2022年11月5日土曜日

“エンクロスの屈辱”を読み解く


 こんにちは、日向です。


昨日、私が公式発表前に速報を打ちました


延岡市エンクロスの指定管理者にカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が再度選定された件、


改めて、これまでの経緯を整理しておきたいと思います。



CCCの提案内容。全編にわたって、自分たちは、こんなに大きな成果をあげてきたのに、それが十分に評価されていないと言っているかのような、いらだちが言下にに滲むような文章になっている。公式ページで公表されたのは概要版のみで、こちらには、目的外使用の提案使用料(スタバと蔦屋書店の賃料)は明記されていない。
https://www.city.nobeoka.miyazaki.jp/uploaded/attachment/11860.pdf より



まず、CCCがエンクロスの指定管理者として運営をスタートしたのは2018年4月のことでした。


その直前の2月に、エンクロスの運営者にCCCを実質指名した前市長の後継者を567票という僅差で破って、総務省出身の読谷山洋司氏が当選したのが“延岡の乱”のはじまり。


前市長の影響力が強かった市議会の最大勢力は、新市長就任と同時に反読谷山で一致団結しまして、新市長が当選後、真っ先にすすめめようとしていたエンクロスの見直しを断固阻止。市長の施策にはことごとく反対して議会が空転。読谷山市長は、見直しを進めるまでオープンは当面延期としていたのですが、さすがに議会が止まってしまっては市民生活にも大きな影響を及ぼしかねないと、やむなくエンクロス見直しを断念して、予定通り4月にオープンすることになりました。


そして、4年後の今年2月。読谷山市長が、今度は予想を大きく超える差で再選されると、議会の反市長派は、4年前とまったく同じ行動に出て、エンクロス見直しを阻止しようしたんです。


しかし、4年ごしの見直しですから、今度は、読谷山市長も、市民や議会の声を、できるだけ丁寧に聴いて慎重にプロセスをふんでいきながらも、一方では、大胆に市長権限を発揮して、反対派の動きを封じ込めることに成功。


3月に発表された指定管理料3割削減の見直し案に、当初「撤退も検討」(これに反応したCCC応援団はスタバがなくなるぞ!と大合唱)と脅していたCCCも、


6月に発表された見直しの修正案で、指定管理料2割削減まで市が譲歩したのを受けて、大人しくなりました。


これで、「契約更新に向けて、水面下で合意したのでは?」との憶測が、かなり信ぴょう性を持つほど、一件落着したかに一度はみえたのでした。


ところが、議会の反読谷山勢力は、これで矛を収めるどころか、7月の臨時議会で、さらに暴れまくるという前代未聞のフェーズに突入。


エンクロスの指定管理料を削減するとはなにごとぞ、また指定管理者を公募して他社とのコンペにかけるとは、とんでもない。そのような公募手続きは即刻中止せよ、そのうえで、これまで通りの指定管理料でCCC様に、次期5年間もエンクロスを運営してもらえ――という内容の


「延岡市駅前複合施設 「エンクロス」の次期指定管理者公募手続の一時停止及び公募方針等の見直しを求める決議が採択。


良識のある市民はもう呆れかえりました。


運営費を安くするのは、市民の利益を第一に考える市長としては当然のこと。それなのに、反市長派の議員たちは、オシャレなスタバをもってきてくれて、市民活動をサポートしてくれているCCC様に払う運営費をカットするなど、一切まかりならぬ。もとに戻せ。もし戻さないなら、覚えとけよ。


そう言っているんです。昨日、速報で「まるでマンガのようだけど事実」と書いたのがこれです。


さらに、その際、ある議員がこんな意見を述べたのでした。



「今後次期指定管理者が最終的に決定するためには、 市議会での議決が必要となるが、 「このまま過半数以上の議員の意向」 を無視した形で進めて選考された事業者が提案されても議案が否決されることも想定され」、 その場合公募した事業者や選定に携わる外部委員 の方のご尽力が無駄になってしまうことになる。 さらに、最悪の場合令和5年4月1日以降の指定管理者が 決まらず施設が休止してしまうことも想定される」


もし、オレらのいうことを無視して、公募するようなことしたら、市長が選定した事業者を議会で拒否してやるからな。もしそうなったら、市長たちのやったことは全て水の泡になってしまうぞ。4月以降、エンクロスは運営者がいなくなってタイヘンなことになるぞ。


そう脅したんですよ。




 実は、ここのところが、ツタヤウォッチャーにとって、いちばんの不可解なところで、


読谷山市長が、3月に出してきた見直し案を6月に、少し譲歩する形で修正した時点で、勝負あったと事情通はみました。


なぜならば、市民や反対派の意見も取り入れる形で譲歩したことで、反対する理由がほとんどなくなってしまったからです。


エンクロスの運営費がバカ高いことは、3月の見直し案で、細かくデータをあげて説明されており、もしそれに反論するのであれば、その論拠を出さないといけませんが、反対派もCCCもそうした論拠を出せませんでした。「市民活動のサポートが手薄になる」「スタッフの削減につながる」とイメージ先行の言葉だけがから回りしていました。


