2019年1月13日日曜日

コピペ疑惑の図書館計画(1)

こんにちは、日向です。

昨日、書店に立ち寄ったら、百田尚樹氏の『日本国紀』が大量に平積みされていました。

同著については、ウィキペディアなどからコピペされているのではないかと指摘される箇所が多数みつかっており、そういう書籍がベストセラーになるというのも、なんだか釈然としませんよね。

さて、ツタヤ図書館においても、コピペ=著作権侵害に関する事件は、過去に2回ありました。

まず最初は、2015年12月末に、新装開館したぱかりの神奈川県海老名市立中央図書館で起きました。

公式サイト上で、お正月イベントを告知した文章と画像が、他社のものを無断でコピーしていたことが発覚。指定管理者であるTSUTAYAの本部CCCは、すぐに該当箇所を削除して、「お詫び」文を出ししました。

この事件は、新聞等でも広く報道されましたので、ご存知の方も多いと思うのですが、その翌年3月に、ツタヤ図書館としてオープンした宮城県多賀城で起きた事件は、あまり知られていません。

実は、多賀城市の事件ほうが、謎が多く、不祥事としてははるかに根深い要素をはらんでいるのです。




コピペだらけの公文書





問題になったのは、多賀城市が2013年11月に発表した「第二次多賀城市立図書館基本計画」(以下「基本計画」)と題された文書です。

この文書の発表直後、多賀城市の教育委員会は、市立図書館の運営を全面的に民間に任せる指定管理者制度の導入を決定。翌年の2014年5月に指定管理者にCCCを選定しています。

そうした一連の民間委託プロセスを決定していくためには欠かせない公文書なのが「基本計画」。それを、なにげなくパラパラとめくってみていくと、途中からひどい違和感を感じたのが、この事件について調べるきっかけでした。

「違和感」の正体は、カタカナ語まじりの独特の軽い文体です。

公文書では普通こんな書き方は絶対にしないだろうなと思えるような表現が随所に出てきました。そして、そのなかには「あの本にと似ているな」と思う箇所が続出したのです。

そう思って取り出したのが、図書館関係者なら知らない人がいないほど有名なイタリアのアントネッラ・アンニョリ氏の『知の広場』です。

旧来の図書館像にとらわれず、新しい市民のための情報基地になるような図書館を提唱している本なんですが、多賀城の基本計画は「もしかして、この本からのパクっているのではないか」と思い始めました。

早速、気になる箇所を抜き出してみると、予想は的中!

下の表をみてください。赤い箇所が両者の酷似箇所です。


最初のほうは、文章の主旨だけマネて、文章そのものは換骨奪胎していますので、「コピペしている」とまではいえないかもしれないのですが、次第になかを読み進めていくにつれて、ほとんど一字一句に近いレベルまで似た表現が使用されていました。

この対照表、大雑把にめだつところだけを抜き出したものですので、精査していけば、さらに酷似箇所は多数みつかるのではないかと思います。

この事件の概略は、3年前ビジネスジャーナルに発表しましたので、そちらをお読みいただくとして、記事のなかでは十分にふれることができなかった謎について、次回以降詳しくふれていきます。














































コピペ疑惑の図書館計画(2) につづく

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