2021年3月22日月曜日

不祥事犯した会社が落札できる高校図書館


 こんにちは、日向です。


今朝、東京都立高校・民間委託廃止の続報がビジネスジャーナルでリリースされました。


都立高校、偽装請負疑惑で労働局が2度目の調査…学校図書館の民間委託が破綻



当ブログでも、これまでしつこく取り上げております都立高校が民間企業に委託している学校図書館で起きた偽装請負事件に関連して、


昨年11月に「ついに民間委託廃止か?」とのスクープを放ちました。


東京都、違法行為横行で学校図書館の民間委託見直しへ…違法性排除できず、コスト削減効果もなし



今回の記事は、その続報です。


都立高校は、すでに189校中128校の学校図書館が管理運営業務を民間に委託されていまして、あと数年で全校図書館の民間委託が完了となる目前でしたが、


昨年9月、いまだ違法状態が残っているのではないのか、との米川大二郎都議会議員の定例会での一般質問が契機となって、再度制度の見直しが行われていました。


これを契機に、都立高校・学校図書館は、民間委託を一時中断して、一部直接雇用に切り替える、とのソフトランディングを都教委は模索していたようですが、そこに突然降ってわいたのが、この記事の冒頭でも紹介した


15年につづく、東京労働局による二度目の調査でした。


幸い、今回は問題なしとされましたが、ちょうど都教委が見直しを進めていたタイミングで起きた騒動だけに、関係者に与えた衝撃は決して小さくはなかったようです。


実は、それと同じくらい、関係者に衝撃を与えたのが、この記事の原稿を編集部に送った後に判明した、民間委託校で起きた契約不履行でした。


東京都の定期監査の報告書にしっかり「令和元年分」として、明記されており、


偽装請負に加えて、15-16年に多発した司書を契約通りに配置できない不履行が、いまだに続いていてことが発覚したわけですから、もうボロボロです。


この件に関して、都教委の担当部署に問い合わせますと、


監査報告書に書いてある通りだ。こちらの対応については、何も言えない。とにかく一切回答できない、回答できるかどうか課長に聞いて検討してみる


といったコメントしか得られませんでした。また今週しつこく連絡しますけれどね。





15年-16年に起きた、委託会社による不履行は、4月新学期になっても、必要な司書の人数を採用できないために起きた。仕様書通りの時間帯に司書を配置できない事態が続出。そのたびに都教委が受託企業に始末書を提出させ改善を約束させましたが、それでも繰り返され、不履行分の委託費も一部返還されていないものもあるなど、文字通り「デタラメ」「不可解」「不誠実」という民間委託のデメリットを煮詰めて凝縮したような事態に陥っていました。


都教委は、それも含めて二度とそのような不祥事が起きないようなしくみを導入、たとえば、総価契約から単価契約に変更して、履行完了した分だけ委託費を払うというふうに変更しました。


しかし、これは決して委託業者の業務の質を高めるというものではなくて、単に始末書を出さなくてもいいとか、委託費返還しなくていいという手続きの変更にすぎませんでしたので、実態として、生徒がたくさん来る時間帯には司書を複数人配置するというような契約を厳守するようにはなっていなかったのです。


それが東京都の今回定期監査によっても指摘されるくらいですから、これはもういくら形式を繕ったところで「破綻している」としか言えないような状態になっていることがはからずも明らかになりました。


すみません。長くなりましたが、この監査結果については、今回の記事でも数行しかふれられていませんので、報告書のその部分を引用しておきます。






もう一点、注目していただきたいのは、記事後半の以下の記述です。



問題は偽装請負や不履行だけではなかった。スタート当初に比べてほぼ倍増した委託費、不可解な事業者の技術点評価加点、落札可能な企業の不自然な辞退、受託企業による有力議員への政治献金など、いまだ表面化していない、おかしな出来事は枚挙に暇がない。


実は、今回監査で発覚した不履行を犯している企業が、来期からの新規委託の指名競争入札に参加して、見事、落札に成功しています。


信じられます? 監査で不履行を犯していることが発覚した企業が、これまで通り入札に参加でき、そこそこ高い技術点も獲得しています。まるで何事もなかったかのように。


カルチュア・コンビニエンス・クラブが不祥事を起こすたびに、ツタヤ自治体の役人が全力でかばうのと同じような構造が、ここにもあります。


本当に「膿(うみ)」を出し切らないと、民間委託の問題はなにも解決しないんだと思います。



なお、この問題は直接ツタヤ図書館とは関係ありませんが、宮城県多賀城市で、市立図書館の指定管理と一緒に、学校図書館の運営を受託しているカルチュア・コンビニエンス・クラブも、いつ違法認定されてもおかしくないことを以前、当ブログでも指摘しています。→自ら違法行為を暴露


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