もともと4年前に決まった運営費は、CCCサイドから提示されたものを丸飲みしただけで、市がちゃんと積算したものではありませんでした。なので、今回はじめて、延岡市が自らの公共施設として、責任をもって運営費を積算をし、この範囲でお願いしますという額を出したわけです。


それが難しいようならば、応募しなくて結構ですよとしているわけですから、CCCとしたら、「撤退するかも」という脅しの言葉を一度吐いてしまった以上、「2割削減」がもし不満なら応募しなければいいだけ、というところまで追い込まれてしまっていたんです。


なので、CCC対読谷山市長とのあいだでは、すでに勝負はついていました。あとは、CCC応援団もその意向を尊重して、この件はもう黙るしかなかったんです。



ところが、指定管理者募集をスタートした7月以降も、黙るどころか、余計にヒートアップしたのが


「延岡市駅前複合施設 「エンクロス」の次期指定管理者公募手続の一時停止及び公募方針等の見直しを求める決議



https://www.city.nobeoka.miyazaki.jp/uploaded/attachment/10632.pdf


――でした。


エンクロスの指定管理料を削減するとはなにごとぞ、また指定管理者を公募して他社とのコンペにかけるというのもとんでもないことなので、そのような公募手続きは即刻中止せよ、そのうえで、これまで通りの指定管理料でCCC様に、次期5年間もエンクロスを運営してもらえ!


というのには、ほんとうに呆れかえります。



たとえて言えば、逆転満塁本塁サヨナラ打を打たれてゲームセットとなったあと、あのストライクボールの判定おかしい。もう一度一回から再試合しろと要求しているようなものです。まぁ、誰がどうみても、みっともないの極みですね。


そういうなかで、今回、正式に指定管理者も選定結果が発表され、CCCともう一社が競合した結果、CCCが次期指定管理者として選考されたというわけなんです。





では、なにゆえ、見直し案の修正によって一度、水面下でCCCとの合意ができたはずだったのに、CCC応援団がそれ以降も暴れまくったのか。


その答えを解き明かすヒントが、速報の追記にも書きました、ある事情通の方による


自治体(延岡市)から声をかけられた某社が応募を検討したけれど、スタバ運営で採算があわないと判断して応募しなかった。


――という情報に隠されていたと思いました。


この事情通の方からは、8月にも、


延岡市が、CCCとの契約解除を検討していて、他の事業者からの応募を受け付ける模様


――という情報をメールしていただいてました。


ということは、延岡市サイドは、当初、あきらかにCCCに対抗できる事業者に声をかけて、CCC追い出しの動きをみせていたことになり、


さらに、昨日わかったのは、4年前にCCCと競合した形になっている事業社も応募を検討(スタバの採算面で応募断念)していたということです。


私が感じたのは、この動きを役所内にいる隠れCCC応援団の職員が察知して、反対派の議員たちにスパイとして流していたのではないのか?ということ


だから、このままでは、CCCは追い出されてしまいかねないという危機感を抱いて、あんなにみっともなく、子供がタダをこねるような対応をしたのか。


そう思ったんですね。まあ、真相は、藪の中ではありますが。



さて、そうしたなか、今回競合したのは、応募書類の内容からして、おそらくTRC図書館流通センターだろうと、ツタヤウォッチャーはみています。


そうしますと、CCCがこれまで、自治体のコンペで選定された、2017年の和歌山市、2020年の宇城市、2020年の門真市、2022年の沖縄県読谷村の4つの図書館は、すべてTRCとの競合だったことがわかっています。(宇城市は、開示資料の黒塗り漏れによって判明)


なので、TRCがなにか別の理由があって、つきあってくれたのかな? いつまでもそんなことしていると、談合の証拠が出てきたときに大丈夫なのかな?


と思いました。



さて、駆け足で延岡市のCCC再選定をふりかえってみましたが、みっともなくCCC応援を続けてきた、延岡市議会のセンセイ方たちは、これからどう弁明するのでしょうか。


CCCが選定されて希望がかなった以上、もういうことはないと思いますけれど、それでもまだ次の議会で暴れまわる醜態をさらすとしたら、落選運動の対象になりかねないなと思いました。


一方で、運営費2割カットされても、CCCが土下座応募してきたのをみて、ほかのツタヤ自治体も、交渉次第で、運営費はどんどん下がることがわかったのではないでしょうか。


それをしないのは、市長か教育長が、CCCさんに特別な便宜をはからないといけない、これまた特別な理由があるからだと思う市民は確実に増えていくと思います。


今後、カルチュア・コンビニエンス・クラブがこれまでに密かに発揮していたかもしれない政治力を放置しておくと、いつ旧統一教会のような政界汚染に発展しないとも限らないですね。


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