2022年8月6日土曜日

住民をナメきった読谷村のシャンシャン特別委員会

 

こんにちは、日向です。



沖縄県読谷村議会に請求しておりました、仮称・読谷村総合情報センター(20年契約のツタヤ図書館事業)について特別委員会に関する文書が開示されましたので、取り急ぎその全文を、この文末に、画像ではりつけておきます。(PDFはこちら⇒200805読谷村特別委員会会議録開示.pdf




詳細は、後日解説するつもりですが、とりあえず、気が付いたところだけコメントしておきます。



1.保存文書の体裁が整っていない


目的の文書が開示されるまでの一連のプロセスがないんです。具体的に言いますと、まずは起案があって、それに添付された関連文書がつづいたあとに決裁文書が出てくるという流れだと思うんですが、読谷村の開示はいきなり目的の文書だけがポンと出てくるんです。


これは、和歌山市なんかでも言えることなんですが、時系列の流れがわるかものがないと、この文書がいつ作成されて決裁されたのかすらわからない。本当にこれ公文書なの?とときどき不安に思います。


そういえば、読谷村では、以前、全員協議会で配布された資料に日付がなく、それを問い合わせたら文書で回答するといって2週間かかったことがありました。


ツタヤ自治体のなかでも、比較的そのあたりがしっかりしている印象なのは、多賀城市と周南市です。先日、目的外使用申請を和歌山市と周南市で比較したみたときに、周南市のほうが、起案から決裁の流れが一通りわかるようになっていたのに、和歌山市は起案などなく、申請書と許可書があるだけでした。これ、なんとかならないんでしょうか。



2.情報開示されていないのに、ちゃんとした議論はできない



特別委員会の質疑と回答をみてみていちばん感じたのは、ロクに情報開示もされていないなかで、議論しても、はぁ、そうですか? となるだけで、なかなか議論は深まらないってことです。


たとえば、冒頭で山城委員が


CCCとTSUTAYAの関係について質問しておりまして、その回答がこうなんです。



企画政策課 CCCのグループ内にツタヤはある。ただし、今回の優先交渉権者であるSPCに関しては、 シナジー、ND、仲本工業だとかあるわけですが、その優先交渉権者の7社のうちの一つに CCCが入っているという事です。これが単体でやっていくという事ではない。 



山城議員が心配しているのは、いわゆる世間で物議を醸している“ツタヤ図書館になるのでは?”


ということだと思うんですが、担当部署は、


CCCは、優先交渉権者に選ばれたコンソーシアムの一社にすぎず、その一社で運営していくわけではない


と回答しているんですが、これウソですよね。なぜって、コンソーシアムのなかで、図書館運営ができるのはCCC一社で、図書館のハコモノの設計にリーダーシップをとって、いちばん影響力を及ぼすのもCCCですから。


選定発表当初は慎重だった地元メディアもすでに「ツタヤ図書館が読谷村にオープン」と報道していることからもわかる通り、2013年の佐賀県武雄市から始まって今年4月の熊本県宇城市まで行われてきた通りCCCが全面的にプロデュースする事業になるのが動かない事実です。


PFI事業のしくみについては、昨年の全員協議会で、さんざん説明したつもりなんでしょうけれど、この図書館運営問題については、これまでほとんど説明されてませんでしたので、こういった素朴な疑問からスタートするのは当然なので、まずはそこから丁寧に説明すべきと、ここまで書いたところで、


あっそうだ、執行部でもわかってないんだ、ただCCCやコンサルタントから渡された紙を読んでるだけなんだ


と思い直しました。


企画政策課やSPC黄金環が、「質問には文書で回答する」言っているのは、要するに、自分たちもよくわからないので、外部のコンサルタントに回答を代筆してもらうということなんだろうなと最近しきりに思います。



もうひとつ、契約金額について、今後変動することはないのかという松田委員の質問には、


物価の変動、資材の高騰、それ以外に国の制度 変更などはある


という回答になりますよね。


いやいや、そんな不可抗力のこと言ってるわけではなくて、そもそも年間の運営費がそれぞれいくらかも開示されていないのに、議論できますか?


