2019年5月31日金曜日

ようこそ、“TSUTAYA小学校”へ

こんにちは、日向です。

昨日書きました和歌山市がCCCに学校図書館の運営まで、正規の手続きを経ずに丸投げしようとしている件ですが、

地味な行政手続き上のことが主題になってきますので、あまり面白くないというか、どうでもいい話に聞こえるというか、なかなか理解されない話なのではないかなと思います。

だいたい、学校に人を派遣するとなると、CCCにしても余計に人件費がかかるので、心配するほどのことではないと思われるかもしれません。

できるだけ安い時給で雇用して、その人を民業である蔦屋書店の店員と兼務させることで、合法的に自社のビジネスに公共のカネを入れることができるのですから、

それとは別に人を雇って学校図書館に派遣するなんて、やりたがらないのではないかなと思う人も多いでしょう。

でも、考えてみてください。

学校という教育現場は、事業者にとっては間違いなく「ラストリゾート」です。

そこに入り込むことができれば、そこから学校施設の運営や教師の派遣、生徒に配布する電子端末など、ありとあらゆるものをビジネスにできる余地がみえてきます。

極端な話をすれば、

将来、学校そのものを指定管理にして「TSUTAYA小学校」とか「TSUTAYA中学校」とかの展開も、決して絵空事ではないと思うんですよ

そのときに、教育委員会とか、しちめんどうくさい機関の承認を経ていたり、議論されたりするのって、事業者にとっては、ただのコストでしかないわけです。

なので、教育委員会はできるだけ飛ばしたい。できれば議会も飛ばして、首長が旗振りさえしてくれれば、実現できるところまでもっていきたいと事業者は、考えるわけです。



役所の窓口が違法認定


いまや役所の業務のほとんどに民間企業がすでに入り込んでいます。

数年前に、話題になったのが、戸籍窓口の民営化です。

東京のある区で、ある大手事業者が受注してはじめたところが、まもなく、労働局の立ち入り調査が入って、是正指導されてしまいました。

人材派遣ではなく、業務委託ですから、課の上司が指示命令なんかしたらダメなんですが、そこでは、難しい案件では、「エスカレーション」と言って後ろの指示を仰いでいたんですね。

そうなりますと、“偽装請負”と違法認定されてしまいます。

住民票の発行などと違って、戸籍業務というのは、個人情報の塊ですし、役所の対応でも細心の注意を払わないといけない部署なのですが、そこを民間に任せてしまったんです。

結局は、違法認定されてしまって、断念したみたいですが、もし、役所を丸ごと指定管理にしてしまえば、そういう心配もなくなるわけです。

そこまでいかなくても、もしこの事業者が戸籍業務の受託で“成功”をおさめることができていれば、その実績を武器にして、全国の自治体で新たな業務を受託できたはずです。


都内の某区が労働局に是正指導されたときの指導書。当時、役所が違法認定されるという前代未聞の出来事に、役所内は騒然となった


学校も同じで、経営を丸ごと民間企業に任せてしまったら、事業者はビジネスチャンスは増えまくりですし、政治家は、お礼に献金してくれる業者がいてウハウハですし、官僚もそういう民間委託を成功させたものほど出世するようです。

まさに、こういうのこそ、みんなが利益を得る「winwin」と呼ぶのでしょう。唯一のloser(敗者)は、市民なんですが。

なので、学校図書館への参入なんてのは、CCCみたいな企業にとっては、“TSUTAYA小学校”への一里塚になるかもしれません。

気が付いたら、生徒全員がTカードを持ち、Tカード番号で成績が管理されたり、校長にはTSUTAYAの店長が派遣されてきて「サービスよくなったね」なんて保護者から喜ばれたりするかもしれません。

実際に、2013年にツタヤ図書館になった武雄市図書館・歴史資料館が、当初、指定管理料金を安めに設定して


「直営よりも運営費は安くなった」
【1】

と、大ウソ言っていたのは、そこでは儲からなくても、一度成功モデルらしきものを構築してしまえば、あとは、その嘘八百の宣伝に騙された自治体を次々とカモにできるからでした。

