2020年4月23日木曜日

TSUTAYA誘致市の謎

こんにちは、日向です。

先日、お知らせしました香川県丸亀市がTSUTAYAの本社CCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)を、市民交流センターの指定管理者に選定した件について、本日は、気づいたことを書いておきます。

これまでのツタヤ図書館の動きをウオッチし続けてきた人にとっては、

あれだけ問題を次々起こしたら、いくら情弱、いや失礼、不祥事に対してあまり敏感でない自治体であったとしても、

さすがにもう「TSUTAYA凄い!」などとと飛びつくようなことはないだろうと、思っていたはず。

それが、今回丸亀市では、図書館ではないとはいえ、

CCCを公共施設の指定管理者に選定しました。

これは、ウォッチャーにとっては、たいへん大きな驚きだろうと思います。

下をみてください。これいままで何度も当ブログで掲載しているCCCが過去に起こした不祥事や疑惑の一覧表です。




海老名市ツタヤ図書館不祥事・疑惑一覧 2019/4/8改訂
20159
開館直前、購入予定の選書リスト約8000冊中、4000冊近くが「料理本」が判明

選書リスト中に、タジン鍋、おろし金、メガネ拭きなどが混入、またアジアの風俗ガイド本など不適切な図書もみつかる

新装開館前日の記者会見で、中央図書館の館長を務める高橋聡氏が「武雄市図書館の時、僕たちはド素人でした」と告白して世間をアッと驚かせる
201510
平成26年度図書購入費3億9千万円のうち未購入残金9千万がCCCからが海老名市に返却されていないことが発覚(予算未執行)

CCC独自のライフスタイル分類による図書の配架が話題になり、職員すらどこになにがあるのかわからず大混乱に陥る

『旧約聖書出エジプト記』や『カラマーゾフの兄弟』が「旅行」に分類されていることがネット上で話題になり、利用者からは「本を探しにくい」と批判が集中した

共同で市立図書館を運営していたTRCが「企業理念が異なるのでCCCとは一緒に仕事できない。海老名からは撤退する」とJV離脱を表明

市長の仲介で、TRC離脱表明撤回するも「今後は一緒にやらない」と社長コメント

蔦屋書店、スターバックスの年間賃料は3,293,580円と、世間相場の半額以下の激安であることが判明し、その決定が不透明と批判される

図書館収蔵の雑誌ラインナップが大幅に削減されていることが判明。週刊東洋経済10/31号で、増田社長が「うちのミス」と改善を約束したものの、その後改善された形跡はなし
201511
指定管理者の応募資格だった個人情報保護の規格であるプライバシーマークをCCCが密に返上していたことが発覚
201512
指定管理でコスト削減と言われていたが、運営費は1.6億円から3.3億円と倍増していることが議会答弁等で判明

CCC・TRC共同事業体との海老名市立図書館の基本協定解約と、市長へ5億円の損害賠償請求することを求めて、市民団体が横浜地裁に提訴

図書館サイトのイベント案内ページの画像を他社サイトから盗用していたことが発覚。文章も、生活総合情報サイトに掲載された記事から無断転用していた
20161
図書館でTカード機能付貸出カードを作ったら、知らない会社からDMが送られてきたとのツイートを発端に、CCC管理によって個人情報が図書館の外に流失しているのではとの疑惑が浮上
2016年4月
海老名市民が来館者データの情報開示請求したところ、201621日の来館者数が4303人で、大混雑した新装開館日よりも多い数字が報告されていたことから、来館者数カウントで不正が行われているのではとの疑惑が浮上
20166
電気・水道のメーターが市立中央図書館と、目的外使用部分(スタバ、蔦屋書店)が別契約になっていないことが判明。「82の割合で支払っている」と市教委答弁するも、市民の税金で民業部分の経費を一部負担しているのではとの疑惑が浮上
20169
カフェと書店の賃料が相場の10分の1、固定資産評価が図書館新築時30年前の評価で算定していた。海老名市財産規則13条(価格の再評価)違反を指摘される

図書館のホームページのデザインが多賀城市・高梁市のHPと同じであることが基本協定書28条3(物品の帰属)に違反と指摘される
201611
市民グループから「すでにない山小屋や登山ルートの情報も載せて」いた「三十年前の山岳本」が在書されているのを「利用者の安全に影響しかねない」との指摘を受けて、それらが書庫に移されていたことが判明
20185
消費者庁から、CCCグループの基幹事業である「TSUTAYA TV」等の「動画見放題」広告が景品表示法違反と認定され、措置命令を下される
20186
中央図書館長が、CCC図書館カンパニー社長を兼職している行為が図書館法13条の2に違反と指摘

CCC運営の中央図書館において司書の有資格率が48.8%と、50%割り込んでいることが判明。協定書第9条違反を指摘される
201811
CCCによるこれまでの不祥事をまったく考慮せずに、翌年4月から5年間の指定管理者に、再度CCCTRCの共同事業体を選定
20191
CCCが裁判所の捜査令状無しに、Tカードの会員情報を警察に提供していたことが発覚。Tカード導入している図書館でも、利用者の情報が無断提供されているのではないかとの不安が広がる。
20192
消費者庁から、虚偽広告と認定したTSUTAYAに対して、最終的に確定した額として、過去最高の1億1753万円にものぼる課徴金納付命令が下される



海老名・不祥事一覧追加 より


神奈川県海老名市だけでもこれだけあるのですから、凄すぎるとしかいいようがありません。


これだけ次々と問題を起こしている企業をありがたがる自治体が、まだあるというのは、私も驚きを通り越して呆れるしかありません。

ググレカス!

