こんにちは、日向です。
本日は、長年、皆様にご購読(無料ですが)いただいておりましたビジネスジャーナルのツタヤ図書館問題の連載終了のお知らせをしておきたいと思います。
同サイトで拙記事が最後に掲載されたのは、2023年12月27日でした。
和歌山市ツタヤ図書館、所在不明本が急増…1度に7千冊を除籍、CCC運営で
2017年11月にCCCが指定管理者に選定され、2020年6月にオープンした和歌山市民図書館における、開館後の運営の実態を、「除籍」と「不明本」という、ふだんは表に出てこない数字を追いかけることで、詳しくみてきたものです。
はからずも、この取材の課程で、隠ぺいされていたCCCの始末書が出てきまして、非常に地味な内容であるにもかかわらず、みなさまから、たいへんご好評をいただいた記事でした。
これを発表した際には、まさか、最終回になるとは夢にも思っておりませんでしたので、ご報告をすることもなく本日まできてしまいましたが、実は、この直後に、編集部から「当面は、新規の原稿は控えてほしい」との連絡がありました。
同サイトを運営していたサイゾーが、BJの身売りを検討しているとのことでしたので、売却先が決まるまでは、これまでのように数多く記事を出さない方針のようでした。
私のほうは、奇しくも、ちょうどそのタイミングで、これまでに書いてきたツタヤ図書館関連の記事を一冊の本として出版する企画を通しておりましたので、当面は新書の執筆に専念するということで、BJの連載は一時休止するだけというつもりでした。
そもそも、BJ編集部とは、最初から「ツタヤ図書館問題」について連載記事をスタートするという合意はありませんでした。ツタヤ関連で、なにかしらニュースとして書くべき事案が発生するたびに、編集部と相談をして取材執筆を進めてきたところ、気が付いたら長い連載記事になってしまったという経緯でしたので、終わりを意識することがまったくなかったのが、こうなった理由です。
しかし、今年3月から、運営会社が変わりまして、これまで通りツタヤ図書館問題を取り上げていくのは容易ではないように感じましたので、一応、昨年10月の新書刊行を一区切りとして、BJでのツタヤ図書館問題についての連載は終了ということを告知させていただくことにしました。
もちろん、CCCやツタヤ自治体で、新たに事件が起きるなどすれば、連載としてではなく、単発記事として書く可能性はあるとは思いますけれど、2015年から続いてきたBJでのツタヤ図書館問題は、2023年12月末を持って一区切りとさせていただこうと思います。
“図書館民営化”というモンスター
2015年にスタートしたときには、このテーマはせいぜい2、3本書いて終わりのつもりでしたが、2016年に宮城県多賀城市に、武雄市、海老名市につづく「第三のツタヤ図書館」がオープンして、その選書リスト分析記事を書いたのをきっかけに、次々と他の自治体での疑惑や不祥事にも首を突っ込むことになりました。
2017年11月の和歌山市でのCCC選定発表からは、とんでもなく大きな闇が背後に控えているのではないかという認識を抱くようになりまして、2018年からは、一時的に、週プレNEWSにも舞台を移して、CCC選定の裏にあるものをしつこく追及していきました。
いま数えてみたら、2017年から2018年にかけてだけでも30本近く発表しております。なので、2015年から2023年末までには、少なくとも50本以上、当ブログだけに発表した取材記事もいれると、ゆうに100本は超える記事を書いてきたことになります。
特定企業のひとつの事業だけについて、これほど多くの記事が書かれることは、めったにないことだろうと思います。例をあげるとすれば、国鉄民営化とか郵政民営化とかに匹敵するくらいの問題をはらんでいるテーマであり、たまたま私が遭遇したので、いきかがかり上、8年にもわたって同じテーマの記事を書いてきましたが、行政運営上はもちろん、地域の教育文化育成の面でも、もっともっとほかのメディアも取り上げるべき重要な問題だろうと、いまも思っています。
残念ながら、地元メディアが、このテーマで批判や検証記事を書くことはまずなく、マスメディアにいたっては、CCC関連では提灯記事しかみかけません。
どんな非常識なことが起きても、私が書かなかったら、まったくなかったことにされてしまいそうでした。それにおいうちをかけるように、snsでの個人の発信によって、ツタヤ図書館が、いかにオシャレで快適な施設であるかを“映える”画像で大量に流されることが常態化しており、行政が特定企業の食い物になっている実態など、ほとんどの人は知らないまま、今日まできています。
そういうなかで、ビジネスジャーナル編集部が、8年間にもわたって、未熟な書き手である私にこの問題を書かせていただいたことには、文字通り、感謝の念しかありません。
この場を借りて、改めてBJ編集部の方には、お礼申し上げたいと思います。
ということで、BJの連載は、一区切りつきました。
気になるのが過去記事の扱いです。いまのところ、運営会社が変わっても、過去記事は、そのまま掲載されているようですが、編集部に確認しますと「原則として2年を経過したものから掲載終了になる」とのことでした。
なので、当ブログでリンクをはっている記事のなかにも、すでにアクセスできなくなっているものも、チラホラみかけるようになっています。
その際には、以下のサイトで魚拓がとられていないかどうか確認してみてください。
https://web.archive.org/
かつて「たけおクラスタ」と呼ばれていた方たちは、消される可能性のある情報はすぐさま魚拓を取るという優れたビヘイビアをお持ちでしたので、もしかしたら拙記事についても、どこかに保存していただいているかもしれません。
ただ、それでも過去記事にアクセスするのが難しいことに変わりありませんので、今後、当ブログにアーカイブの形で、順次、転載していきたいと思っています。
ということで、取り急ぎ、BJ連載終了りお知らせをさせていただきました。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。