2019年1月28日月曜日

和歌山連載の目次2019/5/01更新

こんにちは、日向です。

当ブログは、ツタヤ図書館に関するビジネスジャーナル(BJ)の拙稿の内容を補足するために始めました。

BJの連載記事・第一回目は、和歌山市が1400枚の資料をほぼ全面黒塗りで開示してきた件についてです。以来、先日リリースされた回も入れると、5回和歌山市に関する記事を出していますが、

BJ記事が毎回単発として出るものですから、話の全体像がだんだんわかりづらくなってきたように思います。

そこで、連載記事として読んでいただくために、目次を作ってみました。

第1回 BJ 2018.9.12

和歌山市、ツタヤ図書館に64億円税金投入…関連文書の情報開示請求に全面黒塗りで回答


第2回 BJ2018.10.02

第3回 BJ 2018.11.01

第4回 BJ 2019.1.15

第回5回 BJ 2019.1.27

第回6回 BJ 2019.2.17

ツタヤ図書館、建設で談合疑惑浮上…和歌山市、入札前から特定業者と資金計画について会議



個人的なオススメは、第3回です。

和歌山からの視察団が“武雄詣で”をしていたことを詳しく報じた回です。ニュースとしては、面白みがいまひとつかもしれませんが、市の担当者とのやりとりが、なかなか興味深いんです。

担当者に、武雄市の視察に「参加されたんですよね?」と聞いたら、「記憶にない」を連発していたのに、「○○さんの名前もありますよ」といったとたん前言を翻すんですから。


「記憶にない」は、経済産業省の柳瀬さんを思い出します。

「そもそもツタヤ図書館って、なんでそんなに批判されてるのかわからない」という“ツタヤ図書館ビギナー”の方は、
当ブログの第一回目

黒塗りの図書館建設計画

をざっと斜め読みした後、BJの連載記事第1回に入っていただけると、わりとスンナリ頭に入るかなと思います。

よろしくお願いいたします。



2019年1月27日日曜日

RIAの暗躍

こんにちは、日向です。

1/15にリリースされた

ツタヤ図書館が目玉の和歌山市駅前再開発、94億円の税金投入…疑惑浮上

の続編がさきほどリリースされました。

ツタヤ図書館建設でCCCと和歌山市に癒着疑惑浮上…コンペ前から内定で計画進行か


前編では、国土交通省のキャリア官僚と結びついた尾花市政によって、図書館を目玉にした市駅前再開発プロジェクトに94億円もの公金(うち補助金は64億円)が注ぎ込まれることを明らかにしましたが、

ナゾだったのがこれほどの巨額プロジェクトの絵を描いたのは、いったい誰だったのかという点でした。

今回の後編では、そのへんを解明しています。

ネタバレになってしまいますが、陰の主役は、RIAでした。

RIAは、CCCのフラッグシップともいえる代官山蔦屋書店の設計を手掛けた会社なんですが、和歌山市の再開発プロジェクトには早くから食い込んでいました。


2014年からはじまった和歌山市が和歌山県と南海電鉄との三者で話し合う「南海和歌山市駅周辺活性化調整会議」(調整会議)がスタートしてまもなく参加していたことがわかっています。

調整会議がスタートしたのが2014年6月です。RIAはその翌月の第四回以降すべての会議に出席しています。

建設コンサルタントがどういう資格で出席しているのでしょうか? 南海側の代理人なのか、それとも和歌山市が依頼したコンサルとしてなのかが不明です。

どちらにしろ、公共プロジエクトに参画するわけですから、なんらかの手続きを経ていないと、

「お友達を呼んできたの?」といわれかねません。

そのあたりについては、少し長いですがBJで昨年10月に発表した記事を引用しておきます。


RIAが基本設計者となった不透明な経緯

 さて、ほとんど黒塗りされていた1400枚の会議資料のなかでも、わずかに読める部分のデータをつなぎ合わせて詳細に分析したところ、このプロジェクトが明らかに普通ではないと思われる箇所がいくつか見つかった。
 まず、調整会議の場に14年の第4回めから早くもRIAが出席していることである。調整会議は、公的な補助金を受ける南海電鉄が市と県にプロジェクトの進捗状況を毎回報告して、重要なことについては両者に承認を得る仕組みになっている。
 したがって、南海がもし設計業者にRIAを選定したのだとしたら、その経緯を市と県に報告しているはずだが、開示文書の読める部分には、その点の記載がない。巨額の税金が投入されているプロジェクトにもかかわらず、南海はコンペも行わずに決めたのだろうか。
 南海電鉄に確認したところ、複数社から見積もりをとった結果、RIAを基本設計者に決定したのは16年8月だという。それ以降なら、南海側の代理人として三者会議にRIAが同席していてもおかしくはないが、駅前再開発のプロジェクト全体について話し合いを始めようという14年7月に、早くもRIAが出席しているのは不可解だ。
 その点を和歌山市都市再生課に確認をしたところ、驚くべきことが判明した。
 筆者は、RIAが契約を結んでいたのは、てっきり施主の南海電鉄だと思い込んでいたが、基本設計を手掛ける前は、和歌山市が直接RIAと委託契約を結んでいたのだ。

 市関係者がこう漏らす。
「総額328億円の和歌山市再開発計画全体について、資金計画の算盤を弾いたのはすべてRIA。そのうえで、基本設計、実施設計、施行監理と、一連の流れをすべて一括でRIAが担うことになっていた」
 そうだとしたら和歌山市は、再開発コンサルタイトにRIAを選定した経緯をどこかで発表しているはずだが、筆者が調べた限りでは、そのような発表はどこにも見当たらなかった。
 さらに、再開発計画全体をRIAが担当したとしたら、設計事業者にもRIAが選定されるプロセスは公平性が担保されていないのではないか。この点を精査すべく現在、RIAとの契約について和歌山市に情報開示請求をしているので、詳細がわかり次第、報じる予定だ。

和歌山市、他県のツタヤ図書館を運営事業者コンペ前に視察…出来レース疑惑、文書を廃棄 



注目していただきたいのは、以下の記述です。


「筆者は、RIAが契約を結んでいたのは、てっきり施主の南海電鉄だと思い込んでいたが、基本設計を手掛ける前は、和歌山市が直接RIAと委託契約を結んでいたのだ」

 この内容は、私の憶測ではなく、和歌山市担当部署の人の発言内容をそのまま書きました。ところが、後から判明したのですが、結果的に、この記述は間違いでした。

 この件について情報開示請求をすると、「和歌山市は、RIAとは直接契約を締結していない」との回答が返ってきたのです。

じゃあ、誰が市民図書館を市駅前にもってくる計画を立案したのかというと、RIAなんですね。でも、市はRIAとは契約していないと。

そんなバカな話はないですよね。

そこで表にでてきたのが国土交通省でした。

市が再開発計画の調査報告を業務委託したのは、国土交通省の外郭団体である全国市街地再開発協会でした。

で、その調査報告の作成者は、同協会の下請けに入ったRIAだというんですね。まことに珍妙な理屈ですね。

要するに市の担当者が「市が契約しているのはRIA」と、勘違いするくらい、当初からRIAがこのプロジェクト全体を差配していたということなのでしょうか。

でも、そうなると、単なる下請けのRIAが調整会議に出てくることはありえなくなってきます。だって、市はRIAに仕事を依頼していないのですから。

そこで再度出てくるのが再開発ビルの施主となる南海電鉄とRIAの関係です。

以前にもこのブログで取材メモを全文公開したように、南海電鉄は、RIAと基本設計の契約を交わしたのは2016年8月だと回答しています。調整会議は、それよりも2年も前のことですよ。2年間は「無資格」で会議にRIAを出席させていたのでしょうか?

