2022年11月7日月曜日

和歌山市の開示文書はワースト１

 

こんにちは、日向です。


このところ、和歌山市のスタバと蔦屋書店の目的外使用等について、開示された公文書をもとに記事を書くことがつづきましたので、


前々から一度は書いておきたいと思っていた、情報公開についての愚痴をぶちまけておきたいと思います。


結論から言うと、和歌山市って、行政機関としては、どこかが壊れているんじゃあないかと思うほど、公文書の開示の仕方がおかしいんです。

他の自治体との比較によって、そのことを詳しく述べておきます。



まず、情報開示のしくみですが、和歌山市は、原則として、市内在住・在勤者でないと情報開示請求ができません。私みたいな市外の者は、任意で情報を出してもらう「情報開示申出」という手続きになるんですが、違いを聞いてみたところ、開示された書類について、不服審査請求ができないだけで、基本的には、開示して出てくる文書は同じだそうです。でも、なんかおかしいんです。


他の自治体、たとえば、私がいちばんたくさん開示資料を入手した多賀城市などと比べると、あきらかに違うんです。


なにが違うかと言いますと、とにかく自治体が行政機関としての決定を下したことがわかる決裁文書が著しく少ないんです。また、その決裁を仰ぐときに、起案文書とそれに添付されている説明の文書も、極端に少ないような気がします。




下の表をみてください。これは、2016年3月に、全国で三番目のツタヤ図書館として、和歌山市と同様に駅前に移転して開館した宮城県多賀城市の選書リストスケジュールです。





ちょうどその前年の2015年9月、武雄市の元祖ツタヤ図書館で、選書リストになかに、大量のクズ本（市価100円以下の古本）が含まれていた事件がありましたので、多賀城市でも似たようなことが行なわれていたのではないかと、3万5000冊の選書リストを入手して分析することにしました。


大半は、多賀城市民の方から御借りしたものでしたが、不足しているものについては、逐次、自分で請求したり、あるいは、出してもらうのに時間がかかるときには、電話で直接確認したりして、完成させたのが、この表です。


CCCから選書提案のあった日、提案冊数、そのうち購入許可数、最終的に受入決定された日――といった項目別に、データをとっていきまして、一覧表にしてみると、それまでわからなかったことが一目瞭然になりました。とりわけ2015年9/10に、武雄市で大量の古本を入れていたことが発覚して増田宗昭社長が謝罪文を出したあとも、多賀城市では中古本が大量に選書されていて、それを市教委が平然と受けて入れている実態が、この表によって露わになったんです。


この決裁文書のデータを集計





このデータを集計する手法は、「東京の図書館をもっとよくする会」の池澤昇さんに教わりまして、このほかにも、選書リストの出版年度やジャンル別の冊数なども、細かくデータを集計することで、CCCによる選書実態を白日の下にさらすことができたんです。






とはいえ、多賀城市は情報公開については積極的という印象はありません。2016年3月末のオープン後、再三催促してもなかなか情報が出てこなくて、最後のほうは電話でデータをよみあげてもらってようやく表が完成したは、夏頃だったように記憶しています。



和歌山市でも、同じようなことをしてみようと思いまして、2020年6月5日のグランドオープンの忙しさが一段落した同年9月頃に、追加蔵書について開示申出をしたところ、出てきた回答が次のようなものでした。







通常の開示請求スタイルではなく、知りたいことを箇条書きにしまして、時間かかってもいいですから、これらについてわかる文書を出してください。


というように、わりと緩い感じでお願いしてみたのですが、私の知りたいことがたくさんありすぎて、追いつかなかったのでしょうか、回答は、ホントにそっけないものでした。（当時、指定管理後の図書館要覧は未発行）


このときはまだ、CCCから「増やしたほうがいい本」として提案を受けて、数百冊だけ発注したということなのでしょう。


完全に肩透かしでした。おそらくこの後、指定管理者になったCCCが独自に、本格的に追加蔵書を発注したのでしょう。


この後、司書資格者の人数や指定管理者前後の運営費比較、独自分類などについて詳しく調べるほうに力を入れましたので、選書問題は手つかずのままきています。

とにかく、このときの開示資料には、決裁文書は一枚もついていませんでした。





最近になって、和歌山市の開示資料が、著しくほかの自治体と異なることを痛感したのは、周南市の開示資料をみたときです。


下をみてください。周南市の目的外使用料の許可書には、毎回、その計算式が詳しく明示されています。


周南市・行政財産目的外使用許可関係書.pdf



その肝心の資料には、起案から始まって、伺い文、添付文書など、その決裁にかかわる一連の関連文書が、すべてイモズル式に出てくるようになっています。

多賀城市でも、ほとんどがこういうスタイルでした。


ところが、和歌山市の開示は、何度かお願いしてようやく決裁文書と一部、鏡文が入るようにはなりましたが、いまだに、目的外使用の計算式が詳細に書かれた添付文書は出てきていません。（出てきたのは初年度の最初の分のみ）




なんでこんな細かいことをクドクド言い出したかといいますと、先日、目的外使用料の計算をする際に、「1㎡未満は合計額を切り上げ」という条例のルールが適用されていないのでは？とのご指摘がsnsでありまして、その点を、改めて開示資料で確認しようとしたら、和歌山市の決裁文書には、単価も書かれておらず、計算式がどこにもついていませんでした。





  • 2020年3月4日に出された目的外使用料に関する通知には「1㎡未満切り上げ」を必ず適用するようにとの通知が出されていた。



これでは確認しようがありません。調べてみると広告物については、条例で別に単価が決められていて、それを適用しないといけないふうになっているのですが、それも開示書類からは確認できません。


この許可の決裁者は、単価や計算式が正しいことを確認もせずに、ハンコを押しているのでしょうか？　それとも、私には開示されていないだけで、偉い人に決裁を仰ぐときには、詳しい説明文が別についているのでしょうか？


その点を確認しようと、担当課の読書活動推進課に

「1㎡未満は合計額を切り上げ」ルールは適用されていますか？


とお聞きしましたら、後日「切り上げて計算されています」と回答があり、詳細は、現在送付中の開示資料にあるそうなので、今度こそ、一連の流れがよくわかるような文書が送られてくるに違いなと期待してるところです。



私は、開示申出をする際には、その申し出書をポンと送ることはせず、なるべく事前に電話して、こちらのほしい情報と意図をお伝えし、ときには、それを出してもらうためには、どういう表現にすれば、より出してもらいやすくなるかを、相談したうえで送っています。


“～に関する一切の文書”のような表現は、できるだけ使わずに、具体的に知りたい内容を書くようにはしているんですが、


それでも、いつもスレ違いといいますか、意志の疎通が十分にできておらず、なかなかほしい情報を開示していただけません。


こんな愚痴をこぼしてみしても、仕方ないんですが、拙ブログは、和歌山市役所の中の人も読んでいただいているようなので、あえて、長々と書いてみました。


ぜひ、今後は改善していただけることを期待しています。


よろしくお願いいたします。


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2020年8月29日土曜日

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《2020年6月》

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