2020年8月29日土曜日

宇部市の“暗黒行政”

こんにちは、日向です。

昨日は、夕方5時から安倍総理の辞任会見がありまして、しばらく騒然とした雰囲気でしたが、こんなときこそ安倍総理の地元山口県(といっても選挙区は別)の話題をと思いまして、

前々から気になっていたけれども、手付かずだった事案にひとつ着手しました。

ほかでも、ありません。山口県宇部市の件です。

6月24日、朝日新聞デジタルに、以下のようなニュースが報じられていました。


山口)宇部市とCCC連携 旧井筒屋「ブック&カフェ」
https://www.asahi.com/articles/ASN6R76TXN6RTZNB00H.html


ツタヤ図書館ウォッチャーのみなさんは、すでにご存じかと思いますが、

宇部興産・宇部セメントの発祥の地として知られる宇部市では、TSUTAYA本社のCCCが関与する事業計画が持ち上がっています。

具体的に言えば、中心市街地の百貨店が撤退した後の建物のにぎわいづくり計画の提案者に、CCCが選定されたということなんです。

もちろん図書館ではありません。4月の丸亀市につづいて、どうやら公民館というか市民文化センターのような施設の計画提案者らしいのです。

まどろっこしいので、ズバリ先に結論から申し上げますと、


宇部市に、ツタヤ図書館ならぬ、ツタヤ市民センターができるのは、ほぼ間違いない

という感触を得ました。

まだ計画段階であり、CCCは単に、百貨店のあったビルを市の施設としてリニューアルするプロジェクトの企画提案を市に行う事業者に選定されたという段階にすぎず、施設の運営を受託しているわけではありません。

しかし、このプロジェクトについては市議会のなかでは、とりたてて反対する会派はいまのところなく、

9月議会で改修予定の建物についての施設条例が制定されるということですので、

来年春には指定管理者が公募が始まり、夏くらいには、CCCが指定管理者として選定される流れになろうかと思います。


いやいや、まだ肝心の施設が指定管理になることすら決まっていないのに、その運営者がCCCになるなんて、どうしていえるの?って思われるかもしれませんが、

ニュースになったCCCが市と連携協定を締結するまでの経緯を、複数の関係者の方に詳しく聞きますと、

どうやら、巧妙にしくまれた出来レースのにおいがプンプンしてくるのです。

トンデモなくおかしな出来事が宇部市では次々とあかるみに出てきました。



“咬ませ犬”の存在



まず、下の図をみてください。






これは、今年4月に、宇部市の「サウンディング型市場調査」の公募に参加した三社のうち、二社についての提案を比較したものです。

ざっと読んでいただけるとわかると思うのですが、


集客数、フロアの機能、指定管理年数、休館日など、細かい点がいくつか違うだけで、あとの骨格となる文章表現はほぼ同一。論文チェッカーなんかかけると、盗用アラートが出そうなくらいソックリです。

とりわけ最後の三行は、一字一句たがわぬ表現なのはびっくりですね。


宇部市の公募では、ここには出ていないもう一社のA社は、ほぼやる気のない提案内容でしたので、事実上、このB社とC社による一騎打ちとなったわけですが、みる人がみたら

B社って、C社の良さを際立たせるためだけに参加した“咬ませ犬”だと感じるはずです。


宇部市の担当部署に確認しますと、

両社は、まったく関連のない別の企業

とのことで、私の妄想を完全否定しましたけれど、だったら、なんでこんなそっくりの提案なの?という疑問を解消する回答は得られませんでした。


ちなみに、関係者から聞いたB社とC社の最大の違いは、

B社が地下から2階の全館を活用して、子供プラザやイベントスペース、商業施設を配置する計画だったのに対して

C社は、1階と2階のみを活用してブックカフェやこどもプラザを配置する計画で、

かかる費用は、C社のほうが安かったそうです。

おそらくこのC社こそが、選定されたCCCであろうと推察できます。

集客数70万人」と、丸亀市や延岡市の目標と同じなんですから。
サウンディング型市場調査の結果概要
https://www.city.ube.yamaguchi.jp/machizukuri/boshuu/sentei_kekka/proposal/nigiwai/sounding_kekkagaiyou.html

https://www.city.ube.yamaguchi.jp/machizukuri/boshuu/sentei_kekka/proposal/nigiwai/documents/besshi.pdf


「サウンディング型」とは?