そこで再度、南海電鉄に問い合わせてわかったのが、南海電鉄は、2014年度中にRIAとは別の契約をしているということ。

最新記事から引用しておきましょう。

驚くべきことに同社は、市の計画実務を作成する一方で、同じ14年に南海電鉄のコンサルティングも担当していたことがわかった。名目は「プロジェクトの調整支援」(南海電鉄・施設部)だという。

ということは、RIAは、下請けとは言え、ほぼ同じ時期に、同じプロジェクトで自治体と民間企業の両方でコンサルタント業務を行なっていたことになります。

世間では、こういうのを「利益相反」というのではないでしょうか?

RIAは、和歌山市民がトクする計画を建てたのでしょうか。それとも南海電鉄がトクする計画を立てたのでしょうか。

南海電鉄が巨額の補助金がもらえて、なおかつ駅前に「100万人来客する関西初のツタヤ図書館」を誘致する計画は、いったい誰の利益を最優先に考えて立てられたのでしょうか。

ようやくこの事件の核心部分がみえてきました。

64億円の補助金と図書館を施主の南海電鉄から30億円で買取るスキームにより実現した

総額94億円もの公金の使途がこんなに不透明なのは、ありえないし、あってはならないことです。

今秋、「素晴らしい市民図書館ができました」と和歌山市とCCCはアピールするでしょう

しかし、公金94億円のプロセスをすべて開示しないと、依然として、プロセス真っ黒な「図書館計画」であることに変わりはありません。

2019年1月24日木曜日

TSUTAYA警察の衝撃

こんにちは、日向です。

厚労省の統計データの不正調査に関連して、過去の雇用保険データを調べるのにあたふたしているうちに、Tカード会員情報の捜査提供のニュースがツイッター等で炎上しているようです。

新聞報道によりますと、Tカードを発行しているCCCは、捜査令状無しに、①会員情報(氏名、生年月日、住所など)②ポイント履歴(付与日時、ポイント数、企業名)③レンタル日、店舗、レンタル商品名④防犯カメラの画像ーなどを提供しているとのことです。

当然、同社が指定管理者となって運営しているTSUTAYA図書館、とりわけ本の貸し出しにTポイントを付与している佐賀県武雄市や岡山県高梁市では、図書館の利用データまでも密かに提供されているのではないかと疑ってしまいます。

もちろん、建前上は、図書館利用者の貸出履歴などは、図書館の外部には送信していないと、CCCは、普段から明言していますので、よもや図書館利用者の思想・信条をプロファイリングできるようなデータは提供していないと思いたいのですが。

でも、今回の件も規約に明記せずに行なっていて、バレたら規約に追加するような企業ですから、もしかしたらそういうこともあるのかもと疑心暗鬼になってしまいますね。

さて、この件については、すでにクラスタをはじめTSUTAYAウォッチャーの方たちが誠に正鵠を得た批判をされていますので、これ以上、私が特に述べることは見あたらないのですが、前から感じていたCCCのTポイント事業についての感想をいくつか述べておきたいと思います。

 まず、今回の事件を最初に聞いたときに浮かんだのは、

TSUTAYA警察

でした。図書館をTSUTAYAに運営させるのがTSUTAYA図書館だとしたら、警察の捜査機能の一部を民間委託したのが「TSUTAYA警察」です。

2019年1月21日 東京新聞朝刊には、以下のようなショッキングな内容が書かれています。



捜査当局はTカードの履歴を対象者の「足跡」として、積極的に活用している。捜査関係者によると、ポイントサービスを展開するCCCへの情報照会は日常的で、一度に数十件の照会をした部署も。数の多さにCCCの回答が遅れがちとなり、利用ルールを守るよう当局内で周知されたこともあった。

ある事件では、捜査担当者が対象者のTカードを照会したところ、ほぼ毎日、同じ時間帯に特定のコンビニに来店し買い物をしていると判明。店の防犯カメラの映像から本人と特定し、待ち伏せして身柄を拘束した。捜査関係者は「ポイントが付くのに、カードを提示しない理由はない」と話す。Tカードを貴重な情報源と位置付けている。

 捜査令状は取らないけれども、それをやや簡略化した手続きで情報を開示させているのかと思ったら、「とりあえずTカードの履歴を片っ端から取ってみよう」みたいな、かなり安易に行なわれていたようです。そうなると、まぁ、CCCは、警察捜査の下請けみたいなものですかね。ほぼ警察機能の一部を担っていると言っても決して過言ではないでしょう。

CCCは、捜査当局から報酬こそもらいませんけれど、それだけ日常的に付き合いがあれば、当然なんらかの見返りはあると期待するはず。そこのところで、なにかメリットは得ているのではとの見方も当然出てきますよね。


CCCという企業のコンプライアンス意識の低さについては、みなさん指摘されますが、もともとレンタルビデオという「グレー」なビジネスから始まっている企業ですから、そういうスレスレのところにこそビジネスのタネが眠ってていると積極的に乗り込んでくる企業風土、

というかこれは社長の個人的なテイストなのかなんなのかわかりませんけれど、世間の批判なんか屁とも思わないといいますか、どこかの出版社の社長の「ヒンシュクはカネを出してでも買え」と似たような志向を持っていると思います。


「TSUTAYA帝国」の野望


で、Tカード事業そのものが、私は常々

「TSUTAYA帝国」

の本丸だと思っています。

企業というよりも「仮想国家」といったほうがわかりやすいでしょう。

Tカードの会員登録は「TSUTAYA帝国」の国民登録みたいなものです。

一方、国家にとってもうひとつ大事なのが「徴税」です。

CCCは、Tカードの加盟店から会員が購入するたびに、システム利用料をもらいます。

これが「TSUTAYA帝国」の税です。6780万人の会員が、毎日買い物をするたびに、CCCには、購入額の2パーセントが自動的に入ってくるんです。「国民」は、日本の人口の二人に一人です。

残る国家の基幹は、通貨の発行ですが、Tマネーはうまくいきませんでしたが、Tポイントという通貨もどきが広く流通しています。みなさんもポイントたまったらドトールコーヒーなどて使った経験ありますよね。

じっとしていても、加盟店から日々「税」が入るTSUTAYA帝国には、6780万人もの「住民登録」した市民がいます。

この個人情報をどうハンドリングしていくかは、彼らのある意味「胸先三寸」です。

規約とか協定とかルールは、できるだけ明確にせずに曖昧にしておくほうが、権力は強大になります。

ツイッター・ジャパンがヘイトを放置しているとよく批判されますが、あれなんかまさに自分たちの胸先三寸で権力を保持する意図がミエミエです。フェイスブックなんかもそうですね。

だからEUなどでは、そういう個人情報を商売にするような企業には、本人同意を厳格に取るなどの非常に厳しい責任を課しているのです。

日本はそういうことしないので、まったくやりたい放題にできます。

で、本題はここから。

TSUTAYAに図書館を任せた自治体は、社会教育の機能がほぼ崩壊します。なぜならば、TSUTAYA図書館にするには、教育委員会という政治から独立した機関の権限を限りなく弱めないとつくれないからです。

一度弱めた機関は、権限を失っていきます。なので、あとは事業者のやりたい放題になってしまいます。

そして、今回明るみに出たのは「TSUTAYA警察」です。警察は、行政機関のひとつにすぎませんから、本来でしたら個人情報を例外的に開示させるには、司法の手続きを経ることが必須のはず。

なのに、それをパスさせるのは、ちょうどTSUTAYA図書館をつくるのに、教育委員会やその付属機関での手続きをすべてパスするのにも似ていると思いませんか?

「オレらは、オバケなんだ」と社長が、かつて雑誌のインタビューで答えていたのは、そういう意図があるのかどうかまではわかりませんが、ふうつの市民がみえない世界が見えていて、その世界を自分たちの都合のいいように変えていこうとしているのかと感じました。

レンタル店の大量閉店など、彼らにとっては、たいしたことではないのかもしれません。

帝国に侵略された市民は、レジスタンスになるしかないんです。

ツタヤ図書館の問題は、本当に奥が深いですね。

2019年1月15日火曜日

94億円を仲間で山分け?

