2020年3月23日月曜日

和歌山市・学校司書の請願は不採択

こんにちは、日向です。


先日、書きました和歌山市の学校図書館の件、

市内の市民団体が「学校図書館は、CCCに委託しないで、直接雇用で学校司書を配置してほしい」との請願署名を昨年6月からスタートしていました。

その結果がついに出ましたので、取り急ぎ、その概要をお知らせします。

結果は、今年度最終日となった3月19日の議会本会議で、残念ながら不採択となりました。















有効署名は1950名と、2000名近い市民の賛同が得られ、提出期日に間にあわなかった分や、捺印がなかったために有効にならなかった分632名をあわせると、約2600名の市民が、この請願の主旨に賛同されたことになります。

では、何故、不採択となったのか。

ここに至るまでが、とんでもなくおかしなことの連続でしたので、この間の経緯を記録しておきたいと思います。





まず、今回の市民団体が行った請願署名の主旨は、


①TSUTAYA本社CCCに学校図書館まで委託しないでほしい 

②直接雇用の学校司書を配置してほしい

――の2点でした。


先日も書きました通り、和歌山市では、国から1.5校に1人学校司書を雇用できるだけの公金をもらっておきながら、そのお金をほかの事業に流用していて、本来だったら71校【1】で50人くらいいないとおかしい学校司書がたった1人しか配置しておりませんでしたので、

②については、市教委や役所内の関係者、市議会関係者は、市民団体から詳しい経緯の説明を受ければ、誰も異論のないところです。

ところが、問題になったのは①のほうです。


実は、コレ海老名市でもCCCが5年契約を更新されることの是非が議論された際、問題になったことを覚えているのですが、

特定企業を名指しで、議会が何かアクションを起こすというのは、よほどの違法行為がない限り難しいと言われています。

和歌山市のケースでは、そもそも

学校図書館にCCCのスタッフを配置する

という事実そのものがまだない、つまり水面下で進んでいる話なので

これを前提とした正式な議論がなかなかできないという、ややこしい事情がありました。


そうすると、この請願について、もろ手を挙げて賛成してくれる議員さんというのは、なかなかみつからなくなるんです。

議会に請願を提出するためには、紹介議員が必要ですので、

それを引き受けてくれる議員さんがまずいないと、この話は前に進みません。


「CCCへ学校図書館を任せる」ことが、ほぼ既定路線であることを理解していて、

なおかつ、それがどれだけマズイことかもわかっている議員さんも何人かはいるはずだと思いますが、

積極的に賛同してくれる議員さんというと、なかなかいないという現実も、おそらくあったであろうとことは、想像に難くありません。


で、最終的には、そうしたなかでも、一部の議員さんたちが紹介議員になって、請願を提出することがなんとか可能になったのが昨年12月議会が始まる少し前のことでした。


で、昨年12月議会に提出すべく、経済文教委員会でこの議案が取り上げられて、賛否が議決されたところ

賛成4名、反対4名

――の同数だったため、残り1票を持つ議長判断によって

継続審議

ということになったんです。





じゃあ、結構いいセンいったんじゃあないのって、思われるかもしれませんが、

このときもネックになったのが

CCCの名前が請願理由の中に入っていることでした。

もし、このときに、請願の文面から「カルチュア・コンビニエンス・クラブ」を削除すれば、無事、議会に提出されて採択されたはずでした。

しかし、市民としては、

学校図書館まで市民図書館と同じように、TSUTAYAの本部CCCに丸投げされるのは、絶対にやめてほしい

というのがそもそもこの請願を始めたきっかけでしたので、それはどうしても受け入れることはできませんでした。

かくして、継続審議となり、この2月から始まった議会で、改めて取り上げられることになったのです。



前回の賛否が「4対4」でしたので、今回もかなり伯仲するのではと思いきや

先日の委員会での結果は、

賛成1に対して、反対8

という圧倒的な差で否決されました。

その結果を本会議で改めて報告の上、賛否が問われましたが、委員会での議決通りとなり、1950名の請願は、正式に不採択となった次第です。


この請願に尽力された市民団体の方々も、採択されるのは現実問題としては、なかなか難しいとは思っていたはずですが、

まさか、二転三転して、こういう形で決着がつくとは夢にも思っていなかったでしょう。

この間、新しい市民図書館を盛り上げていこうとしている市長部局や、市教委の市民図書館担当部署、さらには市議会関係者の人たちのうち、誰がどう動いたのかはまったくみえてこないのですが、

和歌山市では、これまでのツタヤ図書館誘致自治体で起きたのと同じように、

CCCの影響下で、市民の利益よりも、CCCの利益に忠実に動く人物がいるということを、改めて痛感させられた出来事でした。

以上、取り急ぎ、ご報告しておきます。

【1】当初、和歌山市内小中学校の数を「72校」と書いてましたが、「71校」の間違いでしたので、そのように訂正しました。2020/03/27


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