2019年12月12日木曜日

『黒塗りの図書館』シーズン3へ


こんにちは、日向です。

ふと気が付いたら、先月11月は、月イチで掲載していただいているビジネスジャーナルに、記事を一本も出せませんでした。

年末に同文館から刊行する『国民年金150%トコトン活用術』の原稿であたふたしていたのと、

都立高校の偽装請負に関連して、都教委に請求していた資料の開示を待っていたからです。



おかげさまで、和歌山市駅前の再開発に関連した『黒塗りの図書館』は、10月発表分で一段落しました。

ネタは、まだ書けるだけのものはいくつか残ってはいるものの、調査報道としての本筋は、一応あれでは完結してしまいましたので、

さて、これからどうしたものかと思案している最中です。

夏頃には、ツタヤ図書館関連は、そろそろ潮時かなと思いまして、このブログも役目を終えて放置することも考えていたのですが、

ここへきて、指定管理契約のことや都立高校の偽装請負事件も含めた学校図書館の問題と、広がりがみえてきましたので

まだ当分は、続けないといけない情勢になってきました。




2018年に全国で5番めのツタヤ図書館として開館した山口県周南市立徳山駅前図書館のトップページ。開館1年前、中古の洋書を高層書架にはりつける計画が進行していたのをBJで取り上げたところ、市民からの批判が殺到して計画は中止に追い込まれた。急遽、地元の障害者アーチストの下絵をCCC御用達業者が壁面にペイント。「本の絵」には、一冊2000円の本物の本が5000冊買えるだけの約1000万円が投入された。





私が最初にツタヤ図書館問題について書いたのは、2015年の10月頃だったと思います。

当時、武雄市につづく第二のツタヤ図書館が海老名市でオープンしたばかりだったところに武雄市でのクズ本騒動が発覚しまして、あのCCCが増田社長名で謝罪文を出すなどして、世間的に大騒ぎになっていた頃でした。【1】

武雄市がTSUTAYAによる図書館運営を発表した2012年頃からウォッチされているクラスタの方たちからみれば、周回遅れでこの問題に首を突っ込みましたので、当初は、少し的外れな記事もあったかと思います。書くほうとしては、すでに議論がかなり進んだ話題には、ついててくのがやっとという感じでした。

そうしたなか、2016年の3月に多賀城市がオープンする直前から、選書リストの分析を始めたのを機に、次第に、この世界にのめりこんでいきました。

CCCと行政が、あからさまに癒着している構図は、いまの国政にも通じる問題がギッシリと詰め込まれていて、飽きないと言いますか、地方自治の実態を知るにはまたとない事例でした。

しかし、その反面、不祥事に直面するたびに、こんなことがあっていいのかと、憤慨することばかり。

事実、あとからあとから不祥事が噴出して、当初「民間委託の象徴」として取り上げられていたのに、

実態は「民間委託のデメリット」を煮詰めて凝縮したような失敗事例であることがみえてきました。

にもかかわらず、そうした「負」の部分についてメディアは、みてみぬふりをします。

ときどき報道されるのは、水増しされた「来館者数何万人突破」というフェイクニュースばかりです。


時間が経過して報道も途絶えたことから、自分が書くのをやめた瞬間に、ツタヤ図書館の問題は世間から忘れ去られ、

まるで何事もなかったかのように


開館当初は、いろいろと問題が出てきたけれど、その後はうまくいっているツタヤ図書館


なんて世間で言われるかと思うと、とても黙っていられなくなってしまいました。



とんでもない。実態はどんどん酷くなっているんですよ。


と声を大にして言っておかないといけないと思うと、なかなか辞められないわけです。

そんなわけで、気が付いたら、4年の月日が経過していました。正確には数えておりませんが、

年12本としても、もう50本を超えるツタヤ関連の記事を書いてきた計算です。






さて、和歌山市のツタヤ図書館に関する拙稿については、海外ドラマ風に表現しますと


2017年末から翌年春にかけて、週プレNEWSを舞台に、CCC選定までに舞台裏を短期集中連載をしたのが

season1 です。


シーズン1
2017/12/28~2018/4/5 全8回
『疑惑の選定会議』


武雄市でのクズ本購入問題や海老名市での独自分類大混乱など、さまざまな不祥事を起こして、各地でツタヤ図書館の誘致反対運動が起きるなど、信用が失墜したCCCによる公共図書館運営。

2018年2月オープン予定だった宮崎県延岡市では、ついに公共図書館ではなく、本の貸出をしないブックカフェへと追い込まれた。

そんな同社が公共図書館を受託することは、今後はもうないだろうと思われていた矢先、突然、発表されたのが和歌山市のCCC選定発表。2017年11月30日のこと。

その裏側にはいったい何があったのか、選定までの経過をたんねんに追っていったレポート。

明るみになったのは、ライバルTRCとの談合疑惑と、密室で行われた採点プロセスに仕組まれた重大な不正疑惑だった。





それに続いて、ほぼ月イチでビジネスジャーナルに連載してきたのがseason2 です。

シーズン2
2018/09/12~2019/10/7
『黒塗りの図書館』

CCCが和歌山市から受託した新図書館は、和歌山市駅前の再開発事業の目玉だった。

総事業費123億円にも膨らんだブロジェクトが立ち上がった背景にはいったい何があったのかを詳しく調べていくと、みえてきたのが64億円にものぼる巨額な補助金の存在。

市が負担する新図書館の建設費用も入れると総額94億円もの公金が投入される計画だった。

南海電鉄が施主となって進められた再開発計画は、補助金を出す和歌山市と和歌山県に、代官山蔦屋書店を手掛けた建設コンルタントRIAが出席する調整会議で話し合われてきた。

その会議の内容を開示請求したところ、送られてきたのはダンボール箱。開封すると、97%が黒塗りされた1400枚の会議資料がギッシリ。

わずかに残された白い部分の分析と関係者への取材によって判明したのは、全体計画の絵を描いたRIA選定の談合疑惑。そして、政官財のトライアングルの中心にCCCが座る異様な構図だった。




そして、もし、今後もさらに続けるとしたら、以下のようなseason3 です。(まだ未定なので、どうなるかわかりませんが)

シーズン3
2020/1~

『怒れる市民』

開館準備も含めたCCCによる指定管理業務に関する資料が開示されたとしたら、今度は、いったいツタヤ図書館とは、地元市民に対して何をもたらそうとしているのか、あるいは、そこからどんなデメリットが生じてくるのかを詳しくみていきたい。

とりわけ学校図書館の偽装請負の問題や、数千名の署名捺印を集めて二度の請願を議会に提出した市民たち。

そんな市民とは対照的に、図書館に関して、まるで緘口令を敷かれたかのように沈黙を続ける市議会と議員。怒りをぶちまける市民たちについても、もし可能であれば、取り上げてみたいと思っています。

【2020/5/6追記】漠然とこのような構想を持っていましたが、シーズン3は、その後、独自入手した“爆弾文書”による不正疑惑を取り上げることになりました。→ 黒塗りなし“爆弾資料” 


まぁ、まだぼんやりと考えたことですので、どうなるのかはまったく先のことは、見通せませんが。

よろしくお願いいたします。

【1】12/14追記 実際には、武雄市のクズ本騒動が9/10→海老名市の新装開館が10/1なので、正しくは「オープン直前に」


【関連記事】
黒塗りなし“爆弾資料” 

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