2019年4月5日金曜日

虚偽広告の実態

こんにちは、日向です。

先日BJでリリースされました、虚偽広告で1億円の課徴金を課せられたTSUTAYAの事件について、書き足りなかった点をもう少し追加しておきたいと思います。

下の表をみてください。TSUTAYAの広告のどんな点が消費者庁に虚偽と認定されされたのかを簡単にまとめたものです。



TSUTAYAが消費者庁に認定された主な違反内容
サービス名
内容
広告の優良アピール表現
実際のサービス
動画配信TSUTAYA TV インターネットを介して動画 を配信するサービス 「動画見放題 月額933(税抜) 30日間無料お試し」背景に30本の動画の画像を掲載し、「人気ランキング」及び「近日リリース」として、10本の動画の画像を掲載
動画見放題プランを契約すれば、背景に掲載された動画や、「人気ランキング」及び「近日リリース」として掲載される人気の動画や「新作」と称するリリースカテゴリの動画など、TSUTAYA TV配信動画が見放題となるかのように示す表示をしていた。
動画見放題の対象は、配信動画の12%ないし26%程度、「新作」及び「準新作」カテゴリについては、配信動画に占める動画見放題の対象動画の割合が1%ないし9%程度であった。「動画見放題」の背景に掲載した動画の過半は動画見放題の対象外。「人気ランキング」として掲載した全ての動画も動画見放題プランの対象外。
「近日リリース」として掲載した動画を配信する際も大部分が動画見放題の対象
動画見放題&定額レンタル8 ネットで予約し宅配によりレンタルできるサービスと動画見放題プランを一体的に供給するサービス 「人気の動画が見放題! CDDVDが借り放題!」と記載
「動画見放題 見放題! オンライン動画配信 月額933(税抜)」、「定額レンタル8 借り放題! CD/DVDの宅配レンタル 月額1,865(税抜) ※9枚目以降は旧作のみ対象となります」及び「動画見放題&定額レンタル8 見放題&借り放題! 2つでお得! 月額2,417(税抜)と記載。
「オンライン動画配信サービス 月額933円。TSUTAYAのほぼ全ての動画をオンラインで見ることがで きるサービスです」
動画見放題プランについては、上記と同じ。また、提供される動画ポイントによって追加で視聴できるのは「新作」と称するリリースカテゴリの動画であれば2本程度だった
TSUTAYA プレミアム 該当店舗におい てDVD等をレンタルできるサービスと動画見放題プランを一体的に供給するサービス ウェブサイトにおいて、「お店で旧作DVD借り放題!+ネットで動画配信見放題! 月額1, 000(税抜)~」と記載
テレビコマーシャルや公式チャンネルにおいても、一定期間に、同様の表示がされていた。
動画見放題プランの対象動画は、配信動画の23%ないし26%程度「新作」及び「準新作」カテゴリについては、配信動画に占める動画見放題の対象動画の割合が3%ないし9%程度、テレビコマーシャルや公式チャンネルでも見放題の対象動画は、それと同程度だった。