ちなみに、騙された自治体は、みんな直営時代の2倍の運営費がかかるようになりました。【2】

そのことは、すでにCCCがこれまでの事例で実証済みです。

なので、教育現場への民間事業者の参入というのは、よほど注意しておかないと、あとで取り返しのつかないことになりかねないと考えているわけです。

【1】武雄市図書館・歴史資料館が2013年にツタヤ図書館として新装開館した当初、CCCに支払われる指定管理料は、図書館単独で年間1億1千万円。直営時代の1億2000万円よりも1000万円運営費用が削減できたとされていたが、直営時代の費用は、併設されている歴史資料館の運営費4000万円も含めた金額だったことを考慮すると、実質的には新装開館時点でも、3000万円運営費用は高くなっていたことがあとで判明した。

【2】海老名市 直営時代1億6000万円→CCC指定管理3億3000万円 多賀城市 直営時代1億2000万円→CCC指定管理3億8000万円



校長先生、それ違法ですよ!』へつづく

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2019年5月30日木曜日

根拠は7文字

こんにちは、日向です。

さきほど、速報としてアップしました和歌山市の学校図書館の件ですが、

詳しい情報がわかりましたので、再度、修正及び整理しておきます。



来年度から、CCC指定管理になった市民図書館のスタッフが全校回ることになった

と書きましたが

これは、教育委員会事務局の学校担当部署の認識でした。

現在、CCCと直接やりとりをしている市民図書館担当者によれば、以下のようなことだそうです。


市内全校に市民図書館スタッフが回るわけではない
とりあえず、モデル校を数校決めて、そちらでテストしてみてその結果によって、何校回るかは決めていきたい
 

モデル校をどこにするかも含めて、これから教育委員会で検討していく 

今期から始めたいが、市駅前に10月予定だった新しい市民図書館のオープンが遅れているので、学校図書館への司書派遣も遅れている

ということでした。微妙にニュアンスは違いますが、見切り発車のような形で始めることは確かなようです。

で、私がこの件で、何に注目しているかというと、

学校図書館を指定管理者のCCCに任せることについて、教育委員会はもちろん、経済文教委員会や議会でも、キチンと議題にあがって議論されたことは一度もなく、なんとなくスルスルっと、市民にはナイショで決めてしまっていることです。


さすがに、予算が通らないと何もできないので、教育委員会と議会の承認はあるんだろうと思っておりましたところが、まったく何の手続きも経てませんでした。

いや、そんなことは実務上不可能ですよと、行政に少し詳しい人であれば、鼻で笑うんでしょうけれど、これが本当になにもないんです。



オマケで学校も面倒みて



カラクリは、指定管理の契約です。

1.学校図書館に関しては、指定管理料の範囲内でやってもらうとのことなので、特段予算を通す必要はない

2.議決については、指定管理者の募集要項に付属している業務水準要求書に明記してあるため、応募者は、あらかじめそのことを承知したうえで応募している

3.学校図書館に司書を派遣することは、経済文教委員会でも今年3月にちゃんと説明している

ということでした。


ところが、調べてみますと、どれもが

「いくらなんでも、そう強弁するのは、無理があるだろう」

という根拠なんですよ。

まず、2については、下をみてください。これがその「業務水準要求書」です。図書館サークルのメンバーが市民図書館の担当者に説明要請したときに渡されたものです。(ほかの市民の方が情報開示請求して出てきたのもコレ)




「イ 児童サービス」の下に、下線ひかれていて、ちょっとよみにくいですが

「学校等との連携」という7文字が読めます。指定管理者募集のときに、これをみて「そうか、学校図書館に司書も派遣する業務も含まれているんだな」と応募する人が理解しているはず、

選定した和歌山市も、学校との連携を含めた業務を担当する指定管理者に対して、教育委員会も議会も承認を与えたのだから、なんの問題もない

という主張でした。


3の委員会での説明については、今年3/7の経済文教委員会会議録に、以下のような発言がありました。

「棚の改編や読み聞かせの会、お話会、事業に即したブックトークのようなものを学校と相談しつつ、させていただけたら」




と、N副館長【1】が、質問のあった戸田委員、そうです「まるでCCCの営業マンみたい」と言われるほどTSUTAYA推しのあの戸田市議に回答しています。

学校図書館について、少し知っている人ならば「棚の改編」は別にしても「読み聞かせ」「お話会」「ブックトーク」なんてのは、別に学校図書館に司書を派遣していない自治体でも、公共図書館が地域活動の一貫として、ふつうにやっていることですね。

これらの業務にとどまるのならば、「学校等との連携」の範囲内で、CCCと詳しく協議する必要すらなく「仕様書に従ってやっといてね」の一言で終わるはずじゃあないですか。

