2020年10月29日木曜日

港区ワンルームより安い和歌山市民図書館

 

こんにちは、日向です。


昨日、速報でお知らせしましたように、和歌山市民図書館の目的外使用料【※1】の件、


193万1540円という数字が出てきました。





あとから担当部署に確認しましたところ、許可期間の2020年6月~2021年3月の10か月の金額であることが判明しましたので


月額家賃にしますと、約19万円です。



年間にしますと、228万円。同じくCCCが2018年から運営している宮崎県延岡市の民業部分の賃料が年間240万円と言われてましたので、それと同じ水準ということになります。(延岡市は人口12万人に対して、和歌山市は人口36万人の県庁所在地)



さきほどは、都心のワンルームくらいといいましたが、港区麻布十番のワンルームが家賃22万円で出てましたので


和歌山市民図書館内のツタバ(蔦屋書店+スターバックス)は、それよりも安いわけです。


Yahoo!不動産より



【※1】「目的外使用料」(和歌山市では「行政財産使用料」と呼んでいる)とは、図書館内にある民業部分の店舗の家賃のこと。ツタヤ図書館の場合は、蔦屋書店とカフェのスターバックスを指定管理者であるCCCが出店していて、同社は、和歌山市から運営を代行して年間3億円の指定管理料をもらう一方で、それら店舗の家賃は、逆に和歌山市に払う。


で、いくつか担当部署に確認してわかったのは、以下のことです。



・この金額は、コロナ禍の影響を考慮して改定されたわけではなく、当初から決まっていた額


・和歌山市の条例にしたがって算出された額で、特にCCCとの交渉によって決まった額ではない



書類の決定日がグランドオープンした6/5になってましたので、私はてっきり、コロナ禍で来館者が少なくなることから、


その分、家賃も減免したのではないかと思ってましたが、まったくそういうことはないそうです。


また、交渉で決まったわけではなく条例通りとのことですので、


和歌山市では、たとえば市役所の中に出店している食堂とか喫茶店とか、売店なんかもかなり安い賃料に設定されていたんだろうと推察されます。


昔は、市長や市議会の有力者の親戚とか、選対本部長とかが、そういう役所関連の確実にもうかる商売の利権にありついていたなんて話がよくありましたので、


もし条例が、そうなっているのだとしたら、その名残りなのかなぁという感想を持ちました。



しかし、ですね。少し前に丸亀市の人から聞いていた、民業部分の使用料単価が、結構普通な額だったのを思い出しまして、


まさか、和歌山市だけがそんなに安いわけないなぁと思いなおしまして、改めて開示資料をみてみましたところ、カラクリがわかりました。


下の図をみてください。










CCCが和歌山市に、賃料を払っているのは、グレーの部分だけです。


書店103.11㎡ カフェ117.10㎡ 自動販売機0.70㎡


この合計が220.91㎡なわけです。



ええっ、そんなバカな。


そう思われるかもしれませんが、書架とか、専用テープルとか、カウンターとか、ピンポイントで賃料が発生しているわけですので、


それ以外の周りのスペースは、すべてタダなんですよ。タダ!



そのうえに、高層書架や奥の書架、ほかのフロアなどは、この“ツタバ店舗”に集客してくれる装置、あるいは「借景」として、完全無料、お店の売上向上に貢献してくれるという寸法です。



たとえていえば、お祭りでテキヤさんがやっている露店みたいなものですかね。


以前、岡山県高梁市の議会の一般質問で、市教委の担当者が「棚ごとに賃料をもらっている」という主旨の回答していたのを思い出しました。



 和歌山市民図書館は4階建てで延べ床面積は約7300平方メートルとされていますので、単純で4で割ると1800㎡


そのワンフロアをほぼ独占的に使える家賃が、たったの19万円というんですから、凄すぎます。


私も和歌山市の担当部署の方に


そんなに安いなら、私もいますぐ借りたい。テナントに又貸ししたら、メチャ儲かるよ!


と思わず言ってしまったくらいです。






では、これどのくらいCCCに対する利益供与になるでしょうか?


ひとつの参考価格としては、キーノ和歌山の着工直後の2018年春くらいから募集がかかっていた


医療モールの賃料で、これが坪1万円でした。






商業ゾーンにさきがけて、格安賃料で募集して施設全体の利便性向上といいますか、付加価値をつけるために出血大サービス


での賃料がその程度でしたので、その水準を適用しますと、


露店方式200㎡イコール60坪ですから、家賃は月60万円、年間720万円になります。



ところが、通路も含めた1フロア貸し切りですと、1800㎡なら545坪ですから、月545万円、年間6540万円。


純粋な通路になる部分を少し差し引いたとしても、月300万円、年間3600万円は下らないのではないでしょうか。



というわけで、和歌山市は、CCCという民間企業に少なくとも年間500万円~3400万円の利益供与をしている計算ですね。


なんか、そう聞くとバカらしくないですかね。和歌山市民の方は。



オシャレで快適な図書館できて万々歳と思っていたら、年間3億円の指定管理料とられたうえに、そんなに多額の利益供与をしている


と知ったら、私だったら怒りますけどね。




ちなみに、よくツタヤ図書館で話題になる


お金を払ってコーヒーなどを注文した人でないと、座れないスターバックスの専用部分はどこか聞いてみましたところ、ココです


と言われたところを赤線で囲んでおきました。【※2】←間違ってました。正しくは文末の図面参照






よほど混んでない限り、スタバで注文せずに座ってても注意されることはないと担当部署では言ってますけれど、


そもそも、なんで、そんな激安で貸してあげてるところにエラソーにされないといけないんですかね。


まったく、こんな一企業への利益供与をヘーゼンとつづけてられるのは、いったいどうしてなのでしょうか。


これこそ「利権」と言わないで、なにを「利権」と呼ぶのでしょうか?


【※2】さきほど、ツィッターで「焼きプリン@baked_pudding」さんから、 スタバ商品を買わないと座れない席は、以下の青線内ではないかとのご指摘をいただきました。改めてみてみますと、ご指摘のとおりのようでしたので、ここに訂正して、お詫び申し上げます。




【関連記事】



和歌山市 もうひとつの審査請求



【参考記事】

ツタヤ図書館の異常なビジネスモデル 激安賃料&書店併設のオイシすぎる商売


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