2021年4月17日土曜日

和歌山市・行政財産使用の辻褄合わせ


こんにちは、日向です。


昨年6月に「関西初のツタヤ図書館」としてグランドオープンしました和歌山市民図書館の目的外使用許可についての続報です。

港区ワンルームより安い和歌山市民図書館 など、いくつかの記事で報じましたように、


和歌山市民図書館の指定管理者であるカルチュア・コンビニエンス・クラブが、図書館の建物内に出店しましたスターバックスと蔦屋書店の賃料が一か月あたり19万円と、周辺相場の15分の1以下の激安であることが、あとから情報開示請求によって判明しました。


この使用許可の申請書の日付が4/24になっているのに、実際に許可が下りたのは、グランドオープン当日の6/5付でした。


申請した4/24には、まだ新型コロナ感染拡大の影響で、6/5には全面開館できるかどうかわからなかったはずなのに、申請時から「6/5から貸してください」と、申請していたとしたら、おかしいですよね、という疑義が出ていましたが、


申請書類には、「許可期間」ではなく「使用希望期間」となっていて、実際に許可が下りたのが6/5からだったという、かなり危ういんですけれど、なんとか辻褄があうように書面は作成されていました。(辻褄の合わない和歌山市の使用許可書



まあ、そこは役所の手続きですから。辻褄さえあっていれば、あまりプロセスを厳しく追及しても仕方ないのですけれど、それより何より、周辺相場からすれば、駅前一等地の公共施設の入る新築ビルで月300万円は下らないと言われるロケーションが、たったの月19万円という、CCC本社の社員が東京・港区で借りているワンルームの家賃よりも安い金額なのは、いったいどうやって決まったのか、については、もう少し説明していただかないといけません。


そう思って、昨年開示請求(市外在住なので正確には開示申出ですが)しておいたものが、机の上にうずたかく積み上げた書類の山に雪崩がおきまして、そのなかから偶然、発見されました。


そういえば、これ送ってもらっていたのに、公開するのを忘れてた


と思いまして、急ぎ、以下のふたつの書類をアップすることにしました。


①市民図書館における行政財産使用許可申請書の決裁.pdf


②和歌山市民図書館指定管理者募集要項(P13,14).pdf























































書面の中身については、気になった点だけコメントしておきます。



まず、目的外使用料の計算式については、土地と建物の評価額の平米単価を、それぞれ求めまして、そこに条例で決まった料率を掛けたものを合計して出た金額のようです。



真剣に検討するだけバカバカしい話なので詳細は省きますが、あの素晴らしいスターバックス&蔦屋書店が一か月当たり、とにもかくにもたったの19万円で借りられるというんですから、和歌山市駅周辺でテナントを借りてお店を経営している地元の経営者からしたら、なんでCCCだけそんなに優遇されてんの?と感じるはずで、とても太刀打ちできないとため息が出るはず。


使用許可書のあとにつづく書面をみていきますと、「別紙 自主事業実施計画書」の内容が、書籍販売、文具販売、飲食業と分野別に同じ書面が、それぞれ提出されておりまして、その日付が1年単位になっているんですね。


これは、おそらく、役所の公共施設内で期間限定で行う催事といいますか、物販であったり、ちょっとした露店であったり、市内事業者の展示会のようなイベントの際に、小さな陳列棚とか商品台ごとに、特別に目的外使用として許可するようなもののようです。


指定管理制度によって公共施設の運営を丸ごと一民間企業に任せ、その施設内のスペースを民業として恒常的な店舗を設置するというようなことが想定されていない時代にできた特例だとしたら


法律の抜け道


をうまく駆使して、特定の民間事業者に利益供与をしているというのが実態ではないのかという感想を持ちました。



指定管理制度というまったく新しいしくみのもとで、民間企業のノウハウを活用して、より効率的に行政を運営していく


という建前からすれば、当然、この民業部分の賃料についても、市民の理解が得られるよう、世間的相場と同等になるよう条例を改定をし、


また、特定企業への利益供与ではないのかと疑念を抱かれるようなことのないように、当然、この民業部分の事業者についても、指定管理者とは別に、または同時に、公募をして、より高い賃料を払っても採算が取れるノウハウを持っている、「優れた事業者」を選定する

――というしくみにするのが、民間活力を利用した官民連携事業というものだと思います。(実際には、図書館の運営者として選定された事業者に、カフェ等の自主事業を行わせることとし、その際の賃料を優遇している)


そこまでの手続きがもし難しいようであれば、せめて事業者が決まった後に、行政が改めてその事業者と協議をして、市民の理解が得られるような内容の協定を締結していくという手続きが最低限必要なのではないでしょうか。



しかし、これ、指定管理者募集要項の段階で、もう決めているんですよ。


CCCは、いつもこう言います。


武雄市ではこうしました。


→(もし、武雄市のように成功したいのでしたら

「ツタヤ図書館」の看板を掲げるフランチャイズに加盟するパッケージ一式に同意をしてください) 


内部告発された多賀城市職員とCCCスタッフの密談記録。武雄市で編み出された計算方式がその後も受託自治体でも継承された。
選定前の密談記録より





地方都市の役人なんて、彼らにしたらチョロイですよ。


お洒落な六本木や代官山からきました


と言えば、なんでも言うことを聞いてくれるんですから。


本当にね、和歌山市民の利益に忠実な役人だったら、こう言いますよ。



えっ、月19万円だって、なめんじゃねえよ! お前、ゼロがひとり足りないだろうよ!


だったら、その分、指定管理料金ゼロ円にしろよ。和歌山市をショールームにして、またさんざん宣伝するんでしょうが。


広告効果だけでも、何億円もなるんのでしょう? Tカード会員も図書館利用して、タダでガッツリ増やして、市民の情報取り放題でしょう?


子どもの入学や成人式の情報だって、どんだけ情報取るんだよ。


和歌山市民は、図書館建設だけで30億円かけて、南海に18億円補助金だして、県からも14億円補助金出してるんですよ。


そのうえ、CCCさんに年間3.3億円指定管理料払ったうえに、店舗の家賃はタダみたいな金額なんかにしたら、市民から総スカン食らいますよ。


えっ、黙ってたら、わからない? どうせ市民はバカだから? お洒落なスターバックスでタダで本読めると喜ぶ? んなわけないでしょうよ。


と思うんですけと、現実は、確かにCCCの思うツボになってますね。




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