2021年4月19日月曜日

CCCを“敵認定”しなかった丸亀市・梶市長敗れる

 

こんにちは、日向です。


本日は、「ツタヤ図書館もどき」、または「ツタヤ公民館」とも呼ばれている、市民センターとブックカフェの複合施設マルタスが先月オープンしました香川県丸亀市の話題です。



リアルタイムではうっかり見逃していたのですが、丸亀市では、昨日、市長選挙と市議会議会選挙が行われ、即日開票されていました。



まず、市長選のほうでは、接戦でも勝つのではないのかと言われていた現職の梶正治氏が敗退。自民・公明が推薦する新顔の松永恭二氏が見事当選を果たしました。


となると、昨年11月の宇部市のように、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)を指定管理者に選定した市長が負けたととらえがちですが、丸亀市のケースは少し事情が異なります。



CCCを呼んできたといいますか、指定管理者に選ばれるようにお膳立てしたのは、当ブログでも何度かとりあげておりますように、前議長で公明党の内田俊英氏と、今回は立候補せずに引退した国方功夫氏でした。


革新系の梶市長は、立場的には、その2人と激しく対立するはずなんですが、どういうわけかCCCプロデュースの市民センターができると決まったときから、自分も大賛成だったみたいにはしゃいでました。


議会を牛耳っているこの2人が推進しているので反対しても仕方ない、どうせなら自分の手柄にしたいとでも思ったのかもしれませんが、どちらにしろ、CCCに利益供与を受けて抱き込まれたりはしていない人物です。


なのに、地元の方がCCCが全国で問題起こしていることを指摘して、計画を見直すよう要望しても「私はCCCの推進派です」と公言するくらいですから、政治的センスがない人だなぁという感想をいつも持っていました。


丸亀市の“ツタヤ公民館”、有力議員の意向でCCC誘致か…パワハラ騒動も勃発した議会



ちなみに、国方氏は、CCCが指定管理者に選定される直前の、昨年2月に、「お前なんか飛ばしてやる!」とパワハラをしたと副市長に告発されたのが全国紙で大きく報道され、その後、百条委員会に掛けられました。引退表明後に、後継指名はしていないようです。


周南市のツタヤ図書館を視察に出かけたメンバーとして、名前の上がっていたのは、内田・国方コンビのほかに、多田みつひろ議員、三宅真弓議員の4人でしたが、ご両人とも今回、見事に、当選されています。2人とも自民党です。特に、三宅真弓議員は前回よりも票を伸ばしていて、地元市民によれば、「実質的な国方後継は三宅さんでは?」と囁かれてているほどです。





一方、内田前議長はといえば、さすが公明党の重鎮だけあって、2,918 票でトップ当選を果たしています。


CCCからしてみれば、自分たちの味方をしてくれそうな議員さんは、全員セーフということで、いま頃、中林さんとか、佐藤さんが、カンパーイって、リモート祝杯を挙げているかもしれません。


ただし、内田氏の公明党は、前回選挙では、ワンツーフィニッシュと一位二位独占して、2人で6000票近く取っていたのが、今回は、もうひとりの公明党議員が少し減らしていますので、前回ほどの勢いはないとのことでした。




さて、すでにみなさん、お聞きになっているように、丸亀市のいまいちばんの話題は、やはり新市長の松永さんです。もうツタヤ図書館もどきのことなんかぶっとぶくらいに、全国的な関心になっているのは、公約に、こんなことを掲げたからです。



市民全員に10万円給付


これ、昨年のコロナ禍以来、首長選挙で、たびたびみられる「給付金公約」で、「カネで有権者の票を買ってるのではないのか」と批判を浴びている手法です。最近のケースは、以下の通りです。



愛知県岡崎市長選挙(10月18日投開票)では、新型コロナウイルス対策として全市民に一律5万円を給付」と公約に掲げて元衆院議員の中根康浩氏当選


愛知県豊橋市長選挙(11月8日投開票)では、無所属新人の鈴木美穂氏が、「全市民に5万円を給付する」公約を掲げて立候補(その後、この公約取り下げ)


兵庫県丹波市長選挙(11月15日投開票)では、元丹波市議会議長の林時彦氏「全市民に5万円給付」を公約にして当選


神奈川県小田原市長選挙(5月17日投開票)では、守屋輝彦氏が選挙公報に「ひとり10万円」と記載して当選するも、「国が実施した特別定額給付金を迅速に支給する意図だった」と釈明



丸亀市の新市長となった松永氏の場合、当選後の会見でも、


「まずは新型コロナウイルスに強いまちをつくる。市民1人当たり10万円を給付し、丸亀の中でもう一度お金が回る仕組みをつくり、明るく元気な丸亀にしたい」と堂々と述べたと報道されている確信犯。



松永恭二氏、無所属・新、当選。2万4790票。

梶正治氏、無所属・現、2万3873票。


とその差は、わずか917票ですから、地元市民によれば「10万円支給を、トレンドのセオリー通り遅く発表」と、接戦になった際の最後の切り札として「10万円」のカードを切ったそうですから、これはますます確信犯です。



snsで流れてくるコメントなんかみていますと、「10万円くれるなら松永さんに入れる」という市民は、少なくとも917人以上はいたでしょうから、見方によっては、市長のイスをカネで買ったのではないのかと、一生後ろ指さされかねないような行為であるのは確かです。



関係者に聞いてみると


ひとり10万円給付するには、総額110億円必要なので、丸亀市の財政規模では、そんなのは絶対に無理


とのこと。果たして、この後、どうするんでしょうか?



愛知県岡崎市の5万円給付公約に掲げた中根市長のケースでは、昨年12月に、「全市民に現金5万円を給付する」と公約したことは買収に当たるとした市民が、公選法違反(買収申し込み)容疑で県警に刑事告発して、受理されていますので、その後の展開次第では、丸亀市でも、ややこしいことになるかもしれません。



まあ、ツタヤ図書館もどきをオープンまでこぎつけてしまっている、CCCにとっては、いまさらどうでもいい話で、2018年の延岡市の市長交代のときのような、自社への影響はほとんどないと安心していることでしょう。


とにかく、CCCが進出する自治体は、どこもややこしくて、一筋縄ではいきませんね。


では、また。


【2021/04/20追記】 読者の方から「CCCを丸亀市に連れてきたのは、どうして“UKコンビ”だとわかるのか? 梶氏はCCCに買収されていないと言い切れるか?」という主旨のご質問をいただきました。以下のように回答しました。


2人の尽力で(CCCに)決まったものですから、そう書きました。

確かに、その後市長にも、便宜供与はあったかもしれませんね。大人しく言うこと聞いてくれるように。


でも、それはツタヤ図書館問題全体からすれば、些細なことです。誰に話を通して実現したかというのがいちばん大事なので、そこのところで市長が決定的な役割を果たした形跡は、とりあえず、みつかりませんでしたので、そのような解釈となりました。


2人がお膳立てをしたという根拠は、まず第一に内田さんご本人に話を聞くと、CCCを推奨していて、議会に中林さんを呼んできたのは間違いないこと、国方さんについては、これまでの前歴からそういう影響力を持っていたことに加えて、全員協議会で、「スタバ、ツタヤ、CCC」と個別名を挙げて、あからさまに推奨していたことなどです。




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