それが、関係者の話をいろいろとお聞きしていると、市民図書館側がCCCと交渉して御願いをしているとか、速報で述べた教育委員会事務局の学校担当部署の認識のように「現在は、非常勤職員1名が担当している業務を、市民図書館から司書を派遣して」というような話になっているんです。

いつ、何をどこまでやるのかという具体的な話を聞きますと、すべて「現在検討中」と逃げられてしまっていますが、そもそも市民図書館本体において、絶対に欠かすことの出来ない「教育委員会の決済」すら、「教育長臨時代理」という超裏ワザを駆使して決済した【2】和歌山市ですから、またかいなという気がします。

それにしても業務要求水準書に「学校等との連携」という7文字があることだけを根拠に、実質的には一切なんの手続きも経ずに、あのCCCに学校図書館を任せるなんてことができるというのが、あまりにも凄すぎると思いました。

また、なにかわかりましたら、のちほどレポートします。


【1】N副館長は、和歌山市民図書館では、数少ないベテラン司書として将来が嘱望されていたが、有馬局長と同様にこの3月で定年を前にして退職したとの情報あり

【2】以下を参照

火種くすぶる和歌山市・ツタヤ図書館騒動の新疑惑ーー教育委員会「秘密会」での承認は有効か?


ようこそ、“TSUTAYA小学校”へへつづく

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教育現場の“Tカード汚染”

こんにちは、日向です。

速報なんですが、

以前からウワサになっていた和歌山市の学校図書館をCCCに任せる件、どうやら、ほぼ内定しているとの確認が取れました。

私が聞いたところでは、


現在、市内の学校図書館は非常勤の司書1名が3校を巡回している

来年度からは、市民図書館のスタッフに全校の図書館を回ってもらう方向で現在検討中

ということらしいです。

来年度から、市民図書館の指定管理者は、TSUTAYAの親会社CCCになることが決まっていること

は、担当部署でも、認識されているようですので、

結論を言えば、


来年度から、和歌山市内の学校図書館の運営は、すべてCCCに任される

ということが、ほぼ決まってしまったようです。


「みなさん、Tカードって知ってますか?」

とか、教室で先生がTポイントを推奨したりしたら、どうするんでしょうか?

数年前、ツタヤ図書館第1号である武雄市が、全児童にTカード申込書を配布して激しい非難を浴びましたが、その「悪夢」が現実になりそうで、怖いですね。

残念ながら、和歌山市では、いまだに市民図書館が来年からツタヤ図書館になることすら、知らない人がほとんどです。

ぜひ周りの人にも知らせてください。

よろしくお願いいたします。

根拠は7文字』 へつづく



ツタヤ図書館、市が全小学生にTカード加入の勧誘疑惑?教育委員会「問題ない」








2019年5月28日火曜日

123億円はどこに消えたのか?

こんにちは、日向です。

和歌山市駅前に現在建設中の新しい市民図書館のオープンが当初の予定よりも大幅に遅れるのではないかとの情報が流れてきました。

和歌山市の正式な発表ではないんですが、地元メディアの報道が、いつのまにか「今冬オープン」から「今年度中」に変わっていますので、おそらく「来春オープン」ということになるのだろうと、勝手に予測しているところです。

それを受けて、ウォッチャーからは(遅れているのは)


「五輪の影響では?」

との声が出ていましたので、地元の人に聞いてみましたところ、


去年の台風被害の復旧工事がまだ終わっていないので、そちらではみなさん忙しいようですが、(再開発で忙しいとは)聞いてないですね。

とのことでした。

ご他聞に漏れず、和歌山市でも、市駅再開発の施工は、ゼネコン(竹中工務店、南海辰村建設、浅川組のJV)が受注しています。残念ながら地元業者は、蚊帳の外のようです。(5/29追記 浅川組は和歌山本社でした。失礼しました)

下請けで入るというのは、もちろんあるのでしょうけれど、内装を落札したのも南海電鉄の付き合いのある大手業者((株)スペース)なので、上からしたたり落ちてくる仕事は、少ないんだろうと思います。

勢い、ゼネコン頼みとなりますと、五輪の影響は避けられないところでしょうから、今回の遅れも、ゼネコン頼みのしわ寄せが来たということは、おおいにあるのではないかと思いました。