ビジネスジャーナルで、以下の記事がリリースされました。

2019.01.15

ツタヤ図書館が目玉の和歌山市駅前再開発、94億円の税金投入…疑惑浮上



このブログのタイトルの通り「ほぼ月刊」でお届けしておりますツタヤ図書館関連のニュースですが

今月は、しばらくお休みしておりました和歌山市の再開発プロジェクトに関する記事です。

「関西初出店となるツタヤ図書館」

で予告させていただいた通り、今回は、同プロジェクトに浮き彫りにされた「政官財」の癒着構造をクローズアップしました。


「国の予算をぶんどってきて、それをみんなで山分けする。その中心に、なぜかTSUTAYA図書館がいるという不思議な構図」

と、前回書きました意味がなんとなくおわかりいただけるのではないかと思います。

さて、この記事が出る少し前にクラスタの方がこのプロジェクトに関連した落札情報をツイートされていました。

今年秋、南海市駅前に新装開館予定の市民図書館の内装関連の施工事業者を決める落札結果です。

建物は、南海電鉄が施主になりまして、完成後に和歌山市が30億円で買い取ることになっていますので、今回の入札は、その完成後の施工についてです。


「新和歌山市民図書館書架・什器等整備工事」となっている項目には、

「372,200,000 円」の予定価格でしたが「334,980,000 円」で、
(株)スペースが落札しています。

実は、これみたとき、まるで長いトンネルから出て太陽の日差しが降り注いでいるかのように感じました。



まるで「ヒモつきODA」


というのも、図書館の建設プロセスについては、施主の南海電鉄が詳細の開示を拒否しているんです。(全体の施工事業者のみ公募して公表。施工は、竹中工務店・南海辰村建設・淺川組JVが担当)

設計事業者の入札結果すら、南海電鉄さんは、頑なに拒否しているんです。

それが、建物完成後には、和歌山市がすべて公開してくれるというんですから、ようやく暗黒の世界から晴れ間に抜け出したような印象です。

ちにみに、しつこいようですが、南海電鉄には総額64億円の補助金が支給される予定ですが、情報開示は一切したくないというスタンスのようです。

で、話を元に戻しますと、今回の図書館内装工事の入札に参加している事業者名みますと、

(株)スペース 、(株)船場、 (株)乃村工藝社 、(株)バウハウス丸栄

となっておりまして、ほぼ全国区の大手事業者といってもいいかと思います。

和歌山市くらいの大都市になりますと、地元事業者も参加してくるのかと思ったら、やっぱり大手が取って、地元の下請けを使うという感じになるのでしょうか。

たとえは適切でないかもしれないですが、

かつて発展途上国へのODA(政府開発援助)には、

「ヒモつき」と呼ばれていて、

資金供与される条件で日本のゼネコンが一緒に出ていって受注するという構図がありましたが、

国内でも、巨額の補助金の出る事業には、大手がしっかり仕事をもっていってしまい、総事業費123億円のプロジェクトであっても、地元への経済効果というのは限られているんだなぁと、思った次第です。

もうひとつ、気になったのは、落札事業者です。

前記の顔ぶれを調べてみますと、(株)船場 とか (株)バウハウス丸栄は、過去にCCCの店舗や図書館を手掛けているTSUTAYAと縁のある企業なのに、(株)スペースは、意外な事業者のように思いました。もっとも、私が知らないだけかもしれませんが…。

このあたりの事情について、詳しい方がいましたら、ぜひツイッター等で解説していただければと思います。

最近では、洋書のはりつけが世間で批判されて中止になった山口県周南市で、地元アーチストの壁画デザインを施工したのが(株)船場でした。

まぁ、とりあえず今後の推移を注意深く見守ることにします。

2019.1.16 追記 クラスタの方から「株式会社スペースは南海電気鉄道と取引ある」との情報が寄せられました。
「第10回キッズデザイン賞」受賞のご報告
実績紹介

2019.1.17 訂正 「新和歌山市民図書館書架・什器等整備工事」について「落札率7割台」と記述しましたが、その点は、私の完全な勘違いでした。その部分を削除しました。誤解を招く記述をしてしましまいましたこと、お詫び申し上げます。






2019年1月14日月曜日

コピペ疑惑の図書館計画(3)

 前回に引き続き、3年前に発覚した多賀城市立図書館の基本計画の盗用疑惑についてレポートします。

 自治体が定期的に、図書館のありかたを見直すにあたって、その基本思想といいますか、市民とも対話を重ねた結果、こういう図書館をつくろうとなりました、というような報告をするのが基本計画です。

 ところが、多賀城市のそれは、そのような構成にはなっていませんでした。

簡単に、これまでの歴史をふりかえったうえで、ツタヤ図書館誘致自治体にありがちな「旧来型」図書館は、こういうところがダメ、ああいうところもダメ、あんまり利用もされていないダサイ図書館だってことを浮き彫りにしたうえで、これからは、こういう新しい図書館を作っていきましょうという内容です。

その「新しい図書館」とはなんぞや、というところの答えをパクってるんではないかというのが今回の疑惑です。

酷似しているのは、世界的に有名な図書館の専門家であるイタリアのアントネッラ・アンニョリ氏の『知の広場』という本です。以下のその酷似部分のダイジェストを掲載しておきます。





似てますよね。


で、まぁ、似てるのはいいんです。巻末に「参考文献」として、この書名をあげたうえで、公文書ではありえないスペシャルサンクス文まで掲載しているのですから。

ただ、ちゃんとするのであれば、

引用箇所はカギカッコで囲まないと、まるで自分たちのオリジナルの意見みたいに思われてしまいます。

なので、その時点でルール違反は明白です。公文書としては、完全にアウトと言ってもいいと思います。


4ヶ月後に「計画(案)」


さて、前回は、この文書がツタヤ図書館誘致のためのスケジュールに無理やりあわせて、誰かが急ごしらえで作成したものではないかということを、いくつかの証拠をあげて述べました。

で、その点は、いくら詰めても証明はできないのですが、追加の証拠がもう一つ出て来ました。

文書名で検索をかけたら、keikumaさんの
たけお問題文書館」に保管されていた関連文書がひとつヒットしました。



第2次多賀城市立図書館基本計画(案)
第2次多賀城市立図書館基本計画(案)


「第2次多賀城市立基本計画」と、同じタイトルなんですが末尾に「(案)」がついています。作成日はありませんが、表紙には「平成26年3月」となっています。

「案」なのに、なぜか問題の完成文書が作成されてから4か月後の文書ということになっているんです。

訳わかんないですよね。ずうっと前に作成されたものの当初から「平成26年3月」発表の予定だったということでしょうか。

まぁ、武雄市でもCCC提出の見積書の日付がデタラメだったとか、自治体も含めて、いろいろと辻褄があわないことがあるのが「ツタヤ図書館クオリティ」なのでしょうから、その点は、あまり突っ込んでも仕方ないのかもしれませんが。



不可解な参考文献リスト


さて、この奇怪な基本計画の核心は、末尾に記載されている「参考文献」です。全文を引用しておきます。





■参考文献■ 本計画書策定に当たって参照した主要な文献を以下に記します。特にアンニョリ氏の著作『知の広場――図書館と自由』にあっては、私達が目指す理想の公共図書館を創り出す戦略書として「図書館をめぐる時代環境への示唆に富む考察」、「現代の公共図書館の存在意義への言及」及び「屋根のある広場のような図書館を表現するための具体的な方策」に関わる記述について、また「知の広場」「屋根のある広場」などの重要な概念について、多賀城市立図書館の新しい姿を形創る上で参照したことを申し添えます。 
 ・アントネッラ・アンニョリ  著、萱野有美  訳   『知の広場――図書館と自由』 みすず書房  
・清水玲奈  著    『世界で最も美しい書店』     株式会社エクスナレッジ 

ついでに、ビジネスジャーナルに掲載しました、“コピペ疑惑”に対する多賀城市教委の釈明コメントも引用しておきましょう。



「第二次多賀城市図書館計画は、教育委員会事務局で作成して図書館協議会のメンバーの方たちにご承認いただいたものです。出版社の担当者に計画案文を確認いただき、問題ない旨の回答がありました」

これ、おかしくないですか?

