2023年1月23日月曜日

デザイン原理主義者の暴走

 

こんにちは、日向です。



先日ビジネスジャーナルでリリースされました木更津市の官製談合疑惑

これも“ツタヤ図書館方式”?千葉・木更津でも官製談合疑惑…公募以前から癒着か)について


記事を読んでいただいた関係者の方から、こんなご指摘をいただきました。



――市民交流スペースの写真は、武雄ツタヤ図書館の高さ≒4㍍のBOX型書架部分だと思います。


書籍を無理やり詰め込むためにフロアに約4メートルの書架が必要になり連続的に並べています。そのままでは転倒リスクがあるためBOX型に組む安定化するしかなかったと思いますが、開口部は少なく火災が発生すれば避難方向が見えなくなる危険な空間になっています。




問題視されているのは、木更津市の疑惑の報告書(※1)に掲載されていた以下の写真です。





本に埋まった壁面の真ん中をくり抜いた“凱旋門”のような書架は、どうやら2013年に初のツタヤ図書館として新装開館した武雄市図書館・歴史資料館のもののようです。



高層の壁面いっぱいに洋書風ダミーを詰められた書架もそうですが、


BOX型で高い位置に本がギッシリ詰め込まれているのをみて、ほかの図書館にはない独特の知的な雰囲気に魅了される旅行者の方も多いのが現実です。

(内実は、店舗スペースをつくるために、無理やり書架を高くしただけのようですが…)


ところが、そうした書架は、利用者の安全性という、本来公共施設の設計では、最優先されねばならないことを犠牲してつくられた、とんでもないものであることがわかります。関係者のコメントは、このコンプライアンス軽視は、武雄市だけの問題ではないと、こうつづきます。



ツタヤ計画は利用者安全無視された計画が全国共通です。書架は建築物ではなく備品扱いで建築検査や消防署検査を逃れているかもしれませんが、運営現場としては利用者安全を考え全体の性能検査を「建築主事と消防」に求めておくべきでしょう。一度煙を発生させ避難訓練を行えば如何に危険な空間であるか理解できるかもしれません。



避難訓練でも、あの狭い空間を潜り抜けるとなれば、逃げ惑う人が続出しそうで、怖いですね。








しかし、そんなことで、監督官庁の検査は通るのでしょうか?


武雄はオープン当初から県の建築主事にアピールし「性能検査を受けるよう」指導され、市に要求していますが未だにそのままの状態が続いています。消防検査は市が入った広域圏事業で運営されていますので、アピールしても動けるかどうか?分かりません。地震や火災発生時のリスクは全国ツタヤ図書館に共通しています。


全国的に地震発生のリスクが高まっています。公共施設内部のリスクは見過ごされているのではないでしょうか。さらにCCCの書架は一般の図書館書架とは違い可燃性合板で張りぼて的構造になっている可能性が高いと見ています。無垢木材であれば簡単に火が付くことはありませんが、相当怖い状況を想像していますが、そのようなことをアピールしても届かないでしょう。



図書館のなかで、地震と同時に火災が起きたらどうなるでしょうか。一般的な図書館では、採用しない素材を使っているとしたら、それは本当におそろしいことです。


CCCによるツタヤ図書館は、知的な雰囲気を醸し出すために、中身カラのダミー本を高層書架に配架することが多くの批判を集めましたが、安全性を犠牲にしてまでも、現出されたのは、公共空間というよりも、あきらかに一企業ががめつく金儲けするための商業空間です。


その先例を、どや顔でアピールしているCCCも凄いですが、そのCCCのアピールをロクに検証もせずに同社を選定して、ありがたがっている木更津市は、さらに、世間に大恥さらしていると言ったら、果たしていいすぎでしょうか。


CCCによるツタヤ図書館だけが、どうしてオシャレな内装デザインができるのかという問いの答えも、実は、ほかの設計者は公共の建物としての「安全性の確保」という条件に縛られたなかでの設計なのに対して、最初からそうした縛りを意図的に無視してデザイン重視を貫いているからだと思います。


危険性を指摘されながらも、みてくれだけで、こどもを集める「えほんの山」を採用した丸亀市マルタスで、こどもの転落事故が起きたりしているのも、これと同じツタヤ図書館ならではの現象といえます。(丸亀市ブックマウンテンで骨折事故が起きていた


(※1)市民交流プラザの基本設計・基本計画の事業者公募の2年前から、CCCがまちづくり木更津から委託されて作成した中活コーデネィター業務報告書



さて、もうひとつ、木更津市とは直接の関連性はありませんが、滋賀県彦根市の市民団体の方が、武雄市を視察した際の報告をフェイスブックでされていた内容が、先日話題になっていました。


他県からの視察といいますと、だいたいが館内がオシャレなデザインで、カフェと書店併設によって来館者が年間百万人もあるとアピールされて、「なんかよくわかんないけど、凄かった」と、遠足に行った小学生みたいな感想になりがちなんですが、彦根市の市民団体の方は、それとは一味も二味も違いました。事前にツタヤ図書館の問題点を把握されていたからなのか、核心部分をズバズバ言い当ててて、小気味良いともっぱらの評判です。以下、一部ですが、引用させていただききます。



到着したのが、夕方18時頃でした。あたりは暗くなっていましたが、外観は迫力で圧巻でした。館内は写真撮影禁止。図書館のホームページや検索すると写真がでてきますが、中へ入ると、天井に届く書架(本棚)でそこにぎっしり本が。「知の殿堂」という感じで「おー!これはすごいな。」と思わず言葉が漏れました。入ったところにスターバックス。席に本を持って行って、飲食しながら本を読めます。


一見良さそうに見えたけれど、丁寧に見ていくと、怒りがフツフツと沸いてきました。入口の一番良いところは販売物。彦根ではSUNミュージックさんが並べておられるような販売品のイメージです。販売の本と図書館の本の境が曖昧でわかりにくい。書架にはぎっしり本が詰まっていましたが、表紙見せの本はなく、手に取りたくなるような仕掛けはまったくありません。人への寄り添いも本への愛情もまったく感じられませんでした。


そして何より図書館の本が古いことにびっくり。また雑誌のあまりの少なさにびっくりしました。NHKテキスト(きょうの料理、すてきにハンドメイド、趣味の園芸)、オレンジページ、ダヴィンチ、中央公論、会社四季報、現代農業、武道、歴史研究、図書館雑誌、みんなの図書館、九州じやらん、邪馬台国、西日本文化、他に同人誌の詩集歌集が7冊。図書館に雑誌を置けば、雑誌が売れないからですよね。売り場の本は自由に見られるから、そこで読めということでしょうか。それならバックナンバーは読めないですよね。普通図書館では、雑誌は人気なので、入り口に近いところに並んでいますが、武雄は探さないとわからないような隠れた場所にありました。


1月21日 Tominaga Misaho - 図書館視察報告(1/13金-14土)②... | Facebook より



公共施設を視察に行く際には、事前に問題点等を頭に入れておき、当日は、それらを細かくチェツクするのが収穫を得る秘訣なのかもしれません。


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