注目したいのは、この「サウンディング型市場調査」という手法です。

国土交通省のガイドライン

地方公共団体のサウンディング型市場調査の手引き
https://www.mlit.go.jp/common/001236961.pdf

によりますと、

「サウンディング型市場調査」とは、



事業内容や事業スキーム等に関して、直接の対話により民間事業者の意見や新たな提案の把握等を行うことで、対象事業の検討を進展させるための情報収集を目的とした手法

だそうで、


対象事業の検討の段階で広く対外的に情報提供することにより、当該事業への民間事業者の参入意欲の向上を期待

するものとなっています。

企業に気楽に参加してもらえ、最大の特徴は、企業の提案内容を公表しなくていいこと。


なにかと秘密にしたいCCCのような企業にとっては、願ってもないしくみと言えるのですが、


これ困るのは、議会と市民ですね。


選考の結果、いちばん優れていた案を提案したC社を選定しました


と担当部署が報告しても、その詳しい中身や根拠は、議員さんにすら示さなくていいんです。


これこれ、こんなふうな提案があり、これくらいの費用がかかります

と担当部署が議会に報告しても、それが高いのか安いのか、なにゆえ、B社に比べてC社の提案が優れているのか

は、よくわからないようになっているんです。

それでも、宇部市議会周辺には、なにか特別なパワーが働いているらしく、ほとんど誰も反対する人がいない

という、とんでもなくおかしな状況になっています。

議員さんがよくわからないのですから、まして市民はもっとわからなくされています。

で、私もそのへんは詳しく知りたいと思いまして、情報の開示請求をしようと思って問い合わせしたら


市外在住者は、開示請求できない

と言われてしまいました。

これまで、ほとんどのツタヤ図書館誘致自治体に情報開示を求めてきましたが、和歌山市のように、

市外在住者は、開示の申し出はできるけども不服の申し立てはできないなどの扱いの差はありましたが、まったく請求不可というのは、宇部市が初めてです。

そこまでして、情報の開示を拒み、透明性をトコトン犠牲にしてまで遂行する行政って、いったいなんなんでしょうか?

まさに「暗黒市役所」という言葉しか浮かびません。



商工会議所と市長の密約?




実は、宇部市が百貨店が撤退した跡地のビルを買い取って、市の施設にする計画がもちあがるまでのプロセスもとんでもなく不透明なものでした。

以下に、さきほど関係者からお聞きした経緯を簡単に箇条書きしておきます。



・市の中心地にあった井筒屋が撤退を表明したのは2018年7月のこと。関連施設も合わせて翌年2019年2月末に完全閉店

・2018年10月この土地・建物を地元の商工会議所の会頭が、自分たちで買い取ることを表明。購入資金は、会議所のメンバーからの寄付とされたが、数社のみで1億円を超える額が集まったとされる

・当初、商工会議所が市と連携して、建物を解体ののち、新たに複合施設を建設する計画だった

・ところが、2019年3月、商工会議所の総会で、買い取り案が否決

・市議会議員選挙があった2019年3月21日の直後、急遽、久保田市長が、市で買い取る方針を表明(ただし、買い取る予定だった商工会議所会員企業からの寄付は市が受け取る)

・建物を改修して、国の補助金等も活用し、総事業費22億円の複合施設の計画がスタートした



なにゆえ商工会議所が購入を表明して、それをとりやめたのかなど、不可解なことだらけなんですが、

結果的には、井筒屋の跡地の建物をリニューアルして、児童館というか、こどもプラザなどの入った複合施設にする方針が決まり、


その事業プランを立案する事業者を今年3月から4月にかけて「サウンディング」という珍妙な方式で公募したという経緯でした。


というわけで、やはりこの事業がどうなっているのか、そのプロセスがわかる公文書の開示を求めたいところなんですが、

CCCにとって好都合なことに、宇部市の情報公開条例では、市外の人間には開示しなくていいとなっていますので、

これは、本当になかなかやっかいです。

ジャーナリストと名乗って、しつこく食い下がってみたところで

いったい、なんのために、知りたいのですか?