自治体が作成する公文書に、著名な専門家の意見をカギカッコもつけずに引用しておいて、後から

「出版社の担当者に計画案文を確認いただき、問題ない旨の回答」

をもらっているんですよ。

そんなこと、ありえないですよ。

もしあったとしたら、

誰かが作成した文書を市が確認したら、ほかの本からのコピペした箇所が数多くみつかった。いまさら書き直す時間的な余裕もないし、書いた本人も改める意志もないようなので

仕方なく「無断引用した本の版元と著者に断って、許可をもらいますから」というCCCの提案をそのまんま受け入れたのではないか。

--というのが私の個人的な感想です。


参考にしていない「参考文献」


もうひとつ不可解なのが参考文献として挙げられている

『世界で最も美しい書店』

という本です。誤解のないように言っておきますと、『世界で最も美しい図書館』ではないですよ。『~書店』ですよ。

入手して読んでみましたが、この本のどこを探しても、基本計画の内容とかぶるところはありませんでした。そりゃあ、そうでしょう。図書館の本ではなく、世界中の書店を紹介した写真集なんですから。

どうして、関係ない本を「参考文献」として、自治体がわざわざ列挙しているのでしょうか。『知の広場』の版元ともまったく無縁の建築関係の専門出版社が出した本ですよ。


CCC広報部員の正体


『世界で最も美しい書店』について、関係者に聞いたところ、どうやら「タイアップ本」のようです。

「タイアップ本」とは、企業などが宣伝のために出版する本のことで、通常は初版分すべて買い取りの条件で出された本のこと。要するに宣伝本ですね。

2010年に代官山蔦屋書店を華々しくデビューさせたCCCが自社の宣伝のために作った本といってもいいでしょう。

そんな本をなにゆえ、多賀城市が図書館基本計画の参考文献としてあげたのかが大きな謎なんですが、その謎を解く鍵となるのが、ビジネスジャーナルに、私が書いた以下の一文です。



ちなみに、同書には後半部分で代官山蔦屋書店の写真と紹介文が掲載されており、巻末の奥書には現役CCC広報部員の名前がクレジットされている。

こここからは、また私の「個人的な感想」なんですが、

このCCC広報部員の方が、基本計画を執筆したのではないかと思います。だからついでに、自分が編集に参画した別の書籍を参考文献に入れておいたと。

ネットの世界というのは、恐ろしいもので、この広報部員の方のお名前だけで検索すると、その方が広告業界のご出身であり、なおかつ雑誌の編集長まで務められた方であることがわかります。ああ、なるほど、そういうことかって、みなさん思いますよね。

代官山蔦屋書店のブランディングを手がけて成功に導いた彼女が、今度は、社長直々の命を受けて、図書館のブランディングも担当したのではないか。

武雄市の元祖ツタヤ図書館のメディア戦略は、なかなか見事なものでしたが、しかし、広告業界の論理をそのまんま行政の世界に持ち込んだのですから、ある意味「事実」などどうでもいい無茶苦茶な世界になってしまいますよね。

もしご本人がこの記述をご覧になっていたら、ぜひご反論していただきたいと思います。お待ちしています。

で、一方の多賀城市は、悲しいかな、一切参考になんかしていない、この「幻の参考文献」についてまで、ご丁寧にフォローしているんです。



この本を参考図書とした理由について市教委は、「本を通じて市民文化が成り立っている事例などが紹介されており、図書館を地域コミュニティ創出の場に位置付ける着想を得たため、参考文献として明記しました」と説明している。

ホント涙ぐましいほど、けなげにCCCをかばっています。

すべては、ツタヤ図書館オープンというゴールに向かって辻褄をあわせる八百長なのかって、疑ってしまいます。

今日はこのへんで、やめておきます。
以下の記事で最初に発表しました。


ツタヤ図書館、市の基本計画に盗用疑惑浮上…市長、突然のツタヤ委託宣言の不可解

2019.1.17追記 基本計画の末尾に記載された参考文献の刊行日は、以下の通り。

・『世界で最も美しい書店』 2013/2/26
・『知の広場――図書館と自由』2011/5/11
(武雄市図書館・歴史資料館が、ツタヤ図書館として新装開館したのは、2013年4月1日)

ちなみに『世界で最も美しい書店』 と同じ版元・エスクナレッジから『日本の最も美しい図書館』(立野井 一恵 著)が2015/5/30に刊行されているが、こちらは“タイアップ本”ではない一般の市販本だった。同書には、武雄市図書館・歴史資料館が収録されている。

2019年1月13日日曜日

コピペ疑惑の図書館計画(2)


 3年前、ツタヤ図書館が開館した宮城県多賀城市が作成したとされる図書館基本計画に盗用があったのではないかという疑惑のつづきです。

 多賀城市が2013年11月に発表した「第二次多賀城市立図書館基本計画」(以下、基本計画)には、役所の文書らしからぬ箇所が続出していました。



公文書なのにイメージ重視


出だしの部分は、ごく標準的な役所文体であったため、特に意識することなく読み進めていったんですが、5ページあたり(4 書籍、そして図書館をめぐる時代環境)から突然、おかしな文体になっているんです。

なにがおかしいかというと、やたらとカタカナまじりになっていて、ある主張を客観的な事実や数字によって伝えるというよりも、

ふんわりとしたイメージを表現しようとしていることです。

一言で言えば、広告文体、コピーライティングですね。

広告にかかわったことのある人なら、すぐにわかると思うのですが、実体なんか、最初からどうでもよくて、言葉によってねらい通りのイメージを作り出せればそれでいいというような文体です。

たとえば、以下の部分です。


“ 図書館は、本を通じて、交流と出会いを生み出す「屋根のある広場」となる。


『知の広場』の酷似箇所は、以下のようになっています。


“ 図書館は、公共の場所としての危機から逃れることはできない。もし逃れたいのなら、新たな取り組みを推し進めねばならない。つまり、出会いの場へと、大人から子供、裕福な人から貧しい人、ジプシーから枢機卿までに利用される“屋根のある広場”へと生まれ変わるのである。”

『知の広場』では、この文の前にも、ちゃんとそこにつながる背景説明があり、かつ論拠が明示されていますから、特に違和感ないんですが、「基本計画」のそれは、まるでポエムを読んでいるかのような、ふんわりとしたイメージでしかないんです。

該当部分を引用してみましょう。



第二次多賀城市立図書館基本計画』10ベージより


「市民は、この地に古より刻まれた記憶を知っている 」から始まる文体、なんか読んでて気持ち悪くないですか?


日付がない

次に、気になったのは、文書の日付です。タイトルの下に「平成26年度~平成32年度」と、基本計画の対象年度は記されていますが、発表した日付がどこにもありません。

新図書館の建設計画等からプロセスを調べてみますと、この基本計画が策定されたのは、2013年11月22日であることがわかりました。




ところが、です。肝心の基本計画の文書のプロパティをみますと、作成日は2013年12月2日になっているんですね。まあ、後から訂正した文書とさしかえたかもしれませんので、なんともいえませんが、かなりアヤシイのは確かですよね。






導入直前に策定


さらにヘンなのはスケジュールです。

指定管理制度導入が正式に報告・説明されて承認されたのは、基本計画策定から3日後の2013年11月25日。

これ、教育委員会ではなく「行政経営会議」の承認であり、その3日後の11月28日に教育委員会が正式に決定しているんです。


何がいいたいかといいますと、この基本計画は、完全に結論ありき、つまりCCCを指定管理者にしてツタヤ図書館を実現するゴールにあわせて、急ごしらえで作られたものではないかという疑いが俄かに強くなってきたんです。

実際には、先に市長部局が直接コントロールできる会議が開催されてそれで計画案が承認され、数日後に教育委員会がその決定を追認するという流れです。

そのときには、基本計画の文書はなかったか、あるいは別の文書があった。決定後に、ツタヤ図書館にする理由がより明瞭になった基本計画を捏造して、この文書をもとに決定までの手続きが適法になされたような偽装を行ったのではないか、というのが私の推測です。