これにもとづいて、アトランダムに、コメントを追加しておきます。

そもそも、何が違法と認定されたの?
消費者庁から措置命令を出されたのは、
・動画配信「TSUTAYA TV」
・宅配レンタル「ツタヤディスカス」+動画配信
・レンタル店舗で借り放題+動画配信「TSUTAYAプレミアム」
という3つのサービスです。いずれも、「動画見放題」とされていたが、実際には、新作や準新作は対象外だった。
どうして、そんな違反をしたの?
ネットフリックスやアマゾンなどが、動画配信に進出して国内市場を席巻しているなか、いまだレンタルの実店舗を多数擁しているTSUTAYAが、そうした勢力に対抗するために打ち出したのが、動画配信と宅配及び実店舗でのサービスを抱き合わせたオトクな料金体系。
しかし、宅配レンタルや実店舗というレガシーをガッツリ抱えているだけに、動画配信のみを激安見放題にはしづらい。かといって、動画配信を高くすると誰も振り向かない。そうしたジレンマのもとで、激安でオトクな見放題を強調した表現が事実とは大きく異なる表現になってしまったようだ。
そういう行為は、どこでもやっているのでは?
そんなことはない。確かに、健康食品などを扱う小規模な事業者や、詐欺的な商法を展開している事業者が虚偽広告に手を染めることはあるが、TSUTAYAのように業界を代表するような大手企業が、一般の消費者を騙すような表現を使って宣伝することは、まずありえない。
TSUTAYAの違反は、どの部分によるもの?
宅配レンタルと動画配信をセットにしたサービスによってあげた売り上げが課徴金の7割以上占めている。
どうして巨額の課徴金が課せられたの?
 2013年、ホテル・レストラン等で、メニュー表示とは異なる食材を使用した料理を提供していた「食品偽装」事件が相次いで発覚したのを受けて、2014年11月から導入されたのが、不当表示を行った事業者に対して経済的不利益を課す課徴金制度。これが正式に施行されたのは、2016年4月1日。
課徴金制度は、いつから始まったの?
消費者庁が、その対象となる行為の違法認定をスタートしたのは2016年度から。
消費者庁の発表をみる限り、課徴金制度が最初に本格適用されたのは、2017年1月27日に、三菱自動車と日産自動車に対して出された、不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)の優良誤認違反。
消費者庁は、このとき、両社に措置命令と4億8,507万円の課徴金納付命令を出した。
ほかにも違反犯した有名な事件は?
三菱自動車は、一部の車種に関して、燃費を実際よりも良く見せるため、国土交通省に虚偽のデータを提出していた。
この事件では、消費者庁は、両社に対して、措置命令と同時に課徴金納付命令も出しているが、そもそもこの事案は、自主的な申告であったこと、また、該当商品を購入した顧客に対しても、自主的に返金計画を立てて実行に移すなどしたため、最終的には、三菱368万円、日産317万円まで減額されている。

TSUTAYAの虚偽広告も、2016年度から違法認定されているが、なぜか措置命令が出されたのは、2年後の2018年5月になってから。2016年から2017年の丸々2年間の違反行為を、まとめて認定している。
TSUTAYAに対する課徴金額は、1億1753万円。三菱・日産のように措置命令後の返金計画等によって減額された形跡はなし。
課徴金額が確定した最終的な納付命令としては、いまのところ、史上最高額。2018年5月30日の措置命令から、2019年2月22日に課徴金納付命令が出るまで9か月近くかかっている。
巨額の課徴金を課せられたケースはほかにもある?
あることはあるが、措置命令が出されて何ヶ月も後に巨額の課徴金を課せられるケースはかなり異例
同じく1億円を超える課徴金を課せられたシエルのケースでも、2年間の違法行為を認定されているが、同社の場合は、TSUTAYAとは違って措置命令と同時に課徴金納付命令も出されている。同社は、これにより事業展開に深刻なダメージを受けている模様。
措置命令から課徴金納付命令までの期間が最も長いのは、プラスワン・マーケティングの「FREETEL SIM」。2017年4月に措置命令後、2018年3月に8824万円の課徴金納付命令まで11か月もかかっている。同社は、2017年12月に経営破綻、東京地方裁判所へ民事再生法適用を申請していることから、それだけの期間がかかったものと思われる。
違反を犯したことの、何が問題なの?
景品表示法違反については、消費者庁からの措置命令を受けた同社が、違反行為をやめて改善し、1億円を超える課徴金を納めるペナルティーによって一件落着だが、
それとは別に
CCCが基幹事業において、違法行為を長期にわたって繰り返していたとなると、「違法行為を犯した事業者」として、公共図書館運営など、公務を担うのにふさわしくない企業とみなされるのは避けられない。
同社が基幹事業で虚偽広告を流し続けていた時期に、指定管理者として図書館運営をスタートした、岡山県高梁市、山口県周南市、宮崎県延岡市(図書館てはないブックカフェ)今冬に新市民図書館が開館を予定している和歌山市では、当然、このことが問題にならざるをえない。
とりわけ、和歌山市の場合、同社が基幹事業で虚偽広告を出していた時期に、「素晴らしい実績を持った企業」として指定管理者に選定されているため、
審査期間中に違法行為を行なっていたことが判明したことで、和歌山市は、同社を指定管理者に選定した行為そのものを無効としなければならない。あるいは、基本協定違反として、指定管理者としての同社を指定取り消し処分を課さなければいけない。


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