こんにちは、日向です。
本日は、和歌山市の人事について、忘れないうちにメモ代わりに書いておきたいと思います。
昨夜、和歌山市の方から、こんな情報が寄せられました。
教育学習部長の坂下さん、この3月末で退職されたそうですよ
吃驚仰天して、思わずイスから転げ落ちそうになりました。
坂下さんといえば、新しい和歌山市民図書館の指定管理者にカルチュア・コンビニエンス・クラブを選定したときの図書館長(司書ではない行政職)です。
先日も 「ないものはない!」と逆ギレする和歌山市・宮地班長 に書きましたように、
和歌山市民図書館をツタヤ図書館にした功労を認められたのか、2019年から、教育委員会・教育学習部長に昇進。大阪市立大学の永田潤子・遠藤尚秀教授の『公共図書館と都市経営』(日本評論社)の共著者の1人として和歌山市民図書館をCCC指定管理にした“成功事例”を、昨年3/30の開館前に出版されています。
そして何より、CCCを指定管理者に選定した際の5人の選考委員のひとりで、もうひとり市の職員として参加した有馬専至まちづくり局長と一緒に、極端にCCCびいきの点数をつけた委員と目されている人物です。
5人の選定委員のうち、D氏だけが、競合するTRC図書館流通センターには百点満点換算で30点、40点ばかりつけているのに、一方のCCCは5項目のうち4項目まで100点満点をつけるという、あからさまな「CCCびいき」をしていたことがわかりました。この得点差がなければ、結果は見事にひっくり返っていました。
この“八百長審査員”は、委員の紹介順でみると、当初は、有馬局長ではないのかとみていましたが、
その後に得られた情報を総合的にみてくいと、もしかしたら、この坂下氏こそがD氏ではないのかという疑惑が持ち上がってきていました。
5人の委員のうち2人がCCCに高得点をつけていたことは、間違いない事実でしたので、この2人のどちらかがCCCに勝たせたと言ってもいいのではないかと思われます。(「忖度」という背信 )
すでに、有馬氏は、2019年3月に退職されていましたが、それに続いて坂下氏も2021年3月で退職となりますと、なんか裏事情があるに違いないと、周辺の誰もが興味津々になって聞くような情報です。
そこで、本日早速、和歌山市の人事課に確認しましたところ、
坂下氏はこの3月末で定年退職したというのは、事実だ
再任用はされていない
外郭団体にいったかまでは、確認できていない
――とのことでした。
幹部職員の転職先については、天下り批判もあるため、当然、公表するんですよね?
とお聞きしたところ
5月か6月の頭頃までには公表する予定
とのことでした。
あくまでも、私の個人的な見方ですが、局長級ならば、市の外郭団体である、なんちゃら産業振興財団とか、なんちゃら振興センターの理事への転身をして、
さらにチャンスがあれば、教育長として市教委に戻ってくるなんていうコースも想定できるのですけれど、教育学習部長というポストの場合は、どのような転身先になるのかまでは、さっぱり、わかりません。
まさか、CCCの関連企業に役員として迎えられるなんていうことはないとは思いたいですけれど、もし、坂下氏が、CCCを指定管理者にした最大の功労者だとしたら、それなりの御礼は、されるはず。なので、まだ気を抜かずにウォッチしないといけないところです。
さて、もうひとりの有馬氏ですが、実は、BJの記事に書いたときには、定年前の退職にもかかわらず、役所を退職して当面は、転職せずに充電期間を過ごされるとのことでしたが、その後、これまたビックリ仰天するような転職先があきらかになっています。
聞いて驚くなかれ
1年の空白ののち、2020年4月から和歌山大学の特任教授に就任されていました。
「紀伊半島価値共創基幹」という学長肝いりでできた、自治体や地域の人との連携・連帯を元に「共創」して、地域課題に取り組んでいく大学内の新しい組織らしいです。そこで、長年、市の職員として取り組んできたノウハウを大学でも活かしてほしいということで、招へいされたんだと思います。
https://www.wakayama-u.ac.jp/kii-plus/about/
カルチュア・コンビニエンス・クラブを指定管理者に選定したこととの直接的な関連性はありませんので、特に問題にされるような人事はないのですが、
ただ、有馬氏の場合、今度は教育機関で「官民連携」を推し進めるんだとしたら、和歌山県内の博物館や美術館などの公共施設を民間に売り渡すのではないのかと、警戒している市民もいると聞きます。【※追記1】
しかし、そこのところは、やっぱり、CCC選定後にすぐ昇進をして、大阪市立大学の先生たちと共著で本を書くくらいですから、坂下さんのほうが、はるかに興味深いです。