「憶測」と「誹謗中傷」は書くなと、ふだんメディアの人からは厳しく指導されておりますので、よそでは書けませんが、「個人の感想」としては、そう思わざるを得ないのです。

元祖ツタヤ図書館を誘致した武雄市では、CCCに指定管理者を決定するプロセスをきちんと説明できる文書がほんとんどないと伝えられています。

それからすれと、一応、多賀城市では、格好だけはつけようとしたんだけれど、いかんせんまったく中身がなく、あとから辻褄があうように文書も捏造されたのではないかという疑いが出てきたわけです。

武雄市での問題を開館1年前の計画発表時点から、ウォッチされてきたクラスタの方たちからすれば

「そんなのまだマシなほう」

とみられたかもしれませんが、周回後れでこの問題に首を突っ込んだ私にとっては、基本計画からして、ほかの本からコピペしてきたような作文だったことに、少なからぬ衝撃を受けたのは、記憶に残っています

コピペ疑惑の図書館計画(3)につづく

追記 「第二次多賀城市立図書館基本計画」の文書名は「si-ke-tosyokan_kihonkeikaku」となっています。アタマの「si-ke」って、どういう意味でつけたのでしょうか? “sike”で、辞書ひくと「なんちゃって!」を意味するスラングだそうです。「なんちゃって図書館基本計画」だとしたらピッタリのネーミング? 



コピペ疑惑の図書館計画(1)

こんにちは、日向です。

昨日、書店に立ち寄ったら、百田尚樹氏の『日本国紀』が大量に平積みされていました。

同著については、ウィキペディアなどからコピペされているのではないかと指摘される箇所が多数みつかっており、そういう書籍がベストセラーになるというのも、なんだか釈然としませんよね。

さて、ツタヤ図書館においても、コピペ=著作権侵害に関する事件は、過去に2回ありました。

まず最初は、2015年12月末に、新装開館したぱかりの神奈川県海老名市立中央図書館で起きました。

公式サイト上で、お正月イベントを告知した文章と画像が、他社のものを無断でコピーしていたことが発覚。指定管理者であるTSUTAYAの本部CCCは、すぐに該当箇所を削除して、「お詫び」文を出ししました。

この事件は、新聞等でも広く報道されましたので、ご存知の方も多いと思うのですが、その翌年3月に、ツタヤ図書館としてオープンした宮城県多賀城で起きた事件は、あまり知られていません。

実は、多賀城市の事件ほうが、謎が多く、不祥事としてははるかに根深い要素をはらんでいるのです。




コピペだらけの公文書





問題になったのは、多賀城市が2013年11月に発表した「第二次多賀城市立図書館基本計画」(以下「基本計画」)と題された文書です。

この文書の発表直後、多賀城市の教育委員会は、市立図書館の運営を全面的に民間に任せる指定管理者制度の導入を決定。翌年の2014年5月に指定管理者にCCCを選定しています。

そうした一連の民間委託プロセスを決定していくためには欠かせない公文書なのが「基本計画」。それを、なにげなくパラパラとめくってみていくと、途中からひどい違和感を感じたのが、この事件について調べるきっかけでした。

「違和感」の正体は、カタカナ語まじりの独特の軽い文体です。

公文書では普通こんな書き方は絶対にしないだろうなと思えるような表現が随所に出てきました。そして、そのなかには「あの本にと似ているな」と思う箇所が続出したのです。

そう思って取り出したのが、図書館関係者なら知らない人がいないほど有名なイタリアのアントネッラ・アンニョリ氏の『知の広場』です。

旧来の図書館像にとらわれず、新しい市民のための情報基地になるような図書館を提唱している本なんですが、多賀城の基本計画は「もしかして、この本からのパクっているのではないか」と思い始めました。

早速、気になる箇所を抜き出してみると、予想は的中!

下の表をみてください。赤い箇所が両者の酷似箇所です。


最初のほうは、文章の主旨だけマネて、文章そのものは換骨奪胎していますので、「コピペしている」とまではいえないかもしれないのですが、次第になかを読み進めていくにつれて、ほとんど一字一句に近いレベルまで似た表現が使用されていました。

この対照表、大雑把にめだつところだけを抜き出したものですので、精査していけば、さらに酷似箇所は多数みつかるのではないかと思います。

この事件の概略は、3年前ビジネスジャーナルに発表しましたので、そちらをお読みいただくとして、記事のなかでは十分にふれることができなかった謎について、次回以降詳しくふれていきます。














































コピペ疑惑の図書館計画(2) につづく

2019年1月10日木曜日

「TSUTAYA分類とTカード阻止」の署名スタート!


本日は、今年秋にツタヤ図書館オープンが決まっている和歌山市の速報です。

市内の図書館サークルの有志の方たちが、2月議会に新図書館に関する請願を提出する準備を進めています。

表題は、「新図書館システム導入反対の請願」です。

TSUTAYAの本部CCCが指定管理者になることはもう覆せませんが、このまま黙っていたら、他の先行事例のように、TSUTAYAのやりたい放題にされかねません。

すでに昨年末の議会では、多賀城市の3倍といわれる3億円のシステム導入費が、ほとんどなんの議論もなく、補正予算に入れられて承認されました。

しかし、訳のわからないツタヤの独自分類や、「図書館の自由」を侵害するおそれのあるTカード導入だけは中止してもらいたいという地元の図書館利用者たちの切実な願いです。

以下にその概略を掲載しておきます。

基本的に請願は、どなたでもできますが、署名と捺印が必要です。

知らないうちにTSUTAYA図書館建設が決まってしまい、反対の意志を表明する機会がなかった和歌山市民の方は、この際にぜひ参加されてみてはいかがでしょうか。

私のところまでメール(hina39@  空白削除  gmail.com)をいただければ、代表者の方におつなぎします。

よろしくお願いいたします。
















































《読みにくいので、↓テキスト化してみました》

新図書館システム導入反対の請願 

1.請願の趣旨 

新図書館のシステムにライフスタイル分類、Tカード利用の導入をしないでください

2.請願の理由 

1) ライフスタイル分類、Tカード利用を導入することは今の市民図書館のこれまでのシステムを変更することになり高額な費用を生じます。 

2) カルチュア・コンビニエンス・クラブは和歌山市民図書館の蔵書 43 方冊 のうち40万冊を日本十進分類法で、5万冊はライフスタイル分類を導入して二重分類にするといっています。

ライフスタイル分類は、カルチュア・コンビニエンス・クラブ運営の図書館の独自分額です。体系も企業秘密といって開示していない、ライフスタイルが変われば分類も変わると言っている本屋の分類で、探しやすい、図書館らしくなく親しみやすいといいますが、大きな欠陥は貸し出した本を元に戻すのが大変なことです。

全国3000余りの公立図書館はすべて日本十進分類法を使っています。和歌山市の小・中・高校の学校図書館も文部科学省が決めた日本十進分類法です。 図書館の間で行われている相互貸借のサービスも、和歌山市民図書館の選書基準も日本十進分類法が基本です。

日本十進分類法は、学間の体系をもとに長い年月をかけて構築されてきました。これは図書館の利用者のためのものです。一定の法則がないと膨大な本の中から素早く必要な本を探し出すことは難しく、子どもたちの調べ学習にもつかえません。 

3) Tカードの情報はカルチュア・コンビニエンス・クラブの関連会社が集約しており、個人情報が外部に出ています。和歌山市民図書館の利用者の個人情報を危うくするTカードの導入は公立図書館としてすべきではありません。

Tカードについては、図書カード、マイナンバーカードとTカードから選択できるとなっています。

図書館の説明では

「個人情報が漏洩しないかとの懸念がありますが、利用者がその同意に元づきTカードを図書館で利用した際には、初回は申込日、毎回の利用時には利用日の日時情報のみが図書館とカルチュア ・コンビニエンス・クラブのシステムの間で連携され、利用者の個人情報は確実に守られます」

と回答していますが、利用者の申込日、利用日時は個人情報であり、カルチュア・コンビニエンス・クラブのシステムに送信された時点 で個人情報は外部に漏洩しています。

4)新図書館に二重分類とTカードの利用を導入することは、30年のあいだ使われてきたシステムを変えることになります。将来直営に戻すことも視野に入れ、図書館運営の基本となるシステムは変えるべきではありません。




2019年1月7日月曜日

不動産屋さんとボク

 こんにちは、日向です
 本日は、ツタヤ図書館に関する話題はお休みして、不動産についての話を書きます。

 ツイッターの不動産関係者の投稿をみていたら、「深田恭子さんの新恋人に、あの不動産会社の若手社長」と「生活保護利用者の住まい」のニュースが同時に流れてきました。

 芸能人とのスキャンダルや、貧困ビジネスの温床になりやすい狭小アパートについてのニュースは興味深いものですが、一般人が不動産のしくみについて知ることができるプレーンな報道は、あまりおめにかかれません。その様子がこのふたつのニュースに象徴されているように感じました。


「不動産業界には、客観報道はない」
と思いませんか?

