2022年7月14日木曜日

市民を煙に巻く卑劣な開示決定

～和歌山市の意思決定はブラックボックス～


こんにちは、日向です。


  • 激安！目的外使用料のカラクリ　で取り上げました和歌山市民図書館のスタバと蔦屋書店の賃料が、CCCにだけ特別待遇でに安く設定されていた件の続報です。

市民団体の方が請求していた、本事案に関する資料が先日、開示されました。


下をみてください。





画像が少し不鮮明なので、“請求する公文書の件名又は内容”の部分をテキストにしてみました。



和歌山市民図書館の行政財産目的外使用について、


2017年10月公開の指定管理者募集要項では、


「1年あたり31,851/㎡」と14ページに明記されていたが、


2020年6月5日付行政財産使用許可書（和歌山市教員委員会指令


読第7号）では、1年あたり１万円程度（使用許可面積220.91㎡に


対して10か月分が1,931,540円）と三分の一に値下げされている。


この値下げ決定の経緯がわかる会議録、決裁文書、


CCCとやりとりした電子メール、電話メモ等一切の文書




要約しますと、募集要項で明示していた賃料を、指定管理者が選定された後に、三分の一まで値下げたした、いきさつがわかる文書を出してください、という請求です。



市民団体の方が、この件で開示請求されたとお聞きしたときには、なにしかしら出てくるかもと、淡い期待を抱いておりましたけれど、結果は、ゼロ回答。すでに開示している、行政財産の目的外使用許可に関する決裁文書と、その計算方法の根拠になる文書が開示されただけでした。


和歌山家賃下げた理由開示.pdf


開示された資料をいくらめくっても、この使用料について募集要項のときの金額から変更するという意思決定をしたことがわかるものがなにもないんです。


だとしたら、「不存在」あるいは「全部不開示」になっていなければおかしいのに、教育委員会名義の回答は、


「公文書開示決定通知書」として、決定区分も、公文書中の個人名と印鑑の印影部分のみ「開示しない」となっています。つまり、一部の例外をのぞいてほぼ全面開示です。







これは、お互いに、日本語がまったく通じていないかのような、おかしなやりとりです。


当初予定していた「Ａ」という条件が、どのような経緯で「Ｂ」という条件に変更されたのかわかる文書を出してください


市民の方は、そう、お願いしているのに、


和歌山市は、「Ｂ」という条件についての文書は、個人情報と印影を除いて、すべて開示します


と回答しているんですね。完全に論点がずれてます。


これ、わざと、しらばっくれているのか、それとも、和歌山市では、市民が求めている文書をあまり特定せずに、なんとなく求めているものに関連した文書を出しとけばいい、というふうなアバウトな情報開示をいつもしているのか。どちらにしろ、呆れかえるような対応です。




和歌山市読書活動推進課の方がみてくれているかもしれないので、改めて、今回の不正疑惑について説明しておきます。


和歌山市は、2017年10月に図書館を運営する指定管理者を募集した際に、館内の店舗の賃料として、オープン時の面積で換算すると、月60万円程度になる平米単価を明記していたんですね。

この賃料は、近隣相場からすると安いけれど、絶対にありえないとまで断言できるほど爆安ではありませんでした。


この募集要項をみて、「この金額だったらあまり利益は出ないので応募しない」と意思決定した事業者もいたかもしれません。


ところが、最終的にCCCが選定されて、さぁ、これからCCCによる新図書館の運営が始まるという段になって、正式に決定された賃料は、月19万円と、いつのまにか三分の一に値下げされていたんです。


本来であれば、募集段階から月19万円と爆安にしていて、CCCだろうがTRCだろうが、はたまは別の会社だろうが、選定されれば、この金額が必ず適用されますよというのが公平なルールです。


なのに、CCCが選定された後に、いつのまにか三分の一に値下げてされたわけですから、あれっ、それっておかしくない？　市長がCCCに便宜はかってあげたの？という話に当然なるわけですよ。（最終決裁者は教育長ですが）


募集時には、たとえ「仮」の賃料だったとしても、それを大きく下げた額に決定するためには、それなりの事情があって、その事情を検討した結果、こう変更したというプロセスがなければ、おかしいんです。


その文書が「不存在」あるいは、あるけど「全部非開示」と回答するのならまだわからなくはないんですが、そうしないで、ただ三分の一に値下げした賃料に関連した文書だけ出してくるんですから、またいつもの市民を煙に巻いた卑劣なやり方なのかなぁ、という感想をもってしまいます。


そうなってきますと、市民団体の方たちからすれば、あとは、会計監査請求でもして、不正行為がないかどうか詳しく監査してもらうしかないという結論になりかねません。


CCCからの働きかけを受けた、新図書館準備班の責任者が、市長の意向を忖度して、勝手に変更しただけだとしても、


最終決裁者である、開示文書に名前のある富松淳教育長か、あるいはその前任者の原一起・前教育長は、この件について「まったく知らなかった」では済まないはずです。


和歌山市の行政が、果たして公平公正なルールのもとに執行されているのかが問われているわけですから、ぜひ、これからでもキチンと説明をしていただきたいと願うばかりです。


よろしくお願いいたします。



【2022/7/20　16時03分追記】

先ほど、和歌山市民図書館を管轄する読書活動推進課の担当者に、この件について聞いてみました。


――市民団体の方は、募集要項で示していた目的外使用料を三分の一に値下げされた経緯がわかるものを求めているのに、それがわかる文書がどこにも見当たらないのですが？

 

読書活動　部内の人にも聞いたのですが、会議とかはなにもしていなくて、あれだけしかないんです。

 

――だとしたら、不存在と回答すべきではないですか？　それをさもあったかのように開示しているのはおかしいのではないですか？


読書活動　ちょっと、聞いてみて、改めてご回答でもよろしいでしょうか？


――もちろん。今回の開示にあたっては、当時の事情をご存じの方にお聞きになったんですか？


読書活動　はい。聞きました。


――いまは異動されてる班長の宮地さんや戸田さんにも？


読書活動　そのおふたりには聞いてません。


――そうですか…。だとしたら、井上課長に？


読書活動　はい。あとは文書の決裁欄にお名前のある方です。


――そうですか…。


というわけで、誰が誰と話し合ってカフェと書店の賃料を、当初予定していた額の三分の一に値下げされたのかは、不明なまま。読書推進課の井上課長は、募集要項が発表された2017年10月にはまだ、市民図書館に赴任してきていません。すべてをご存じなのは、当時の新図書館準備班の宮地班長と戸田主査しかおらず、その方たちが口を開かない限り、この件の真相が判明することはないのではという感想を持ちました。



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2020年8月29日土曜日

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《2020年6月》

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