ところで、「官民連携」といえば、最近和歌山市で、こんな不祥事がありました。
和歌山市・無許可で講演出演の男性職員を減給処分
2021年02月10日 19時00分
休暇日などに民間業者に委託された講演会に無断で出演しておよそ75万円を受け取り、兼業や利害関係者との仕事を制限する地方公務員法に違反したとして、和歌山市のリノベーション推進員を務める50歳の主務班長級の男性職員が、きょう(10日)付けで減給10分の1、3か月の懲戒処分を受けました。
(中略)市街地活性化政策のひとつのリノベーション事業の推進を担当していて、2017年10月から2018年11月までの間に、7回にわたって、新潟県や福岡県などで行われた東京の委託業者によるリノベーション関連の講演会に無断で講師として出演するなどして、出演料や交通費など、あわせておよそ75万円を受け取っていました。
職員は、市の人事課に講演会に出演できるか事前に相談したところ「委託業者は和歌山市と契約関係にあり、利害関係者にあたるので許可できない」と回答を得ていたにもかかわらず、個人的に委託業者とSNSなどで契約して出演を重ねたということです。(以下略)https://news.wbs.co.jp/156826 WBS和歌山放送ニュースより一部引用
まちづくりの部署で活躍する職員であれば、日本全国のイベントをまわって講演をすれば謝礼や交通費をもらうは当たり前のこと。なので、なにをいまさらと思います。役所に事前に許可申請さえしていれば、休日のことですから、なんの問題のなさそうです。
「利害関係者にあたるので許可できない」と回答されていたというほうがヘンです。和歌山市に限らず、この手のまちづくりイベントで自分の自治体の事例を紹介するなんて日常茶飯事のはずが、「利害関係者にあたる」というんですから、これは不可解です。7回で75万円と、交通費実費を引いても、金額が大きかったということなんでしょうか? たまたま和歌山市と契約関係にあった業者だったということが問題なのかもしれません。【※追記2】
そもそもツタヤ図書館に象徴される「官民連携」呼ばれる業務というのは、役人が民間企業の人たちと仲良くすることが仕事なので、仕事相手と会食しただけでも、「見返りになんか便宜をはかったのではないのか?」と世間から厳しい眼でみられてしまうのは仕方ないようなたぐいのグレーゾーンを日々積み重ねていく仕事です。
そうしたなので、もし自治体が市民の理解を得て進めていこうというからには、それと同じくらいの勢いで情報開示も徹底的に進めていかないと、公正公平な行政は担保できません。
自由にやってもいいよ、そのかわりあなたたちのやったことは一挙手一投足、記録に残して、それをすべて情報公開してね
というのが一般的な市民感覚です。
なのに、情報開示は黒塗書類ばかりの「デラックス海苔弁当」で、大事な場面のやりとりは不作成のため不開示とか、短期間で廃棄とか、あまつさえ、コッソリ都合の悪い部分のみ抜いて開示とか、
するような行政では、「官民連携」イコール「官製談合」天国で、ツタヤ図書館問題のように、よくみてみると、単に一企業に便宜供与しているだけに成り下がってしまいます。
役所のみなさん、釈迦に説法かもしれませんが、
規制緩和と情報公開はセット
ですからね。これからもしつこく言い続けます。
よろしくお願いいたします。
【※追記1】この記事を書き終えた直後に、運よく、和歌山大学特任教授に転身されている有馬先生と、電話がつながりお話させていただきました。BJに、あたかもCCCとのつながりがあるとの誤解を招きかねない記事を書いたことを謝罪しましたところ、それを快く受けいれてくださいました。また、所属されている紀伊半島価値共創基幹について丁寧にご説明していただきました。いずれ機会がありましたら、その内容をご紹介させていただきたいと思います。
【※追記2】人事課に問い合わせたところ、和歌山市と契約関係にある=利害関係者との契約であることのほかにも、7回にわたって同じ事業者から継続的に収入を得ていたこともルール違反と認定された。逆に言えば、継続的な業務ではない、たとえば、雑誌に一度限り寄稿したような一時的な収入であれば、そもそも申請する必要はないとのこと。また、和歌山市でこれまで頻繁に行われていた、まちづくりイベントで職員が講演をして謝礼が払われる場合は、その謝礼は市の歳入に入れる決まりとなっている。今回のケースでは、その謝礼を職員個人がナイショで受け取っていたことが、あきらかにルール違反と認定された決め手になったようだ。
【関連記事】「ないものはない!」と逆ギレする和歌山市・宮地班長
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