 あるのは、「大家さんになって大儲けする方法」とか、「はじめての一人暮らし入門」「持ち家VS賃貸どっちがトク?」【広告記事】などなど。不動産会社にとって都合のいい情報をならべたステマばかり目に付きます。

 定期的に発表される不動産動向のデータにしても、上がったときは派手に上昇率を出すのに、下がったときは「下落率縮小」など、戦争中の「大本営発表」かと思うくらい業界の利害を優先しているので、あまり参考にはなりません。

 いい部屋をみつけるノウハウ、家賃を安くする法、賢いマイホーム購入法など、タイトルとしては、雑誌やネットニュースにも、たくさんの不動産関連の記事をみつけることはできますが、それらもよく注意してみると、不動産業界の利害関係者のコメントを必要以上に頼りにした残念な記事ばかりです。

 その結果、なにが起きているかというと、結構な収入があり、決して世間知らずではない中堅サラリーマンが、おかしなアパマン投資詐欺に、いとも簡単にひっかかったり、

マイホームでは、バカ高い物件をつかまされたり、物件は良くてもローンの組み方が無茶苦茶だったり、賃貸にしても、明らかに家賃と物件価値がバランスを欠いていたり、

あげ出したらきりがないくらい、お金をムダに払っている人があとをたちません。

そうなるのは、仕方ないことなのかもしれません。ちゃんとした知識が流通していないのですから。

マスメディアは、プロの事業者を情報源とした記事を書きますので、刑事事件でもならない限り、不動産事業者サイドがいくらおかしなことをしても批判なんか一切しません。

大スポンサーである、大東K託とか、江井ブルとかが、トラブル起こしてもマスメディアは、まったくといっていいほど報じません。

 明らかに供給過剰に陥っているにもかかわらず、部屋を借りるのに、いまだに高額な敷金、礼金、仲介手数料等がかかるのに、店子は、疑問を持たないように“教育”されています。

人口減少社会では、年々空室率は高くなります。それによって、賃貸物件の市場性や流動性が著しく損なわれ始めていることに、プロの事業者たちも、うすうす気付いています。

借り手市場になれば、家賃は劇的に下がり、礼金や更新料など貸し手市場時代にできた慣習は次々となくなるのが、市場原理のメカニズムなのですが、なぜか現実は、そうなっていません。

不動産事業者は、自分たちの利益が減ることは、死んでもしません。もしなにか大きな変動があれば、オーナーだけがソンをするしくみになっているからです。

不動産事業者は、基本オーナーにはならず、コミッションフィー=手数料商売に専念します。不思議じゃないですか? 手数料商売なんてたいして実入りもないのに。

そこは、数がモノをいうんです。5%の管理費を取っていると、20件管理物件を持てば、一軒の賃貸物件を所有しているのと同じ収益をあげられる計算です。1円も投資せずに、もしものときのリスクもゼロで、です。だから、彼らは、自分では買わず、ひたすら人に買うことを勧めるわけです。



「更新料」は誰のためにある?


「大家さんとボク」が昨年ベストセラーになりました。大家さんとの日々の交流をほのぼのしたタッチの漫画で描いた世界は、日本人好みと言ってしまえばそれまでなんですが、立場や利害を超えて仲良くすることがなくなった、いまのご時勢だからこそ、ヒットしたといえるのかもしれません。

でも、仲良くすることを必要以上に優先していたら、立場の弱い人だけがソンをしてしまいます。

「大家さんとボク」は、一見して立場が真逆のように思えますが、実は、運命共同体なんです。

適正な家賃でより長く住んでもらえたら、大家さんとしても嬉しい限りです。店子さんとしても安定した生活基盤を築けます。なので、2年ごとの更新料なんてのは、大家さんからしても、どうしてもほしいものではありません。

大家さんにとっては、更新料もらっても、2年ごとに出ていかれるのではないかとビクビクするよりも、自動更新でそのまま長く住み続けてもらったほうがずっと安心です。その分、空室で無収入になる期間を短くできるからです。

更新料というのは、仲介する不動産会社のためにあるんです。2年に一度契約を更新する事務手数料をもらいたいですし、ただ長く住み続けられると客は減ってしまいますので、

2年に一度くらい引越してもらって、そっちで仲介手数料と大家さんからは広告宣伝料、保険料の代理店収入、リフォーム業者からのキックバック、鍵交換費、一括借り上げでしたら転居先での礼金なども不動産会社の貴重な収入源です。

賃貸で、そういう費用をただ言われるままに払っていたら、いつまでたってもお金なんてたまりません。少し収入がアップしても税金が高くなったり、家賃をあげられたりしたら、一生生活はラクにはなりません。

そこで、ズバリ、ゼニになる知識なのが、利用者本位の不動産ノウハウです。

拙著『家賃は、今すぐ下げられる!』は、そんな数少ない利用者本位の虎の巻です。

特別なことはなにひとつ書いてませんが、誰もが知っておいて絶対にソンはないというか、これから賃貸に住むときに確実に費用を抑える知識がテンコ盛りにしてあります。

ぜひ、一度手にとってみてください。


↓ダビンチ・ニュースで紹介していただきました。
知らなきゃ損する! 家賃をちょっとでも下げたい人のための交渉術

「大家さんと闘うボク」(1)
「大家さんと闘うボク」(2)
でも、本書の中身を解説しています。

『家賃は今すぐ下げられる!』



2019年1月6日日曜日

ISBNの謎・番外編

こんにちは、日向です。

先日書きました「ISBNの謎」について、追記を書こうとしたら、どこに書いていいのかわからなくなりましたので、新しいエントリーに書いておきます。

ネットオフが使用している、アタマ「978」だけを省略したの10ケタのISBN(便宜上「新10」と名づけました)について、他社はどこも使っていないと書きましたが、

では、「新10」のISBNから、目的の本検索できないのかというと、できなくはありません。

2016年10月に作成したメモには、以下のようになっています。


・新10で検索可能 hont 紀伊国屋 honyaclub netoff
・新10では検索不可 tsuyaya 7net 楽天books amazon 書協 bookoff

なあんだ、他社でも「新10」って、通用してるじゃあない?

そう思われたかもしれませんが、検索はできても、検索結果の書誌情報をみてみると、どこにも「新10」はみあたりません。

どういうことかといういますと、「978」を入れるのを忘れるか、間違って10ケタで検索した人でも、「もしかして、この本じゃあないですか?」と示してはくれるけれど、それを他社と共通の識別コードとしては使っていないということだと思うんです。

では、なぜネットオフは、「新10」なんていう亜流のISBNを使っているのでしょうか?