私が取材して記事に書いたのは、どうやら年間運営費5000万円と、現状の体制で経営した場合の半分になるという試算になっていて、その5000万円かける20年の分だけ、直営よりもPFIにしたほうが安くなる(この直営より安くなった分を“VFM”と呼んでまます)というしくみだということでした。


読谷村が今年3月に開示した資料では、総事業費について肝心の部分は黒塗りにされていて、単年度の運営費がいくらで、建物の建築費がいくらかすらわからないようになっていた。
沖縄読谷村・ツタヤ図書館に官製談合疑惑…落札率99.99%、異様な選定経緯 より




面積が二倍になって蔵書も大幅に増えるのに、運営費はほぼ半減なんて夢のような話があるでしょうか?



それも試算データが開示されてはじめて、議論ができるんですが、開示されていないんですから(もしかして、全員協議会で開示されたかもしれませんが、どなたもそれを理解して記憶している様子は、今回の特別委員会では見受けられませんでした)


一事が万事、そんな調子なんですよ。



読谷村の名誉のためにつけ加えておきますと、これ読谷村だけに限らず、CCCの食い物にされている自治体に共通する傾向で、とにかく正確な情報を出さない、出しても黒塗り、議会では、回答したふうな作文を読み上げるだけです。


もちろろん程度の差というものはあると思いますが、いまところ読谷村は、その底辺レベルではないでしょうか?



4.住民の意見は聞きたくない?



それから、もうひとつ気になったのは、長濱委員のモニタリングに関する質問です。


誰が行うのかと聞かれて、企画政策課は、こう答えています。



企画政策課 村の職員でモニタリングを実施していく。村としても初めてのPFI事業でありモニタリ ングなので、いろんな研究をしながら質の向上をはかっていく。 必要に応じて専門家を招いて支援を仰ぎたい


おそらく議員のみなさんは、施設の建築工事などが主に頭にあるんだろうとは思いますけれど、図書館の運営に関していえば、村の職員だけでは難しいのは確かで、図書館部門の専任職員や外部の審議会メンバーがいたとしても、和歌山市の事例などをみてますと、そんな意見を1ミリも聞き入れずに、場合によっては、異論をとなえるような職員や外部委員は次々と排除しながら、CCCはやりたい放題することはもう目に見えています。


とにかくツタヤ図書館の命題は、“賑わい創出”なんですから、それが何よりも優先されるのは、CCCを入れた瞬間に決まってしまったようなものですから、あとは、村民の意見をどう取り入れていくか、利用者や市民団体に監視してもらって、おかしなことはやめさせるというスタンスがないと、CCCの独善が暴走するだけです。


最後の部分で、伊佐委員がこんな質問をしています。



伊佐委員 14 章業務要求水準書に定める条件の変更について、村みずからの判断で条件変更を申し出 ると思うが、住民や議会からの改善要望も反映できるという理解で良いか? 


企画政策課 

村みずからが変更が必要と判断する場合もありますし、さまざまな意見を踏まえながら真に必要な変更であれば、村が判断して最終的に変更する事も想定される。 


伊佐委員 さまざまな意見というのは、役所内部からのみではなくて、住民や議会からの意見も検討するという事で良いか? 


企画政策課 PFIの趣旨からすると、基本的には民間事業者の提案書のとおりで進めていく。という事である。 


村民や議会の意見については、参考にはさせていただきます。 



繰り返しますと、


基本的には民間事業者の提案書のとおりで進めていく


住民や議会からの意見については、参考にはさせていただきます。 


だそうです。


村民代表がひとりもいない村の幹部職員とコンサルタントだけで決めた事業者の提案書が最優先するなんて、


そんなふざけた話があるでしょうか?


そして、この議題の採決には、18名中、3名が退席しただけで、残り全員が


異議なし


だそうです。


読谷村のみなさん、これでいいんですか? 怒らなくていいんですか?


(PDFはこちら⇒200805読谷村特別委員会会議録開示.pdf













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