CCC仕様のTSUTAYA図書館は、テーブルやイスなど家具ひとつとっても、すべて特注品です。CCCの空間設計とデザイン料が載ってますので、委託料金はバカ高いのに、専門業者に発注されて、地元には仕事はほとんど来ないという、おかしなことが起きてしまいます。

周南市では、「地元業者に発注しないのはおかしい!」と、議会でやり玉にあげられましたが、和歌山では、そういう議論すら、市議会でこれまでありませんでした。

一般質問でどなたかが「地元業者にも発注するようにしてもらいたい」と市長に気弱に要請しただけだったみたいです。

でも、最初に、市駅再開発が「総事業費123億円」と、聞いたときには、おそらく、市内の施工業者の方もおおいに期待したんじゃあないかと思いますね。

2014年8月に、ハコモノ大嫌いの前市長から、“アベノミクス万歳”の現市長に変わったときには、地元の業者さんたちも、集票マシンとしてフル稼働されたんじゃあないかと思います。それが、まさか、ここまで酷いとは思いもしなかったはず。


CCCだけにカネが落ちるシステム


となると、あとは“賑わい創出”に期待するしかないですが、

「関西初出店のツタヤ図書館!」としてオープン直後は「〇か月で100万人達成!」とか、また無料宣伝記事があふれるでしょうけれど、

これまでの事例をみていれば、来館者が駅前周辺商店街を回遊するなんてことはなくて、駅ビル直結の施設で、スタバのコーヒー片手に、空箱のダミー眺めながら雑誌をパラパラめくるだけで終わる危険性大ですね。

その結果、「CCCだけが儲かる」という実に珍妙な現象が起きてしまうかもしれません。

多数の来館者がカネを落とすのは、蔦屋書店のグッズとスタバの飲食くらいでしょう。図書館機能のほうは、これまでの事例をみる限り、相当に悲惨なことになるのは、目に見えていますね。

それでいて、市内の老舗書店が立ち行かずに廃業したり、多賀城のように図書館がヤンキーのたまり場になったりしますと、心ある利用者は、みんな逃げてしまいます。

幸い、和歌山市には、県立図書館がありますので、落ち着いて図書館を利用したい人は、そちらに移るのではないでしょうか。

総事業費123億円、補助金総額64億円、公金94億円、和歌山市民負担34億円、指定管理料年3億円という、莫大なおカネがCCCとそのお友達たちにザクザクと流れてはいきますが、和歌山市民には、ほとんど還元がないとしたら、本当にバカげたプロジェクトではないでしょうか?

そういえば、昨年、延岡市では前市長が落選しましたし、周南市でも先月、前市長が落選しています。どちらもCCCを誘致した市長です。

市長選では、ツタヤ図書館は争点にすらならなかったと記憶していますが、おこぼれにすらありつけなかった地元業者の不満が相当にたまっていたのが、この結果につながったのではないでしょうか。

