2020年1月15日水曜日

選定前の密談記録(2)

こんにちは、日向です。

先日の『選定前の密談記録』のつづきです。


2013年7月26日、佐賀県武雄市にあるCCCのオフィスを宮城県多賀城市の教育委員会事務局のスタッフが訪問しました。



ほんの2週間ほど前の7月11日、菊地健次郎市長が、突然記者会見を開いて、

佐賀県武雄市で「官民連携図書館」として話題を呼んでいた図書館を運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブと連携協定を締結すると発表したばかり。

 連携協定の内容は、「蔦屋書店の出店」と「東北随一の文化交流拠点づくりの企画提案」であり、図書館の運営をCCCに委ねることは「入っていない」とされていました。

ところが、その2週間後、教育委員会事務局のスタッフが武雄市を訪問して、事業者選定前に候補企業CCCと詳細な打ち合わせを行っていたのですから、デキレースではないのかと批判されるのは、当然のことでしょう。


そのときの会議の模様を記録したのが前回紹介した「密談記録」です。

この文書については、すでに以下の記事に書きましたので、詳細はそちらをご参照いただくとして、いくつかポイトを絞って追加情報を書いておきたいと思います。

2017年12月29日
内部文書を徹底検証ーー疑惑の“ツタヤ図書館“が新たに選定された和歌山でも裏で画策…?





真っ先にふれないわけにはいかないのは、冒頭の文書です。






多賀城市教育委員会様xCCC キックオフmtg 2013/7/26

9:30~11:00 CCC武雄オフィス

というヘディング部分は、改めてみるとイタイとしか言いようがないですね。

xCCC

とか

キックオフmtg

とか

アジェンダ

とか

メンバーご紹介

マスタースケジュールのご説明

とか

なんすかね、このフワフワ感。

お堅い役人相手に、


東京六本木から流行の最先端をビジネスにしている企業が、形式にとらわれずに自由に意見交換もしていきますよ

みたいな雰囲気を思いっきり醸し出していますね。

名刺交換した後に、こんなもの配布されたら、私だったら、なんかとんでもなくおかしな会社だなぁって思いますね。

おそらく多賀城市の職員の方たちも、そう思ったはずで、いったい、これからなにが始まるのかって。



それはさておき、なんといっても、いちばん衝撃的なのが「マスタースケジュール」なる計画表です。





あれっ、いきなり最初の打ち合わせで、軽く意見交換するだけのつものだったのが、

議会関係

とか

図書館関係

とか

人員関係


とか

会員・システム関係

とか

建築関係

とかなっていて、それぞれ決められた担当者が、開館までに、具体的にいつ何をどうするかが細かくスケジューリングされているんです。

この書類も、CCCから多賀城市職員に提出されたもので、これ読むと、多賀城市がTSUTAYAのフランチャイズにこれから加盟して、レンタル店をオープンするかのような話になっているんですよ。(「~関係」なんて、こんな書類で使いますか?)


えっ、図書館だって、市長はあんなこと言っても、これからどうするか決めるんでしょ


CCCは、あくまで企画提案をしてくれるだけの業者さんじゃあないの?



もうCCCに図書館を運営させるって話にすっかりなっちゃってんの?

というふうに多賀城市の職員みんさんは、驚いたわけですよ。

その証拠に、タイトルの上の部分を拡大すると、手書きでこう書かれているんです。


つまり、CCCで決定したと考えてよいのでしょうか?

















いやはや、これはさぞや職員の方ショックだったでしょう。


話題の図書館見学して、温泉でも入って、一応、名刺交換くらいしとくかぁ

と思っていたら、いきなり開館までのスケジュール表を渡されたんですから。



で、CCCのスタッフに注目してください。



議会関係を担当する木元氏を除けば、みなさん武雄市のツタヤ図書館1号店を立ち上げた“増田チルドレン”です。

まず、椎名さんは、海老名市を経て、現在は多賀城市で統括マネージャーを務めています。


桜澤さんは、2018年にオープンした周南市立徳山駅前図書館の館長さんに就任しています。

中林さんは、多賀城市を経て、現在は延岡市駅前複合施設エンクロスの館長として活躍されています。

みなさん、武雄での経験を生かして多賀城の立ち上げにも参加されたわけですが

このとき多賀城では、まだ事業者の選定どころか指定管理制度導入の手続きさえ始まっていない白紙の状態なのに

そこで官民が詳細な打ち合わせをするというのは、

もはや言い訳のきかない

官民癒着=デキレースだという認識はなかったのでしょうか。


念のために記しておきますと、多賀城市で市立図書館の指定管理者候補者申請の受け付けを始めたのは、

この会合の翌年である2014年4月17日。

さらに指定管理者としての随意契約先がCCCになると承認されたのは6月13日でした。

ですので、2013年7月26日に、多賀城市の職員が初めてCCCと会合したときには、まだ図書館の運営事業者の選定は、競争入札することが前提で進められていたはずです。

そのときに、多賀城市の職員が特定事業者を選定することを前提に詳細な打ち合わせを行うことは「入札等の公平さを害すべき行為」として糾弾されかねません。

CCCサイドも、癒着している多賀城市長の権力を背景にして、自社専用の新図書館建設に関して便宜をはからうよう要求しているようにもとれます。

ここまで実名を出して告発するのも気がひけますけれど、

こんなことをしておいて、この後、彼らがどんなに美辞麗句を並べ立てたところで、


私は、その言葉を1ミリも信用する気にはなれません。


それくらい非常識な行為だと思いました。


長くなりましたので、またつづきは後日にします。

【関連記事】
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