2019年2月18日月曜日

「談合王国」の悪夢

こんにちは、日向です。

「まちづくり」とか「都市計画」のコンサルタントというのは、いつも役所の関係者会議に当たり前のようにクライアントと一緒に出席しているのでしょうか?

 昨日BJにリリースした記事のなかで、和歌山市の担当部署の人が、官製談合の動かぬ証拠をつきつけられて、こう開き直っています。


「再開発プロジェクトが立ち上がったばかりの頃に、コーディネーターがざっくりした資金計画案を作成して関係者に発表することは、業界では慣例的に行われている。不適切でもなんでもない。最初は“手弁当”で入ってくる事業者もいるほどだ」

ツタヤ図書館、建設で談合疑惑浮上…和歌山市、入札前から特定業者と資金計画について会議 より

これが事実だとしたら、“手弁当”で入り込んできたコンサルタントが、いつのまにか巨額プロジェクトの計画を事前に作成して、あとで正式にコンサルタントに選定されたりするのでしょうか

そういうことが日常的に行なわれているので、コンプライアンス意識が希薄になっているのでしょうか































ところで、
図書館の指定管理の世界で、「コンサルタント」と言えば、


指定管理者に応募するとき、応募企業に代わってプロポーザルを書いてくれる事業者がいる

と、図書館関係者から聞いたことがあります。

民間企業に運営を全面的に任せる指定管理者制度が始まってすでに10年以上たってますので、いまはそういうコンサルタントが活躍する場面というのは、あまりないと思うのですが、始まった当初は、

図書館なんか運営した経験のある企業ってほとんどいなかったでしょうから、コンサルタントにプロポーザルを書いてもらうなんてこともよくあったのでしょう。

でも、その場合、指定管理者の選考会のブレゼンに、コンサルタントが同席するかといえば、そんなことは、ありえないと思います。入学試験や就職の面接に家庭教師が同席するようなものですから。(クライアントのスタッフに成りすまして同席することはあるかもしれませんが)


まして、役所の関係者会議に落札の2年前から出席して、クライアント=応募する事業者に代わって詳細説明をするなんてことも、ありえないと思います。

指定管理者の募集が始まったら、応募する事業者は役所の人間とは接触禁止。質問は一定期間にメールでのみ受け付けるとか、結構厳しいルールがあったりします。

和歌山市のケースでいえば、南海電鉄は、RIAとコンサルタント契約を交わして都市計画を立案してもらい、会議の席では、自社のかわりに事業計画の説明までしてもらっています。

その結果、2016年に南海電鉄が実施する駅前再開発の都市計画を、和歌山市が決定。国の社会資本整備総合交付金も決定されて、県の分も合わせて総額64億円の補助金獲得に成功しているというわけです。

そのスキームに突然浮上してきた今回の談合疑惑。

たぶん、今頃ゼネコンの人とか、施工のほうまで疑惑が波及してこないか、戦々恐々としているんじゃあないですかね。

いや、いちばん「ガクガクブルブル」なのは、市の職員かもしれませんね。

なんたって、和歌山はかつて現職の県知事が官製談合で逮捕されたほどの「談合王国」でしたから、地元で起きたあの事件は、役所の人にとって消し去ることのできない悪夢のはず。

だったら、CCCはカンケーないのではと思われる方もいるかもしれませんので、ひとつ基本的なことを書いておきますと、

ツタヤ図書館というのは、ハコモノの建築からCCCが深く関与しないと実現できない事業なんですよ。

なぜならば、ダミーの空箱を高い位置に配置した独特の高層書架など、TSUTAYA仕様の空間を基本設計段階から反映しておかないと、彼らの思惑通りのものにはならないからです。

なので、基本設計者に選ばれたRIAが、指定管理者に選定される前のCCCと、内緒で打ち合わせしてたっておかしくないわけです。


現に、先行例の多賀城では、CCCが指定管理者に選ばれるはるか前から、RIAと設計の打ち合わせをしていたことが内部告発によって発覚しています。

長くなりましたので、この続きはまた後日書くことにします。

よろしくお願いいたします。





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