そういう意味では、今後は、海老名市等、ほかの自治体の市長選も、その推移を見守りたいですね。

では、また。

2019年5月26日日曜日

色めき立つ人事報道

こんにちは、日向です。

先月は、和歌山市がCCCを指定管理者に選定したときの選定委員だった市幹部の退任について書きました。

ツタヤ図書館関連で人事の話は、過去にも、二回書いています。

いずれも、CCCの選定に関与した人物が、役所を退職後、CCCに入社するのは、官民癒着を疑われかねないので、いかがなものかという主旨で書いたものです。

こういう人事に対する批判は、日ごろから役所と親密な人間関係のある地元メディアは扱いにくいネタなので、ネットニュースなどにはもってこいの内容だと思うのですが、

他のネットメディアが取り上げた同様の人事関連のニュースで、一度だけ、非常に不可解に感じたことがありました。

具体的に指定してしまうと、いろいろとアレなので、ぼかしておきますが、

3年ほど前のことです。ある指定管理者に勤務していた図書館長が、突然、健康上の理由で退職することになったというニュースが報じられました。ウォッチャーの方でしたら、

「ああ、そういえば、ありましたね」

と、すぐに思い出されるニュースだと思います。

で、なにが不可解かといいますと、


・市教委によれば、館長の退職はまだ確定していない

・いま慰留しているところで、残ってくれる可能性もある

・雇用している指定管理者側は、その事実を認めた

--ということなんですよ。

そこで、私も図書館関係者の方に聞きました。

すると、やっぱり、これはおかしいニュースだというんですね。

だいたい、辞意を表明しているという段階で、こういうニュースが出るというのは、異例ですよね。

政権与党の幹部とか、大臣とかでしたら、「辞意を表明しているらしい」ということでもニュースバリューはあると思うんですが、

いくら話題の図書館だからといって、地方自治体が民間に指定管理させている図書館の館長が辞意を表明しているというのがニュースになることは、ふつうはないと思います。

図書館関係者の方が指摘するところによれば、


・雇用主でもない市教委が「認めた」とか「慰留している」のは、とてもヘン 

・雇用主の指定管理者が、アッサリその事実を認めているのなら、それは、ほぼ決定事項ではないのか 

・これは、ライバル企業によるリークではないか

--ということでした。

で、何より、いまその記事を改めて読んでみますと、記者の署名あるんですが、私の記憶では、この記事が出たときには、記事冒頭に署名はなく、末尾に、よくみると署名らしきものがありました。

この記者の方、図書館界では有名な方です。

おかしいですよね。

いや、オマエなにがいいたいんだよって、そろそろみなさんイラついておられると思いますので、結論を述べますと、


・この図書館での館長人事は、実質、市教委側が決めているのではないか 

・雇用主の指定管理者は、市教委が推薦した人をただ受け入れているだけではないか 

・市教委は、指定管理者のお目付役として、自分たちの組織から人を送り出したいと思っているのではないか 

・指定管理者も、市教委が推薦してくれる人を受け入れておくと何かと融通がきいて便利だと思っているフシがある 

・そういう諸々の事情を知っている誰かが、この情報を流して、その意向を汲んだのかどうかわからないが、この記者が取り上げた

ライバルの悪評などを意図的にリークするというのは、どこの世界でも、よくあることなので、とりたてて、このニュースの報じられ方がおかしいなどというつもりは、ありませんが(正直言うと、ほんの少しあります)、

このニュースには続報もなく、事実がどうだったかも結局わからずじまいで、消化不良のまま終わりました。

そんなこと言うなら、オマエが書けよとおっしゃられるかもしれませんが、この直後、翌年2月にオープンする高梁市で「市教委から館長に天下り」の情報が入ってきまして、それどころでなくなっていました。

加えて、ちょうどCCCによる選書問題にからんで新たな疑惑を調べている真っ最中で、TRCやネットオフの運営会社に事実確認を要請したりしていましたので、そのことで頭がいっぱいだったんだと思います。

ちなみに、このときに書いた“CCCの新たな疑惑”記事は、諸般の事情で1年近くお蔵入りすることになりまして、翌年の2017年8月末に『出版ニュース』の巻頭記事で発表することになりました。

ところで、件の館長退職後の人事ですが、しばらくして調べてみましたところ、退職した館長の後任も、教育委員会からの人でした。

ただ、その人物については、指定管理者選定に関与していた形跡はなさそうでしたので、とりたてて問題になりそうもありませんでした。

とにかく、もやもやっとしていて、いったい誰がどういう目的で流したんだろうということだけは、いつまでも気にかかったニュースでした。

ぼんやりした話になってしまいまして、すみません。

では、また。

2019年5月23日木曜日

原稿を4本書きました

こんにちは、日向です。

しはらくサボっておりましたが、今月は、和歌山市再開発関連の原稿を3本、TSUTAYAの虚偽広告についての原稿を1本書いています。

どちらもまだ草稿段階です。いま最後のツメを行なっていますので、それが終わり次第、正式に入稿します。

スムースにいけば、今月1本、来月以降、順次3本リリースされると思います。

ただし、これらがそのまま掲載されるかどうかは、正直言って、わかりません。

一部ボツになったり、3本が1本にまとめられたり、あるいは掲載延期という可能性も当然ありえます。

おかげさまで、BJでは、これまで特段トラブルもなくご掲載いただいておりますので、入稿されすれば、なんらかの形で日の目はみると思いますが、

わりと自由に書かせていただけるネットニュースとはいえ、編集部が面白くない、あるいは不適切と判断した記事は、掲載されません。

そのへんが気ままに書けるブログとは大きく違うところですね。

内容としては、これまで当ブログをお読みいただいた方にとっては、特に目新しい事実はないかもしれません。

今回は、4本とも、どちらかといえば、まとめ記事的な要素が強く、複雑になりつつある事実関係を整理して、わかりやすく解説することをこころがけました。

とりわけ再開発については、これまでわかっていることをまとめるだけでも、結構な分量が必要です。困ったことに、それが読んでいて退屈な個所が結構あります。逆にわかっていないことも多いです。

