2021年2月16日火曜日

二度目の審査請求の陳述が和歌山市で行われました

 

こんにちは、日向です。


昨日、和歌山市で最大震度4の地震が起きたそうで、市議会の議場の照明が落下する映像が全国ニュースで流れていたのをご覧になった方も多いかと思います


ちょうどその頃、市内の市民団体による二度目の審査請求を受けて開催された情報公開制度の審査会が市役所内で開催されました。


市が任命した審査会委員のセンセイ方を前に、代表の方が中心になって口頭で反論の陳述をされたそうです。


市民サイドの出席者は7名。大阪から図書館の専門家も応援に駆けつけ、和歌山市当局に対して、今回の件で情報をすべて開示するよう改めて求めたとのことです。


今回不服審査の申立をされたのは、一部黒塗で開示された南海電鉄が設計事業者に、アール・アイ・エーを選定した際の入札調書についてです。


詳細は、

 をお読みくだくとして、この文末に陳述内容のサマリをご紹介しておきます。



昨日は、口頭でより詳細に陳述されたそうですが、そのときご報告をお聞きして、私も思わず、まったくその通りと膝を打ったのは、以下のようなご意見です。



和歌山市は、南海電鉄及びその取引企業に対して、「公開することで信頼関係が失われる」「法人との信頼関係を失わないことは最も重要な事項」と言うが、


市民との信頼よりも、私企業との信頼を優先するのか?



ツタヤ図書館問題の本質がこの一言に凝縮されているように思いました。


2018年12月17日に開示された南海電鉄がRIAを選定したときの入札調書。日付はなく、RIAをのぞく、応札企業名や入札価格はすべて黒塗りされていた。





もう一点、陳述の前日に市民の方から、私に、こんな素朴な疑問を投げかけられました。


巨額の補助金が投入されたと言われている、和歌山市駅にできた図書館の入った新しいビル(キーノ和歌山)は、いったい誰の所有なんですか?



これには、何年も和歌山市での経緯をみてきている私も、思わず答えに窮してしまいました。


もちろん、ほとんどが南海電鉄の所有であることは、疑いようのない事実です。


その一部に市が所有する区分があり、そこに新しい図書館を南海電鉄に建設してもらった。その運営者にTSUTAYAのカルチュア・コンビニエンス・クラブが選ばれて昨年6月にグランドオープンしたのが、和歌山市の新市民図書館・ツタヤ図書館です。



キーノ和歌山という商業施設を南海電鉄が開発し、新しい図書館は、TSUTAYAを全国展開するCCCがわが物顔で運営しています。


巨額の税金は、市民のためではなく、これら私企業のために使われたといってもいいのではないのかと思います。


そのことについて記録された情報に市民は、自由にアクセスすることができないまま、もう何年も経過してしまいました。



われわれ市外の人間は、おかしいところがあれば、どんどん市当局に改善を求めるべきだ、なんて気楽に言いますが


いったい、それをいつまで続ければいいのですか、それでなにが変わるというのですか?


そう思うと、いつまでこんなことを続けないといけないのかと、やるせない気持ちになるそうです。



高い位置に全集が配架され、ガラスばりで燦燦と降り注ぐと太陽光を浴びる高層書架で、本は痛まないのだろうか?


いつも、そう感じるそうです。



ところで、昨日、陳述したあとに、審査会の会長さんから、こう聞かれたそうです。



ここの企業名と金額が開示されればいいんですよね?



今回の審査請求で求めているのは、確かにそれなんですが、もし万が一、それが開示されたとしても、いったい何がわかるというのだろう。


そう思われたそうです。



なお、これとは別に、3年前に同じ市民団体が審査請求をして、昨年秋に審査会の一部開示命令が出た分については、先日ようやくその命令通りに開示されたそうです。その文書を送っていただきましたので、近く、全文スキャンして、みなさんにもみていただけるようにしたいと思います。


よろしくお願いいたします。


《陳述サマリ》


令和21225日付・反論書に詳細を記しました通り、


和歌山市、平成301217日、南海電鉄から報告を受けた市駅前再開発事業の設計業務落札に関する開示請求について不開示の決定をしたことについて


「開示することによって、法人の正当な利益を損なうおそれがある」と釈明されましたが、


その主張は、公金を預かる者としての自覚を著しく欠いた無責任なものであり、到底承服できるものではありません。


報道によれば、本件プロジェクトには、国から南海電鉄へ32億円、和歌山市へ図書館建設費の半額にあたる15億円の計47億円の公金が投入されていると聞いています。


加えて、南海電鉄に対しては、和歌山市だけで18億円、和歌山県負担分14億円も合わせると32億円もの地元負担の補助金が投入されたとも報道されました。


本件プロジェクトに費やされた公金総額は、和歌山市の自己負担分15億円も合わせると、94億円にものぼるとされています。


このようなきわめて公共性の高い事業であるもかかわらず、和歌山市が新図書館建設を委託した南海電鉄が設計事業者を選定したプロセスを一部黒塗りで開示したのは、説明責任を完全に放棄しているといわざるをえません。


このような主張がまかりとおるのであれば、民間企業に委託した事業が、公平・公正に行われたことを、行政は市民の理解が得られるよう説明しなくてもいいことになってしまいます。


たとえ私企業であっても、税金が使われる公共の事業を担う以上、その事業プロセスについては、例外なく、すべて公開されるべきです。


とりわけ予定価格や参加企業の入札額等、入札経過にかかわる情報は、事業の公正公平の面で、最も根幹をなすものであり、そこの過程における情報、たとえ一部でも開示を拒絶する和歌山市の姿勢は、著しく不適当なものです即刻改めてていただきたいと思います。







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