こんにちは、日向です。
先日からしつこく取り上げております
和歌山市とCCCとの定例会議事録が途中8か月間ゴッソリ抜かれていた件についてのつづきです。
「ないものはない!」と逆ギレする和歌山市・宮地班長 を読まれた方のなかには、
ツタヤ自治体に限らず、情報開示に消極的に自治体はたくさんあり、議事録が少し抜けていたくらいのことに、なんでそんなに大騒ぎしてるの? と思われた方もいたかもしれません。
国政の場でも、桜をみる会の不正疑惑が浮上した際に、野党が官僚を問い詰めている合同ヒアリングが話題になりました。あれをみていますと、役人が文書を廃棄した言い訳にもなっていないトンデモ回答する醜態をさんざんさらしていますので、そのたぐいの醜聞とひとくくりにしてしまいがちです。
しかし、和歌山市では、図書館の入る再開発プロジェクトの会議録9割黒塗り【※1】から始まって、南海電鉄による設計業者の談合疑惑【※2】CCC選定出来レース疑惑【※3】など、およそ図書館運営とは無縁のところで不正を疑われる事案がつづきました。
それに加えて、ついに図書館運営をどうするかという実務的なところまで、表に出せない「闇」のやりとりがあったのだとしたら、「忖度」の一言では済まない、確信的な不正行為があったのではないのかとおもわざるをえないんです。
一例をあげるとすれば、和歌山市では、新しい図書館システムだけで3億円を超える費用を投入しているにもかかわらず、図書館の蔵書にICタグを装着しなかったこと(開示された部分の議事録では、ICタグ装着を前提にスケジュール等が協議されている)。見積もりをとって検討した結果「そんなに高いのならやめよう」というプロセスは、記録されていないとおかしいんですが、いままでの資料をみた限りでは、それがどこにもないんですよ。
また、プレゼンでは2階だけの約束だったCCC独自のライフスタイル分類を4階の児童書コーナーにも導入したことのやりとりもどこにもみつかりません。(宮地氏は、児童書は「ライフスタイル分類」ではなく、和歌山市とCCCとで共同で開発した分類だと主張するも、その詳細はCCCの許可がないと開示できないと回答)
いずれも“ささいな問題”ではなく、その図書館運営の根幹にかかわる部分ですから、そのやりとりを記録しておくのは、誰にとっても必須事項だと感じるような出来事でした。
その部分を開示してしまうと、何かマズイことがあるというのが不思議でなりません。
和歌山市・読書活動推進課を取り上げたサンケイ新聞の記事。まるで新しい図書館を創設した救世主のように書かれているが、現実には、直営時代の市民図書館の部署がCCC指定管理後に、名称が変わったというだけのことだった。 |
実は、昨日4/5、この件の担当だった図書館設置準備班・宮地功班長の上司にあたる読書活動推進課の井上豊英課長にお話をお聞きすることができました。
井上課長も、やはり今回の件については、まだ何が問題なのかをつかめておらず、宮地氏とたいしてかわらないような認識のままであると感じました。以下、井上課長の回答です。
1.これまでの経緯は、宮地から引継ぎを受けて聞いている。その文書は、かなり手間暇かけて長期間探したけれど、結局はみつからなかったと聞いている。課内のほかの人間にも聞いたそうだが、そのときの記録も、みつからなかったのだから、仕方ない
2.あくまでもこちらの想像だが、それだけ探してもみつからないということは、それほど重要な文書ではなかったのではないか?
3.宮地は、昨日の日曜日(4/4)も来てたくらい一生懸命に探していた
4.定例会議事録が探してもみつからない責任を、宮地が感じていないはずはない。最終的な責任は自分にあるが、自分は、その議事録がなくなっている期間は、まだいまの部署にきていないので詳しい事情はわからない
5.なくなった理由として考えられるのは、旧市民図書館から移転した際に、捨ててしまってなくなった可能性がある
宮地氏のように、「ないものはない!」と開き直ることこそ、井上課長はしませんでしたが、これが公文書の改ざんや廃棄と同じく重大な背信行為であるといくら説明しても、その真意をわかっていただけたようには思えませんでした。
1.の課内のほかの人に聞いたとは、宮地氏は発言しておらず井上課長の独自見解。2の「これだけ探してもないのは、重要ではないから」については、ところどころ数回分だけ抜けているのなら、そうかもしれないが、8か月間の記録がゴッソリ抜けていて、それらすべでが重要でないとは考えられない。
3.の宮地氏は「日曜出勤していた」は、すでに私に「ないものはない!」と逆ギレした2日後のことなので、単に別の仕事の引継ぎで忙しかったのではないのか。
4.の「最終責任は自分にある」とはまっとうな発言だが、もう一度自分の責任のもとで、ないかどうか探しみるとは言わないのはなぜか。
5の「移転のときに捨ててしまったのかも」という理由は、この件を問い合わせてから一か月近く経過して示された。なかったと報告する際に本来なら、真っ先に出てくるような理由。それが、現場責任者の課長レベルまでいって、ようやく示された唯一の理由。
ふつうの人ならば、大事な書類をなくしてしまったら、もう必死で探しまくり、ここも、あそこも、いやあそこまでも探してみて、ほかの人にも聞きまわるもの。課内のみんなで探してもらって、少しでも手がかりがあれば、その断片をもとに情報を修復しようとするはず。
いくら探しても、みつからなければ、CCCサイドで作成したものを、事実確認のうえ、開示すればいいのに、何故それはしないのでしょうか。
現に、2019年3月からの議事録はCCCが作成したと思われる書式をそのまま開示しているではないか。
そのあげくみつからなければ、うーんあのときに、ああしたのがいけなかったのかとか、こうしたのもなくなった原因かもしれない。
そう考えるものです。自分の責任だと思うと、もう毎日、夜も眠れないくらい落ち込んで反省し、二度とこういうことがないように情報の管理をキチンとやらなくてはという話にもなりますし、決裁文書や保存文書のルールも見直すことになるでしょう。
しかしながら、和歌山市の読書活動推進課では、そういうことを行った形跡はみられませんでした。
必死で探すというよりも、必死で「ある」ものを隠しているかのようです。終始「ない」ことを正当化するかのような対応を続け、課を挙げて、外部からの情報へのアクセス防御しているかのような印象を受けました。
彼らは、そこまで必死になって、いったい何を守っているのでしょうか?
定例会でのCCCとの協議内容って、そんなにヤバイ発言をバンバンしているのでしょうか?
※1・黒塗り会議録は国家賠償請求訴訟に発展→ 市民オンブズマン和歌山市長を提訴!
※2・南海電鉄の入札調書黒塗りは第二次審査請求中→ 談合疑惑の文書開示を求めて、和歌山市に反論書が提出されました
※3・CCC選定プロセスは第一次審査請求により一部開示命令が出た→ ついに審査会答申を受け入れた和歌山市の密室談合ペーパー
- 和歌山市は“菩薩”を捨てる?へつづく
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