とりわけ、CCCが指定管理者に選定されたプロセスについては、前回、選定委員会での不正採点疑惑を取り上げましたが、それ以前に、TRCの動きとか、RIAと国土交通省の関係等、複雑にからみあった糸を解きほぐしていくには、まだまだ材料が不足しています。

2015年秋にツタヤ図書館の記事を書き始めましたので、それからもうすぐ4年になります。

途中『週プレNEWS』で半年くらい浮気して連載したのを除いて、ほぼBJで書かせてもらいましたが、最近は、そろそろ潮時かなという気もしないではないです。

とか言っていると、海老名市の“ウソ八百第三者評価”による契約更新【1】のように、突如として新しい問題が出てくるのがツタヤ図書館の困ったところですね。

そんなわけで、いましばらくお付き合いいただけると幸いです。

よろしくお願いいたします。

【1】Business Journal 2018.07.05

不祥事続出で有名なツタヤ図書館、海老名市が議論抜きで今後5年の委託継続決定か?


海老名市が専門機関に委託して実施した平成29年度・第三者評価の概要。市立図書館は、大半の項目が5段階中4点台。同時に評価対象となった4施設のなかでもダントツの高評価だが、「法令遵守~」が4.3など、CCC運営のこれまでの経緯に照らすと不可思議な点が多い


2019年5月3日金曜日

「忖度」という背信

こんにちは、日向です。

先日リリースされました和歌山市CCC選定の不正採点疑惑の件、もう少し補足しておきたいと思います。

ツタヤ図書館、和歌山市民図書館の指定管理者選定時に不自然な採点か…2委員のみCCCに極端な高得点

一昨年11月24日に行われた和歌山市民図書館の指定管理者選考会での出来事です。

図書館の運営管理を手掛ける最大手・図書館流通センター(TRC)と、13年に佐賀県武雄市で初めて受託して以来、蔦屋書店とスターバックスを併設した公共図書館の運営に次々と乗り出していたCCCの一騎打ち。

民間の有識者3名と市の幹部職員2名の計5名で構成された選定委員会が選んだのは、CCCでした。

選定委員のひとりが、あからさまにCCC贔屓の点数をつけていたことが市民の情報開示によって判明したのですが、その人物が、当時産業まちづくり局長を務めていた有馬専至氏ではないかと言われているのです。

「なんで、そんなすぐにバレるような不正行為をするんだろう」と疑問に思わたかもしれませんので、本日は、そこから説明しておきます。

下の表をみてください。選定結果を市が2017/11/30に発表したときの採点表がコレです。




いずれも1400点満点で、CCCが1249点、TRCが1157点という結果でした。100点満点に直せば、89点と82点で6.5ポイント差程度ですから、まぁ見方によっては「結構、僅差だった」とみられた方が多かったかもしれません。

で、突然、この評価のおかしさがあかるみに出たのは、翌年1月末になって、市民が開示請求をしていた選定プロセスについての資料開示されたのがきっかけでした。

両社の提案内容は、ほとんどが黒塗りされていましたが、選定結果の概略が開示されまして、そこには、名前はイニシャルで伏せられた選定委員5人の詳しい評価点数が明記されていました。

下の表をみてください。これが5人の採点表です。


カルチュア・コンビニエンス・クラブ














審査項目/選定委員 配点 A氏 B氏 C氏 D氏 E氏
図書館運営の基本方針・理念 30 24 18 30 30 24 126
図書館の運営・経営に関する取り組み 80 65 56 70 65 57 313
空間イメージの提案 30 24 24 30 30 30 138
自主事業実施に関する取り組み 40 30 32 36 40 34 172
提案価格の評価 100 100 100 100 100 100 500
合計 280 243 230 266 265 245 1249
















図書館流通センター














審査項目/選定委員 配点 A氏 B氏 C氏 D氏 E氏
図書館運営の基本方針・理念 30 24 24 24 12 18 102
図書館の運営・経営に関する取り組み 80 72 69 75 54 58 328
空間イメージの提案 30 24 18 24 12 24 102
自主事業実施に関する取り組み 40 26 32 34 12 26 130
提案価格の評価 100 99 99 99 99 99 495
合計 280 245 242 256 189 225 1157