正直言って、まったくわかりません。

ただ、「新10」を採用するメリットとしては、新刊書店に古本を置いたときに、その区別ができるってことです。

ネットオフの業者用の導入事例(新刊書店に古本コーナー設置!)には、以下のような記述があります。


「古書」を導入する際に一番悩んだのがスタッフのオペレーションでした。現在の店舗運営にはPOSが必要不可欠ですが新刊書籍との区別や在庫管理をするうえでPOS登録が絶対条件になります。初期商材の登録が一番頭の痛いところでしたが、ネットオフさんの場合、JANによるデータ管理が徹底されているため初期商材の登録などもすべてお願いができました。

http://www.netoff.co.jp/corporation/intro.html#introCase02

これって、TSUTAYA書店の在庫と図書館の蔵書を区別するときにも、使えないですかね。

真相は、藪の中なのですが、いろいろと推理することはできますよね。

では、また。


追記 「JAN」は、本の裏表紙のバーコードで読み取る部分に印刷された13桁のISBN。古い本でも、チェックデジットはいまと同じ。これに「新10」を併記したのがネットオフの標準と思われる。(詳しくは「謎のISBNその(5)」を参照)

2019年1月3日木曜日

謎のISBN(6)市民への背信行為


こんにちは、日向です。

昨日は、駆け足で多賀城市のツタヤ図書館でみつかったISBNについての謎を5回にわたって振り返ってみました。

結論部分は、最後にさわりだけ書いておきましたが、もちろん、このあとが本論です。

すでに、ビジネスジャーナルに発表しているのですが、ネットニュースはあまり長すぎると読まれない等の制約があるため、該当記事では、結論部分も、できるだけ短くまとめられています。

そこで、今回は、かなり文体がしつこいのですが、短くする前の記事を以下に全文を掲載しておきます。

なお、誤解のないように、あらかじめお断りしておきますが、以下の内容は、図書館に古本を入れることの是非を論じたものではありません。

あくまで「新刊リスト」と称した中に存在した古本ではないかと疑われるISBNについて調べたものであることを付け加えておきます。(記事内容は、すべて2017年当時のデータに基づくもの)

よろしく御願いいたします。




CCCからの回答


 ここまで信憑性が高まれば、あとは、当事者を直撃するのみである。
 そこで、まずCCCに対しては、「多賀城市立図書館の新刊選書リストに中古が混入している疑惑がある」ことを伝えて、「新刊に中古が混入していないか確認してほしい」と問い合わせてみた。

また、今回の多賀城市立図書館の開館準備において、どこから何冊購入したのか、その詳細をすべて開示するよう求めた。

 しかし、同社からは、「そのような事実は、ございません」、購入先の詳細についても「お出しすることはできません」と、にべもない回答がきたのである。


 違法行為の疑いをかけられている当事者だから、そのような回答になるのは、ある意味、仕方ないのかもしれない。これは、予測通りである。

 むしろ事実解明のカギを握っているキーマンとして期待していたのは、市教委が新刊の購入先として明確に認めていた専門企業のTRC(図書館流通センター)である。


第三者には開示しない

 同社には、新刊に中古が混入している疑惑があり、その証拠となるデータを確保したことを伝えたうえで、「CCCは、多賀城市立図書館の新装開館用に、新刊を約2万冊購入したとしているが、それは事実か? また、それについて最終的な購入冊数を開示してほしい」と問い合わせてみた。

 もし、同社が「いえ、うちは1万冊しか売ってません」と答えれば、「新刊」と称して「中古本」を1万冊購入したことになる。さらには「一冊も売ってません」となったら、「疑惑」ではなく、犯罪行為が完全に立証されたことになるのだが…。

 TRCからの回答は、驚くほどアッサリしていた。
「確かに、CCCから発注を受けて、多賀城市には2万冊以上入れています。昨年11月くらいから発注を受けて、今年2月末までに、装備も終えてすべて納本を完了しています」(広報部)

 具体的に、何冊納本したのかなど、それ以上詳しい取引内容については「注文内容を第三者に伝えることは、信用問題になる」とのことで、開示を完全拒否した。しかし、多賀城市では、平成27年度に、閉館前の旧図書館でも蔵書購入していたため、「2万冊以上」というだけでは、CCCが潔白である証明にはならない。また、詳細データが開示されなければ検証もできない。


 東京の図書館をもっとよくする会の池沢昇氏は、この結果を次のようにみる。

「TRCが真実を述べていることの蓋然性は、高いと思います。11月というのは、教委選書の第1回目の新刊発注(第4回選書リスト)の時期と符合します。納入冊数も符合します。ただ、古い本が多いため、絶版・品切れで新刊書の入手ができないものも多く出ています。納品された本のすべてが新刊書なのか全く分かりません」

 では、あれだけネットオフのデータと酷似していた選書リストは、どうとらえればよいのだろうか。池沢氏は、ここから、とんでもなく非・常識なストーリーを述べ始めた。

「ネットオフは、リストが整備され、チェックするだけでリストを作りだすことができますので、そこにチェックを入れて選書リストを作らせ、TRCに発注したんだろうと思います」


中古リストで新刊購入



 耳を疑うような発言である。なんとCCCは、中古書店の在庫データを元にしたリストを市教委に承認させたうえで、こともあろうに、それで図書館のプロであるTRCに投げて、新刊を発注した可能性があるというのだから。


もし、それが事実だとしたら、中古リストで新刊を買うなんて、いまだかつてどんな図書館でも手を染めたことのない、「市民への最大級の裏切り行為」ではないか。

 前後の状況を考えれば、あながち荒唐無稽な話とは言えず、むしろ、それによって、これまで不思議に思ってきたさまざまなことが、腑に落ちるようになってきた。


 2015年1月にCCCが見積書を提出した時点では、追加蔵書購入数は3万5000冊で、新刊と中古は、それぞれ1万7500冊ずつ。新刊・中古の割合は半々だった。

 その後、なぜか方向転換され、第一回めの選書リストが市教委に提出された6月時点では、

「新しい本6割程度(2万1000冊)、中古本4割(1万4000冊)」

と、新刊部分が3500冊も大幅に増えていたのである。(市教委が、あえて「新刊」とは言わず「新しい本」としているところに、何か別の意図があることも見え隠れする)

 市教委とCCCとの間で、いったいどんなやりとりがあったのかはわからないが、ただでさえ、短い期間に新刊を大量に手配してしていかねばならないときに、突然何千冊も新刊を増やすことになったのだから、CCCとしては、たまったものではなかっただろう。

すでに選書リストは、ほぼ準備されていたはず。いまさら、新刊の選書リストをゼロから作成していたのでは大変な作業だ。それより何より、図書館に入れる新刊を大幅に増やすとなると、併設の蔦屋書店の売上に大きな影響を与えかねない。

 そうしたなかで行われたのが、一度宙に浮いてしまった中古本の選書リストを捨て去るのではなく、後半の新刊編の選書に、無理やり突っ込む方法ではなかったのか。

 そう考えると、「新刊なのに、なぜこんなに刊行年が古い本が多くあるのか」「なぜこんなに魅力のない売れ残り本が多いのか」など、それまで疑問に感じていたいくつかのことの説明がすべてつく。

高い金を使って安物を買う


 もし、CCCは、中古書店の在庫リストを元に選書しただけで、実際に購入したのはすべて新刊だったとしても、それをもってして、偽装はなかったのだから、コンプライアンス上は「まったく問題なし」という意見を池沢氏は、厳しく批判する。

「CCCの新刊選書のほとんどを、新古書を対象に行ったのではないかと思います。高い金を使って安物をかったことになります」

 鮮度の高い新刊を大量に入れる絶好のチャンスだったにもかかわらず、それをいとも簡単にフイにし、わざわざ古本屋の在庫リストから選んだようなばかりを、新刊で注文していたとしたら、市民に対する背信行為ではないだろうか。


 リストでは、100円未満の価格がついていたものも、片っ端から2000円で買ったケースも数多くあったのかもしれない。

 いずれにしろ、市民にとって残念だったのは、新図書館に、書店に並んでいるのと同じような新鮮な新刊が大量に配架される情景が、きれいに消え去ったということである。

 逆の立場からみれば、中古リストで新刊を買うことで、図書館の蔵書と書店の陳列商品との差別化がしっかりとでき、併設の蔦屋書店への影響を最小限抑えることにCCCは、見事に成功したとも言えるのだろう。


