2019年12月23日月曜日

臨時窓口に1億円

こんにちは、日向です。


12月19日、南海市駅に建設された新しい和歌山市民図書館がいよいよ一部開館となりました。

一気に図書館界の話題をさらうのかなと思っておりましたところ、いまのところ、地味なニュースが少しあっただけで、たいして話題にもなっていませんね。

それもそのはず。「一部開館」といっても、施設の中には入れず。鳴り物入りで登場した再開発エリア・キーノ和歌山「公益施設棟」。その2階エントランスの風除室(風よけのためのスペース)に、キャスター付きのブックトラックみたいなのが何台配置されているだけ。

「書籍1000冊の閲覧」というにはあまりにもしょぼい開館でしたので、和歌山市民とすれば、無理やり窓口設置しただけでがっかりというところでしょう。


まぁ、そのへんは、よくよく考えてみれば、ある程度予想はできたことなんですが、それにしても、

私が驚いたのは、指定管理がこの一部開館日にスタートしたことなんです。

指定管理スタートイコール、その日から指定管理料が発生することになります。

まだ開館準備も終わっていないのに、指定管理料をCCCに取られるのって、いくらなんでもおかしいんじゃあないのって、思いますね。


で、以前、市民の方が開示請求された開館準備の契約書と仕様書を再度、よく読みまして、いったいどうなっているのかなということをつらつらと考えてみたんですよ。


下の図をみてください。開館準備と指定管理の関係を図にしてみたのがこれです。








まず、2016年3月に同じくCCCの指定管理としてスタートしました宮城県多賀城市のケースを図にしてみました。

2015年4月からの1年間の契約で開館準備が行われ、翌年3月21日に新装開館しています。

多賀城市も細かいこと言い出すと、おかしなことたくさんあるのですが、とりあえずスケジュール的には、スンナリいってますね。

で、その下が和歌山市のケースです。

2019年4月から1年間の契約で開館準備が行われていますが、その契約満了になる2020年3月末には、まだ開業できていません。






4月下旬にグランドオープン予定ですので、一か月くらい空白期間ができます。そのへんは契約延長か別の契約をもってくるのかもしれませんけれど、困ったもんですね。

何より不思議なのは、指定管理が正式な開館の約5カ月前からスタートしていることです。




指定管理料は、昨年4月に締結した基本協定書によれば年間3億円。月2500万円です。それを一部開館日から和歌山市はCCCに払っているんですから、こんなバカげた話はなかなかないですよ。


2018年3月30日に締結された基本協定書。この時点でCCCに払う指定管理料は、5年で15億197万2000円と定められている。1年当たり約3億円になる計算。



いったいなんでそんなことになっているのか、まったくわけがわかりませんね。


あのしょぼいブックトラックをおいただけの窓口に月2500万円。1日当たり80万円も和歌山市がCCCに払っていると知ったら、和歌山市民は決して心穏やかではいられないはず。

そもそも開館準備の契約書には、開館準備を3月末までに終わらせることは書かれていても、いつまでに開館するのかは、一切書かれていません。





だったら、来年4月下旬の正式開館までは、指定管理ではなく、1億円払っている開館準備業務のままいけばいいものを、和歌山市はわざわざ、それと並行して指定管理をいちはやくスタートしてCCCに指定管理料を払い始めているんです。


今年4月に締結された開業準委託の契約書によれば、開業準備費として1億996万8000円がCCCに支払われることになっている。



当初、2019年10月開館予定だったのが

いつのまにか、「今冬開館予定」に変わり

さらには「2020年4月下旬開館」へと変遷していきました。


約5カ月正式開館が遅れたことによって、少なくとも1億円以上、和歌山市民は損失を被ったことになります。

あのしょぼいブックトラックで1000冊一部開館が月2500万円の価値ありと思うのなら、もちろん、話は別ですが、ほとんどの人はそうは思わないでしょうから、和歌山市民にとっての実害はとんでもなく大きいはずです。




で、ふつう市政でこういうことが起きますと、市議会のなかから、


開館遅れて1億円も余計に指定管理料を払うなんてどうなってるのか!

と、誰かが市長に詰め寄るはずなんですが、和歌山市議会では、そんな議論は一切起きてません。(それどころか、聞くところによれば委員会では、CCCに払う指定管理料が安すぎるのではないかと言っている議員もいるほどCCCベッタリ)

以前、当ブログでとりあげたように、共産党の重鎮が開館日について質問しようとしただけで、動議が発動されて、録画から音声が消されてしまうくらいの恐怖政治ですから【1】ことCCCに関しては、緘口令が敷かれていると言ってもいいくらいな状態になっているのです。



おかげで、CCCは、和歌山市では、とってもおいしい思いができますね。開館準備業務はもう完了したのかどうかわかりませんが、それも来年4月の正式開館までにやればいいわけですから、開館しなくても指定管理料は、タップリもらえるわで、なかなかステキなクリスマスプレゼントと感じていることでしょう。

いつもながら、ツタヤ図書館誘致自治体では、こんなことばかりやってて、どうして、市民の理解が得られるのか不思議で仕方ありません。

果たして、みなさんは、どう思われるでしょうか。

【1】無音の議会中継

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