ではないのか。


TRCの場合は、もし受託できなくても、CCCと一緒になって追加購入蔵書の納本や装備を一手に引き受けられますし、何より、図書館運営に関しては、圧倒的なシェアを獲得していて、そのままでは、独禁法の対象になるのではないのかと言われるなか、熾烈な競争を勝ち抜いていますというアピールをするにはもってこいの場所とも言えなくはないですよね。



というわけで、どうして、こどもの本の森にCCCが応募してきたのかっていう、一昨年来いだいていた疑問が門真市のケースで、一瞬にして氷解してしまったというわけです。



TRCが参加してCCCと競合した和歌山市のケースも、そういう文脈でとらえれば、何の違和感もないといいますか、なんか茶番だらけ感が日に日にますような感じですね。



門真市での、CCC選定までのプロセスについては、文書が開示されましたら、さらに詳しくみていきたいと思います。


よろしくお願いいたします。




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