 もし、図書館側に、住民ニーズのより高い最新刊が2万冊も入っていれば、新刊書店の魅力は、相当に色あせていたはず。図書館は、カフェの借景としてお洒落な空間を演出してくれれば、それでいいのだから。

新刊なのにまるで中古本


 そこで、筆者は、再度CCCに対して「ネットオフ中古データを元に選書したリストによってTRC等に新刊の注文を出したのではないか」という内容の質問をしたところ、「いただきました件ですが、事実ではございません」とだけ返答があった。

 また、ネットオフを運営する(株)リネットジャパンに対しては、CCCから発注を受けて多賀城市立図書館へ納本した事実や、詳細な納本冊数のほか、選書リストの元となるデータを作成したのかどうかなどを問い合わせたが

「取引相手方であるCCC様や関係各所への確認がが必要のため、もうしばらく時間を頂戴したい」という主旨の返答があったきり、その後、音沙汰なしだった。

 CCCがネットオフの中古データをもとに新刊を選書したのは、まったくの事実無根だったとしても、新刊なのにまるで中古本のような選書になっているのは、まぎれもない事実である。


 下の表をみてほしい。第8回選書リスト中にある「ビジネス」の一部を抜き出したものである。刊行年後5~10年以上経過したものがズラリと並んでいる。かつて話題になった本が多数含まれているが、数年では古さを感じない「文学」などと違って、「鮮度が命」の「ビジネス」にとって、刊行年の古さは致命的だ。




 おそらくこれだけ古いビジネス書を新刊で新たに大量購入する図書館は、日本全国どこを探してもほかにはないだろう。古くなった本を廃棄する「除籍リスト」と言っても通るというのは、さすがに言いすぎすかもしれないが、「古本屋の店頭在庫」に酷似しているのは確かである。


 新刊書籍を販売している蔦屋書店の在庫とできるだけかぶらないよう、図書館の蔵書に書店にはない新刊を大量に選書しようとしたら、自動的にこうなるのだろうか。もし、図書館に入れる追加蔵書の新刊2万1000冊すべてを最新刊にしていたら、蔦屋書店との違いがまったくわからなくなり、同じ施設内での書店経営は成り立たないのかもしれない。


 追加蔵書購入の原資は、市民が納めた税金である以上、CCCは、これらの疑念を晴らすべく、図書の詳細な納本状況について積極的に情報開示すべきである。




 CCCが運営するツタヤ図書館については、13年の武雄市図書館、15年の海老名市立中央図書館と続いた2例ともに、さまざまな不祥事や疑惑が次々と報道されているが、個々の案件について市当局、指定管理者ともに、市民に対しての説明は不十分で、結局すべてのことがうやむやのまま今日まできてしまったと感じている人は少なくないだろう。

 それにもかかわらず、同社は、岡山県高梁市を皮切りに、山口県周南市、宮崎県延岡市と、新たに公共施設の指定管理者としての運営を開始することが決まっている(延岡市は、図書館ではなく、ブックカフェ)。今後も、ツタヤ図書館は、全国各地で増殖することが予想され、いずれあなたの街の図書館も、突然「ツタヤ化」される日が来るかもしれない。決して、ひとごとではないのだ。

 あなたは、地元に作られた新しい図書館が、見た目がいくら素晴らしくても、市民に対して説明責任を十分に果たさない事業者に運営を任せることを是とするだろうか。(了)

追記 その後CCC指定管理の図書館において、中古本が選書された事実は確認できていない。










謎のISBNその(5)

謎のISBNその(4)からのつづきです。


 現在一般的に流通しているのは、13ケタのISBNです

 201512CCCが多賀城市教委に提出した新刊の選書リスト中には、どういうわけか、その標準ISBNの冒頭3ケタ「978」(出版物を意味する)を省略しただけの10ケタISBN(以下「新10」)が大量に記載されていました。

 それらを、ネットオフで検索してみたところ、商品ページには、
同じく「新10」が表示されていたのでした。

 一方、選書リストで13ケタや古い10ケタのコードが記載されている箇所を一部抜き出して、検索してみたところ、それらの表記も、ネットオフでもほぼ同じでした

 さて、ここからは、いよいよ核心部分に入ります。

 その前に、ここに書いた多賀城選書に関する内容は、私が2016年秋から2017年にかけて取材した内容をもとにしていますので、ネットオフ等、書店の販売状況は、現在とは異なるかもしれないことを、あらかじめおことわりしておきます。


 ネットオフの販売ページをみると、書籍データは、13ケタと10ケタのISBN併記が標準です。

個々の書籍データ販売ページには、ほとんどが「TSUTAYAで新品を購入」ボタンがあり、それをクリックすると、TSUTAYAの新刊販売サイトにジャンプするようになっていました。



2016年10月頃のデータ


このとき、両社は、資本関係にはないようでしたが、データだけは、そのときまでは、緊密に連携していることがわかりました。

これらの結果を総合すると、多賀城市立図書館における選書リストの一部がネットオフの在庫情報をもとにしているのか、あるいは、ネットオフ自身がCCCから依頼されて図書館の選書リストを作成したのではないかという可能性が俄然高まったのです。

さて、ここからは、ビジネスジャーナルにも書かなかった、ネットオフについて調べた内容を記しておきます。




武雄市の元祖ツタヤ図書館の古本騒動のときには、とんでもなく古い実用書が多数含まれていたことから、その仕入先として注目を集めたネットオフの在庫も、それと同等ではないかとみられました。

ところが、実際に同サイトの在庫を詳しくみてると、そんな先入観がたちまち吹っ飛びました。


 本のほかにCD、DVD、ゲームソフト、ブランド品も扱い、在庫点数は、常時100万点。(2016年)10月末現在、同店がamazon.co.jpに出品している商品は、およそ42万タイトル。うち33万タイトルが「本」である。多賀城市立図書館の蔵書数23万冊よりも多いのです。

 それだけの在庫をサッカー場と同規模の広さを誇る専用倉庫に保持し、注文された商品は、48時間以内に全国発送可能としています。(「購入時に倉庫見学できるか?」と問い合わせてみたところ、「それは対応できない」との回答でしたが)

 自社サイトのほかに、楽天、ヤフーにも出店。42万点を出品するアマゾンでは「マケプレアワード最優秀賞」を受賞するほどのプレゼンスを確保しています。

 「宅配買取」等で毎日、6000冊もの本がダイレクトに届くだけあって、その価格の安さや新鮮さも目を見張りるものがありました。

「毎日が激安108円から」の「料理・趣味・児童」分野をみてみると、2014年~2015年刊行のものだけでも、ざっと200冊近くもの商品がゾロゾロ出てくるから驚きます。

「新刊」と言われても気づかないでしょう。武雄市図書館で問題になった、極端に市場価値の低い本の供給元とは、とても信じられないほどです。


 同店の大口顧客(古本屋、漫画喫茶)向けの法人営業部門に、リストまで作成してくれるかを問い合わせてみると、なんと、こんな答えが返ってきました。

「小説がほしいとか、ビジネスがほしい、単価は200円以内でなど、お客さまのニーズをお聞きして、それに合ったご提案をさせていただくことはできます。もちろん、ご購入いただいたものについてはタイトル、作者、JAN(バーコードの規格)、ISBNが記されたリストをエクセルデータでご提供することも可能です」

さて、ここまで調べて私が出したのは、以下のような結論でした。

ネットオフのような大量在庫を抱えた店舗を利用して、趣味・実用書を多数取り揃えるとしたら、決して、武雄市で発覚したときのように、極端に市場価値の低いものばかりにはならない。

そうなったのは、新刊書店の売り場の棚のラインナップにできるだけ影響を与えないよう、価値の低いものだけを図書館に入れるという明確な意思を誰かが持っていて、それを実行したのではないか。

いよいよ、CCCに証拠をつきつけた
謎のISBN(6)市民への背信行為」につづく