2019年1月3日木曜日

謎のISBNその(1)

 こんにちは、日向です。

 今日は、本のISBNについての話題を取り上げたいと思います。

 以前、宮城県多賀城市が2016年にツタヤ図書館として新装開館したときの選書リストについて、出版ニュースに寄稿した記事(「ツタヤ図書館は死んだに等しい」)をダイジェストでご紹介しました。

 実は、そのなかの重要なトピックスのひとつがISBNでした。

 ISBNとは、流通する書籍すべてにふられた13ケケタの固体識別番号のようなものです。


 まずは、下の表を見て下さい。多賀城市が2016年の新装開館にあたって追加購入しようとした3万5000冊の図書のうち、約2万冊の新刊については、第5回から第11回まで6回に分けて選書リストが市教委に提出されています。



 この選書リストを刊行年代別に分類していったところ、第8回と第9回の一部だけは、なぜか極端に刊年が古い本が大量に含まれていました。

このことから、もしかして、新刊と称したリストのなかには、大量の中古あるいは新古書が混入しているのではないかという疑惑が浮上してきたのです。


 2015年9月佐賀県武雄市の元祖ツタヤ図書館で、市民が開示請求して公開された選書リストのなかには、大量の古本が混入していた事件があっただけに、新刊リストのなかにも古本が含まれているのではとの疑念は、当時、CCC指定管理なら、当然ありえるのではないかと誰もが思ったはずです。

 選書リストを詳しくみていきましたところ、とりわけ第8回には、確かに刊行年が極端に古い本が大量にリストアップされていました。







 それと同時に、この第8回のリストの、なぜか10ケタのISBNが大量に混入していたこともわかったのです。

 これを 発見したのは、リストの分析をお願いしたある古書店店主の方でした。店主曰く

10ケタで末尾に『x』(テン)となっているものがあるのでこれらは、古本ではないのか」

--とのご指摘でした。

 指摘していただいたのは、以下内容でした。

・ISBNが現在の13ケタになったのは、2007年のこと。2006年までに刊行された書籍は、10ケタのISBNが使用されていた

・ISBNの末尾には、チェックデジットと呼ばれるコードが正しいかどうかを確認するために1桁数字が入れられている

10ケタのISBNには、「10」を意味する『x』
(テン)という記号が含まれていたが、2007年に13ケタISBNに改定されてからは、そのような表記は廃止された

 ということは、選書リストのなかに、10ケタでなおかつ末尾が『x』(テン)となっているISBNがあれば、その本は、2006年までに刊行された本であり、それらは古本か新古書である可能性が高いとおっしゃる

 そこで、早速、第8回選書リストを詳しくみてみましたところ、

10ケタISBNは多数混入しているばかりか、2007年以降に刊行された本なのに、ISBNが10ケタで、すでに廃止されたはずの、末尾『x』の本も結構あることがわかりました。
 

一瞬だけ、「これはスゴイ発見!」と小躍りしたものの、苦難の始まりはここからでした。

その裏付けとなる証拠集めに奔走したのですが、なんとなく怪しいというだけで決定的な証拠がなにもみつかりません。

 20年前に刊行した本もまだ倉庫に残っていて、ときどき出荷するよという中小の版元も結構あり、ただISBNが10ケタで、末尾『x』が含まれているというだけでは、なんの証明にもならないことがわかったからです。

 わざわざ新しい本に、古いISBNをふるなんて、どうなっているのか。

 ここからは、もう完全にお手上げ状態でした。新刊の選書リストは、2万冊もありますから、これらをつぶさにみていくだけでも、気が遠くなりそうな作業です。

 何カ月かかかってみていき、わからないことは出版関係者にあたってみましたが、結局なにもわからずに、また、振り出しに戻ったのでした。

とっくの昔に廃止されたはずの10ケタのISBNが、いったいなぜ、新刊の選書リストに混入しているのか。
その謎を解くヒントは、amazon.co.jp にありました。

0 件のコメント:

コメントを投稿