2022年8月13日土曜日

マルタス黒塗り収支内訳書を読む(その2)

 ~エンクロス消費税ネコババ疑惑が浮上~


前回、黒塗り部分が全面開示された丸亀市マルタスの収支内訳書を詳しくみていきました。


マルタス黒塗の収支内訳書を読む(その1)


CCCが同種の市民センターとして2018年に延岡市で運営開始したエンクロスとの比較の途中で区切りましたので、そのつづきです。





黄色地の部分がマルタスとエンクロスが同じ水準の科目。マルタスの光熱水費は、公開された資料には出ておらず関係者からの情報をもとにした。




4.ナゾの一般管理費とは?



さて、CCCの隠れた利益構造をみるうえで、両者比較のキーポイントになりそうなのが「一般管理費」です。



本社経費を意味する科目で、一般企業でいうところの「間接費」部分を、事業費を積算する際に総額に乗せられる性質のもののようです。


おそらくこれこそ、CCCがいつも主張する「企業秘密」の最たるもので、彼らの立場からすれば「公開されると、競争上の地位や利益を損うおそれがある」数字なんでしょう。


そこで今回は、そんな謎のベールに包まれた部分を詳しく解読していくことにします。


■丸亀市マルタス令和3年度の管理運営経費 




マルタスの一般管理費は、1,280万円と明記されています。計算根拠はなにも書かれておりません。


そこで、エンクロスの2021年度の収支をみていきますと、この一般管理費は、運営費の何パーセントとあらかじめ決まった率をかけているようです。






運営費から逆算してみると、マルタスの一般管理費は、11.6%であることが判明。


これに対して、延岡エンクロスはどうかといいますと、これが14.69%もあるんですね。エンクロスの該当箇所をみていきますと、こんな但し書きがついています。


上記経費合計×14.69%(宮崎県公共工事歩掛)


施設管理業務が、公共工事と同じ本社経費が必要というのは、果たして妥当なんでしょうか? 


この一般管理費については、あらかじめ決まった率を事業費総額にスパンと掛けて出すものですので、事業費総額が大きくなればなるほど、この額も大きくなります。


そして、その事業費の積算が実際よりも水増しされていたとしたら、もともと掛け率からして有利なうえに、一般管理費の算定のもとになる金額も大きくなりますから、根拠希薄でも有無を言わさず取れる、小作人の年貢みたいになりかねないわけです。


なので、個々の科目の費用はもちん、一般管理費の掛け率そのものについても、それが妥当なものかどうか、自治体サイドでキッチリと検証しておかないと、ボラれかねない部分と言えるでしょう。



ここで注目しておきたいののが、同じ運営費でも、丸亀市は、光熱水費なども指定管理料に含めてCCCに支払われるのに対して、延岡市は、光熱費のほか、施設・設備メンテナンス費などについては、自治体が直接負担する経費として、指定管理料とは別に計算されています。延岡市に確認しましたところ、これらについては「CCCには払われず、市が各サービス事業者に直接支払っている経費です」との回答がありました。





そうしますと、一般管理費を計算する際のもとになるのは、丸亀市は、運営経費総額なのに対して、延岡市は、光熱費や施設管理費など市が直接負担する経費をのぞいた運営経費(これが指定管理料になっている)になるということです。


掛け率が約3パーセントも高い延岡市のほうが、丸亀市よりもずっと高い一般管理費になるはずなのが、実際には、1200万円前後とどちらもほぼ同額になっているのは、そういうカラクリがあるからで、これまた、なるほど、先に延岡市の一般管理費の額があって、それと同程度にするために、丸亀市の11.6パーセントという掛け率が導き出されたのではないのかと、つい考えてしまいました。


黄色地の部分がマルタスとエンクロスが同じ水準の科目。マルタスの光熱水費は、公開された資料には出ておらず関係者からの情報をもとにした。




5.消費税の対象は人件費を除くのか、それとも含むのか?


 さて、もうひとつ、CCCの利益構造を解き明かすキーポイントになりそうなのが、消費税です。


掛け率は、例外なくいまのところ10パーセントと決まっていますから、一般管理費のような計算式の違いはないはずですが、なぜか消費税額は、マルタス548万円に対して、エンクロス925万円と、倍近い開きがでています。


いったいどうしてでしょうか?


計算のもとになる額が違っているのだろうとみていきますと、なにが違っているのかわかりました。


丸亀市マルタスの消費税欄には、こんな但し書きがあります。


人件費を除く上記の計額の10%


一方、延岡市エンクロスはというと、人件費も含めた運営費に消費税10パーセントが課税された計算になっていました。


人件費は、どちらも7200万円と運営費全体の半分近くを占めていますから、これを含めるのと含めないのでは大違い。


その結果、丸亀市のほうが400万円くらい消費税が安くなっていたわけです。




6.本当にCCCはそれだけ消費税を納めてるのか



実は、これ気づいたのは、私ではなく、延岡市民の方なんです。マルタスの収支内訳書をみてもらったところ、すぐに


消費税の計算対象が違ってますね


と指摘され、その方が調べた結果、どうやら、人件費をのぞく運営費(指定管理料)に消費税が課税されるのが世間一般に広く認識されているルールのようです。


延岡市のような、人件費も含めた運営費に消費税が課税される方式のほうがイレギュラーなようです。


ただし、ここからが問題で、本当にCCCがそれだけの消費税を納めているかどうかは、また別の問題だということ。


つまり、収支内訳書というのは、必ずしも本当にそれだけの費用が実費でかかっているということではなく、


これだけ費用がかかりますので、指定管理料はこれだけになるという積算根拠のようなものです。


ということは、CCCはそれだけの消費税を納めていない可能性が残るわけです。


しかし、これについては、人件費などと違って、浮いた分は、ポケットに入れてもいいよというわけにはいきません。


もし必要もない経費が積算根拠としてあげられていたとしたら、それは当然、返還させるべき費用といえます。


CCCとしたら、延岡市は、光熱水費や施設管理費などは、市が直接負担していて、それを除いた部分を指定管理料としてもらっていますから、


丸亀市のように、人件費を除く部分に消費税がかかるとしたら、300万円程度にしかなりません。


もし、ここを膨らませようとするならば、しれっと、


人件費を含む指定管理料に消費税を課税する計算にするのがいい


そう考えたとしても、なんら不思議ではありません。


役所も議員もボーッとしているんだとしたら、本当に消費税払ってるんだろうなと追及されるおそれはほとんどありません。第一、収支内訳書は、全面黒塗りで開示される想定でした。


なので、実際には、そんな額の消費税は納めずに差額を利益とすることも、いとも簡単です。


私のうがった見方かもしれませんが、これまで、ツタヤ図書館運営では、細かいルール違反を次々と繰り返えしては、なんの反省のしないCCCですから、


そのくらいは平気でやりかねないな


そう思いました。


すみません。丸亀市マルタスの収支を詳しくみていくはずが、比較対象の延岡市エンクロスの疑惑に行きついてしまいました。


もし私の見方が間違っておりましたら、関係者の皆さん、是非独自のご見解をご指南いただけましたら幸いです。


よろしくお願いいたします。



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