なんてよく言われますけれど、この会社が過去に受託した自治体でどういう問題が起きたのかという点について、今回、丸亀市は一度も調べなかったのでしょうか?

ただ一方的にCCCからセールストークされたものだけを信じて、まい進してしもうものなのでしょうか。

いやホントに不思議です。

2年半前、和歌山市で突然、CCCが市民図書館の指定管理者に選定されたときも衝撃的でしたが、

それからも、ここに書ききれないほどの疑惑事件が起きました。

直近では、昨年2月に基幹事業のTSUTAYA(CCC増田社長が代表取締役会長)が、景品表示法違反、要するに虚偽の内容の広告を大々的にうっていたとして

一億円を超える課徴金を課せられるニュースを、みなさんも覚えておられると思います。詳しくは以下のエントリーからつづく一連の記事をみていただければ、わかります。

虚偽広告の実態


で、丸亀市は、ちょうどその課徴金命令が消費者庁から出されてからわずか3か月後に、今回の指定管理者選定のひとつ前のステップとして

市民交流センターの開業準備をサポートする支援事業者として、CCCを選定しているんですよ。





巨額の罰金を科せられるほど不正行為をした企業の応募を受け付けただけでも驚きなのに、そのうえに「優れた実績のある企業」として、ありがたがっているんです。

それが、今回の指定管理者選定にも一直線で当然つながるわけで、実質的には、このときにレールは敷かれていたとみていいのではないかと思います。

虚偽広告で罰金1億円課せられたばかりの企業が、なんで公共の仕事に応募できるんですかね。いや、ホントに不思議でなりません。

えっ、丸亀市は、図書館ではないから、うまくいったのではないかって?

そんなことはありません。同じく図書館ではない宮崎県延岡市のエンクロスが、開館直前にどうなったか調べていただければ、この問題の根深さがよくわかると思います。


プロセスの透明性は徹底して排除


さて、そうした疑問もさることながら、今回、私が不思議に思ったのは、めずらしく、ツタヤ図書館ウォッチャーの方たちの情報網に、CCCの丸亀市での動きが、まったくといっていいほどひっかかってこなかったことです。

2年半前の和歌山市でも、突然CCCが選定されて驚きはしましたが、その兆候みたいな情報は、いくつも出ていましたので、あとから振り返ってみれば、ああ、そうか、そういうこともあったなぁと思えるのですが、今回の丸亀市の件は、まったくそういうものがなく、CCCの指定管理者選定は、文字通り“寝耳に水”でした。


で、調べていくうちにその理由が少しずつわかりました。


まず第一に、議員や関係者のツタヤ受託施設への視察に関する情報がまったく出てこなかった点です。

もちろん、あとから調べると、もちろん視察はされていました。ところが、視察した人は、誰もツイッターはもちろんブログ等でも、ツタヤ関連施設に視察に出かけたことは発信していません。

ツタヤ施設は絵になるスペースですから、いまどき、みなさん視察にいかれると必ずといっていいほど、なんらかの発信はされるのにです。



丸亀市の議員さん5年前のレポート。マジメな方だとは思うんですけれど、こういうのまにうけていたら、ちょっと怖いですね。




次に、当然議会の関連でも、施設の指定管理となりますと、特別委員会や全員協議会などで、かなり詳細に報告がされたり、あるいは議論がされたりするものですが、丸亀市の場合、それらはすべて非公開なんです。


和歌山市の教育委員会定例会の一部非公表も驚きましたが、議会関連でおおやけになることすら、開示請求をしないとその内容が市民にはわからくなくなっていたんです。

和歌山市で“CCCの営業マン”と呼ばれる議員さんなんかは、いかにツタヤ運営施設が素晴らしいかを、くどいくらい積極的に発信していますから、その点ではすごくわかりやすかったのですが、丸亀では、まったくそういう動きは表立ってありませんでした。

じゃあ、そういうCCCの利益を代理するような動きは、丸亀市ではなかったのかといったら、とんでもない。あきらかに行政を誘導するような動きがあったことが、少しずつわかってきました。それでステルスでオモテに出てこなくなっているんです。

さらに、丸亀市では、今回の指定管理者選定の事実ですら、メデイア向けに資料を配布する、いわゆる記者クラブへの“投げ込み”すら行っていないことが判明。

ふつうでしたら、選定会議の翌日の地元メディアに


市民交流センターの指定管理者にCCCを選定


と報じられるはずなのに、それが、いまのところみあたらないんです。

ステルスといいますか、できるだけ隠密にことを進めるように、CCCサイドからサゼスチョンでもあったのではないかと思えるほど、実に巧妙にことをすすめているという印象です。

まぁ、あれだけ進出した地域で、ことごとく市民の反対運動が巻き起こり、訴訟にまで発展する事件も何件も起きていますから、和歌山市あたりからは、できるだけ決定するまでは、情報が漏れないようにしているんだと思います。


さて、丸亀の件に関しては、しばらくはウォッチし続けるつもりでしたが、いまのところ、地元メディアでの報道もみませんので、とりあえず、一度記事にしたいと思って、いま鋭意、取材を進めているところです。

早速、ひとつ興味深い話が飛び込んできましたが、諸般の事情で、どうやら、そこまでは踏み込めなさそうなので、

もし記事にかけなかったら、この当ブログで禅問答のような奥歯にものが挟まったような内容を書くかもしれませんので、その節は、どうぞよろしくお願いいたします。



“ツタヤ公民館”の衝撃 へつづく

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