と、市の担当課長から聞かれる始末です。もうほんと開いた口がふさがらないというのは、このことです。

市議会議員さんですら、CCCの提案内容の詳細を知ることができないっていうんですから、


市民を無視して、市長と業者だけが、なんか好き勝手なことをしているんじゃあないの?

みられても仕方ないですよね。これでは。

しつこいようですが、何度でもいいます。

これでは「暗黒市役所」ですよ。宇部市さん。



違法行為を知らなかった宇部市 へつづく




【関連記事】










↓最近の記事

2020年7月》
タウンワークの豹変社名隠した求人広告答申されなかった専門家会議CCCと専門家会議をつなぐ点と線CCC広報部へのメール和歌山市は“CCCの下請け”?パワハラ告発がぶちまけた丸亀市の裏事情〇〇さんは、お飾りですか?開示は、1枚です丸亀市情報開示・CCC受託実績和歌山市騙し討ち事件“ツタヤ公民館”の衝撃奇天烈な和歌山分類新・和歌山市民図書館についての専門家コメント図書館流通センターの暗躍(2)図書館流通センターの暗躍(1)企業秘密と説明責任


20206月》
和歌山市民図書館は、ICタグ装備せず「ICタグと自動貸出機」はセット自動貸出機についての補足説明和歌山市民図書館の自動貸出機について3800万円の“安全対策”出来レースの代償・後編出来レースの代償・前編専門家がほとんどいない審議会 『第9版 失業保険150%トコトン活用術』についてのお詫びと訂正 TSUTAYA占領地のレジスタンス 疑惑まみれのグランドオープン 白塗り”に隠されていた告発意図

20205月》

20204月》

20203月》

20202月》






2019/12/23
2019/12/12
2019/12/12
2019/12/07
2019/12/06
2019/10/10
2019/10/07
2019/10/01
2019/09/28
2019/09/27
2019/09/28
2019/08/07


2019/07/28
2019/07/21
2019/07/20
2019/07/14
2019/07/14
2019/07/13
2019/07/12
2019/07/9
2019/07/6
2019/07/5
2019/07/5
2019/07/1
2019/06/29
2019/06/29
2019/06/27
2019/06/26
2019/06/25
2019/06/24
2019/06/21

2019/06/21
2019/06/19
2019/06/19


2019/06/08
2019/06/07
2019/06/06
2019/06/05
2019/06/01
2019/05/31
2019/05/30
2019/05/30
2019/05/28
2019/05/26
2019/05/23
2019/05/03
2019/04/29
2019/04/27
2019/04/25
2019/04/23
    2019/04/22
2019/04/19
2019/04/19
2019/04/09
2019/04/06
2019/04/06
2019/04/05
2019/04/05
2019/03/25
2019/03/17
2019/03/08
2019/02/26
2019/02/25
2019/02/24
2019/02/22
2019/02/20
2019/02/18
2019/02/17
2019/02/15
2019/02/14
2019/02/09
2019/02/08
2019/02/02
2019/02/01
2019/01/28
2019/01/27
2019/01/24
2019/01/15
2019/01/14
2019/01/13
2019/01/13
2019/01/10
2019/01/07
2019/01/06
2019/01/03
2019/01/03
2019/01/03
2019/01/03
2019/01/03
2019/01/03
2018/12/31
2018/12/31
2018/12/29
2018/12/29
2018/12/22
2018/12/22
2018/12/20
2018/12/20
2018/12/20
2018/12/19
2018/12/19
2018/12/15
2018/12/12
2018/12/10
2018/12/09
2018/12/08
2018/12/08
2018/12/02
2018/12/01
2018/11/30

2018/11/29
2018/11/27
2018/10/07

2018/09/23

2018/09/23
2018/09/20
2018/09/19
2018/09/17

2018/09/15

2018/09



0 件のコメント:

コメントを投稿