2020年6月27日土曜日

自動貸出機についての補足説明

こんにちは、日向です。

昨日書きました和歌山市民図書館の蔵書にICタグが装備されていない件

すぐに確認はとれたものの、どうしてそうなったのかプロセスがわかる会議録等はないのかをいま調べてもらっています。

詳細は、わかり次第お知らせしますので、しばらくお待ちください。

さて、図書館の蔵書にICタグが装備されていないことが、どうして話題になったのかと思われた方のために、少し補足説明しておこうと思います。



和歌山市民図書館の公式サイト



通常、図書の貸し出し時には、図書の裏表紙などに貼り付けられたバーコードを一冊一冊読み込みますが、

最近、普及しつつある自動貸出機を使って貸出をする場合は、だいたいどこでも、

バーコードではなく、あらかじめ装備されたICタグの情報を読み込むのが主流になりつつあります。

違いは、複数冊を同時に処理できることで、たとえば、借りたい本を5冊とか10冊とかを

まとめて読み取り台の上にポンと置いて一括で処理できるので便利なわけです。


ツタヤ図書館では、2013年に新装開館した元祖の武雄市の頃から、

利用者が自動貸出機を使うとあるメリットが得られるようになっていました。

ウォッチし続けている方にとっては、いまさらという話ですが、

Tカード機能のついた図書カードを使っている人は、


自動貸出機利用で、一日一回3ポイントを上限にTポイントがつくのです。


えっ、図書館で本を借りたら、Tポイントがつくなんて凄いオトクじゃない?

いままでツタヤ図書館問題についてまったく知識のなかった人は、そう驚かれるかもしれませんが、

実は、これこそがツタヤ図書館問題の核心部分のひとつでもあるんです。

少し長くなりますが、その点も説明しておきます。




公共図書館で一民間企業がビジネスで展開しているサービスを合体させること自体が、とんでもない話です。

じゃあ、Dポイントとか、楽天ポイント使ってる人は、どうなるの? ソンですよね。不公平ですよね。

それって、一民間企業が自社の会員を増やすためのPR活動を、指定管理者の優位的地位を利用して行っている

ということになりますし、

なにより、Tポイントをつけるためには、図書館利用者のデータをTポイントを管理する外部の関連会社に送信しなければなりません。

ここがいちばんの大問題で、

これを許すと、「図書館の自由に関する宣言」によって定められている


「図書館は、利用者の読書事実を外部に漏らさない」

という大原則を破ることにもなりかねません。


もちろん、付与されるTポイントの原資を税金で賄うことそのものも大問題です。

CCCのために、図書カードにタダでTカードをつけてあげた

うえに、販促活動費まで税金で面倒みてあげるのですから。凄い利益供与ですよね。



https://tsite.jp/pc/r/al/takeo.pl より



というわけで、武雄市でCCCが始めた「自動貸出機利用で、1日一回3ポイント付与」は、たけおクラスタと呼ばれる方たちから猛烈な批判を受けまして、

それに対してCCCサイドは、十分に説明責任を果たせなかったため、2015年にツタヤ図書館になった海老名市以降、自動貸出機利用でTポイント付与は、されないことになっていました。

これで一安心といいたいところですが、2017年に開業した岡山県高梁市のツタヤ図書館では、

議会で「Tポイントつけません」

と市教委の責任者が答弁しておきながら、実際に開業したら、実はダマテンでTポイント付与していることが発覚して、大騒ぎになりました。[※1] 「高梁市Tポイント騙し打ち事件」

もちろん、議会でも責任追及されましたけれど、結局うやむやのまま終わりまして、いまもTポイント付与は行われているようです。



で、6番めのツタヤ図書館となる和歌山市の場合は、果たしてどうなるのかと、みなさん、ある意味かたずをのんで見守っていたところに

いまのところ、Tポイント付与という情報は出てきてませんので、やれやれと思っていたところ

自動貸出機では、ICタグではなく、一冊一冊通常の窓口で行われる貸し出し作業と同じように、バーコードを読み込む

という逆の意味で、ローテクなシステムであることが判明しまして、ぶっ飛んだわけです。

最新のシステム一式を入れているはずにもかかわらず、です。



和歌山市民図書館の蔵書は、移転前に45万冊ありまして、追加購入が約5万冊と予定されておりましたので、

トータル50万冊にICタグを装備するんだろうと思っていたのに、それがバーコードだけとなると、

えっ、なんで、そうなっているの? と不思議で仕方ないわけですよ。

単に予算の関係で、バーコードしか装備できなかったのかもしれませんけれど、

図書館のハコモノ建築に40億円近いカネをつぎ込み、開業準備費もCCCに委託した分だけて1億円、その他も入れるとトータルで2億円近いカネがかかっているはず。

とにかくケチるというか、費用対効果を検証するとか、これまで一切やってこなかったのに、そこだけはなぜか旧式のバーコードにした

というのは、にわかに信じられないわけなんです。


もちろん、ICタグにすることによって、自動貸出機に利用者を誘導して、Tポイント付与を容易にしたり、あるいは、貸出が容易になりますので、貸出数の水増しなど不正行為の温床になったり

はたまた、そこに独自分類のデータも全冊入れられるというようなデメリットも少なくはないので、

私個人的には、そんなもの導入するお金があるなら、一冊でも多く本を買ったほうがいいとする立場なのですが、とにかく、なんでそうなっているの?

ということは、よくよく調べておかないと、ツタヤ図書館の場合は、必ずなにかしら、そこに何か落とし穴が潜んでいるものですから、疑心暗鬼になっている、というようなこともあるわけです。

すみません。ちょっと何を言ってるのかわからないかもしれませんが、取り急ぎ捕捉説明を書いておきます。



追記 

CCCが管理運営するツタヤ図書館では、利用者のデータをTカード会員データと紐づけることもでき、たとえば、図書館でTポイント機能付きカードをつくったら

知らない会社からダイレクトメールが送られてきたりもする個人情報漏洩の不安もかねてより指摘されていました。

市議会でも、その点の問題意識を持った議員さんが、一昨年の暮れと昨年、教育局長に問い詰めているんですが、

市当局は何もわかっておらず

CCCは外部にデータを送信しないので、そのようなことはないので心配ない

と繰り返すばかりだったんです。

実際に開業してみると、しっかりそんな注意書きもカード作成の案内には書かれていました。



戸田正人市議が自らのブログで、市民図書館の一部開館を伝えたときの画像


市長や教育局長は、CCCからの差し紙をそのまま棒読みしたにしろ、事実と異なっていたのですから、議会で虚偽の答弁をしたことになります。






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