両社得点差 0 -2 -12 10 76 20 92


A~C氏までの3人は、両社に対して、最高でも12点差をつける程度のごく常識的な範囲内での評価。最後のE氏も20点差とややCCC優位の点数はつけたものの、それほど問題になるような採点ではありませんでした。

ところがD氏だけは違いました。CCCには、ほとんどの項目で満点をつけているのに対して、TRCに対しては、極端に辛い点数をつけていたことがわかりました。

下をみてください。これが5項目すべてについて、100点満点に換算してみた数字です。


●↓100点満点換算







カルチュア・コンビニエンス・クラブ
















審査項目/選定委員
A氏 B氏 C氏 D氏 E氏   総合点
図書館運営の基本方針・理念 100 80 60 100 100 80

図書館の運営・経営に関する取り組み 100 81.25 70 87.5 81.25 71.25

空間イメージの提案 100 80 80 100 100 100

自主事業実施に関する取り組み 100 75 80 90 100 85

提案価格の評価 100 100 100 100 100 100

合計点の評価
86.78 82.14 95 94.64 87.5 446.06 89.212



























図書館流通センター
















審査項目/選定委員
A氏 B氏 C氏 D氏 E氏   総合点
図書館運営の基本方針・理念 100 80 80 80 40 60

図書館の運営・経営に関する取り組み 100 90 86.25 93.75 67.5 72.5

空間イメージの提案 100 80 60 80 40 80

自主事業実施に関する取り組み 100 65 80 85 30 65

提案価格の評価 100 99 99 99 99 99

合計点の評価
87.5 86.42 91.42 67.5 80.35 413.19 82.638









両社得点差
-0.72 -4.28 3.58 27.14 7.15
6.574



















D氏のCCC評価は、「図書館の運営・経営に関する取り組み」のみ81点、あとの4項目はすべて満点。逆にTRCに対しては、「自主事業実施に関する取り組み」は100点満点の30点をつけるなど、「あれっ、どうして?」と思わず問いただしたくなるような不自然な結果だったのです。

もともと、和歌山市は、市駅前に移転して開館する市民図書館の指定管理者には、かなり早い段階からCCCを選定することを決めていたフシが随所にみられるなか、このような強力な証拠が出てきたのは、これが初めてでした。

そして、市が選定委員を紹介した順番に並べてみると、D氏の位置には、当時産業まちづくり局長を務めていた有馬氏が、疑惑の中心人物として浮かび上がってきたのです。




その有馬氏がこの3月で退任したとあって「もしかしてCCCの関連企業に、天下りするのではないか」とまでささやかれていたのです。

市当局も有馬氏も、当然、ここまで情報が開示されるとは考えてなかったでしょう。だから、あんなにあからさまな点数差をつけてしまったというのが、どうやらことの真相のようです。


なりふり構わず決定する責任


さて、ではどうして有馬氏と思しき、D氏はそこまであからさまにCCCひいきの点数をつけたのでしょうか。

考えてみてください。もし自分が同じ立場にたたされたら、どうしますか?

私がもし同じ状況におかれて、市の方針を忖度したのだとしら、E氏と同じく“ややCCC有利”の点数をつけますね。D氏ほどの大差はつけないように思うのですが。

しかし、現実は違いました。それは、選定会議当日、両社のプレゼンを聞いたD氏がそれくらい点数差をつけないと、「CCC優位は危うい」と感じたからなのか、それとも、僅差でCCCが勝ったのではダメで、どうしてもCCCが大差で勝つという結果がほしかったのか。

ある図書館関係者の方は、和歌山市の選定が出来レースだったということを前提にして、こう話してくれました。



「CCC選定は実質的には決定されているのであって、CCCを外すという余地は市長にもないし、ましてや一局長にはないはずです。

審査員としては他に図書館長もいますが、役職から見て、予定通りCCCを指定管理者に決定する責任の大きさ、忠誠心を求められる度合いは比較にならないほど大きいと思います。それが両者の採点に反映しているように見えます。
 

なりふり構わずにCCCに決定する責任を負わされていると思います。(本人が積極的に役割を果たそうとしたのか、いやいやながらやったのかは分かりませんが、後から名指しされるとは考えなかったでしょう。)」


CCC選定という“結果”を残したD氏が、もし有馬氏だったとしたら、その人物が2年後に退任するという事実を、われわれは、いったいどう解釈したらよいのでしょうか。

ツタヤ図書館、和歌山市民図書館の指定管理者選定時に不自然な採点か…2委員のみCCCに極端な高得点