こんにちは、日向です。
- 説明会開催せずに逃げまくった読谷村の宣伝文句 のつづきです。
沖縄県読谷村では、昨年1月、建設、維持管理、運営等までを長期に民間に任せるPFIという手法で、図書館と公文書館、村民資料室が一体化した(仮称)総合情報センターの整備をすすめるとして、
その受託者に、カルチュア・コンビニエンス・クラブが入ったコンソーシアムを選定。これにより、2025年から契約期間20年のツタヤ図書館が誕生することが確定しました。
その決定までに、村役場の担当部署である企画政策課では、一度も住民を対象にした説明会を実施しませんでした。
決定後も「新図書館計画について、詳しく説明して」という住民の署名活動すらシカトし続けて、結局その説明会の代わりにプロに頼んで作成してもらったパンフレットのような宣伝文を広報誌に掲載したんです。
その広報誌に掲載された宣伝文句の前半部分を、前回の記事では詳しくみてきました。
後半部分では、さらに砕けた調子で、わかりやすく総合情報センターの魅力が書かれていますので、そちらに迫っていきましょう。
特集ミライの図書館(仮称)読谷村総合情報センター より
※赤字部分は、筆者のコメント。文字が小さいので、以下本文として転記しました。 |
利用シーンの例
夜も開いてるから仕事帰りに調べ物ができて便利。
「開いててよかった」コンビニ感覚ですね。便利なのにこしたことはないですが、その分、人件費もかさみますから、できるだけスタッフの賃金を低く抑えてということになって、総合情報センターの開館によって、ワーキングプアが増える結果になるでしょう。
館内でCCCが経営する店舗は、営業時間が長くなれば、その分売上も増えますが、公共施設部分には、そのような見返りはありません。
郷土資料等を調べてレポート作成。
いきなり郷土資料ですか。調べものでしたら、まずは蔵書の検索とかからではないですかね。
本に囲まれながら集中して勉強。
集中して勉強するのに、本に囲まれる必要はないでしょう。「持ち込み学習」として、一般的な図書館ではあまり歓迎されない用途も歓迎なんでしょうか。そうすると、毎日学生さんが大挙して押し寄せて、一般の人は座るところもないというデメリットが出てくるのがツタヤ図書館です。
お腹が空いたらローカルマーケットでお買い物。
図書館関係ないですよね。同じエリアにあるということだけのことで。
水辺空間でじゃぶじゃぶっと!
これも図書館、公文書館はまったく関係ないですよね。
ホームセンターがとなりにあるから夏休みの宿題もバッチリ!
そうですか。それは便利でしょう。
コーヒーを飲みながらのんびりとリラックス♪
蔦屋書店が併設されたら、立ち読みならぬ、タダで座り読みし放題なのが魅力かもしれませんね。ついでに図書館の本も読めるということでしょうか。
広めのキッズゾーンには読みたい本がいっぱい!
こども図書館か、ブックマウンテンを館内につくるんでしょうか。絵本などが無料で読めたり借りれたりするのは嬉しいですが、それはどこの図書館でも同じです。少しみてくれが変わっているだけです。それよりも借りたい本がたくさんあることもほうが重要ではないですかね。
全般的にみて、これ書いた人は、あまり図書館を利用したことないのかなという印象を持ちました。
わざとツタヤテイストに合わせているのかもしれませんが、それにしても、本を借りるとか、目的の本を探すとか、蔵書や雑誌のラインナップはどうなっているかという、図書館としての基本的なことが、ほとんどふれられていません。
基本はどうでもよくて、周辺のことばかりアピールしている印象です。広告媒体としても、どうなのかな。あまり新図書館の魅力が伝わってないように感じました。
次に、新旧図書館の比較一覧表です。
新旧図書館の比較の一覧表をみますと、これまでのツタヤ図書館と、ほぼ同じです。延床面積が二倍になるのに、二階建てから平屋になることくらいでしょうか。
パースのキャプションは、商業施設の宣伝文句そのまんまです。魅力的にみえる言葉を使ってますが、図書館としての機能的な説明はありません。
気になったのは、以下のところです。
村の未来を担う子ども達のためにキッズゾーンを大きく配置します
公共空間に商業施設を一体化した総合情報センターの開館によって、よく言えば“新しい雇用”が生まれます。数百人単位で働く人が必要になりますが、いずれも民間企業のサービス業ですから、ほぼ最低賃金の非正規雇用の求人が、オープン前には大量に出ると思います。
「未来を担う子供達」が大人になって一度その世界に入ってしまうと、低賃金の非正規雇用の貧困スパイラルから抜け出せなくなるかもしれません。
施設全体に「知の拠点」のイメージが広がるよう、ガラス面を多くし、子ども達の学ぶ姿が見渡せるようにします。
丸亀市マルタスみたいに、えほんの山で大けがしないよう、どこからでも子どもがみえるよう安全面の配慮がなされるのは喜ばしいことですが、公共施設が必要以上に「「知の拠点」のイメージ」をアピールすることに、危うさを感じます。イメージではなく、ちゃんと図書館としての機能を追及してほしいものです。
総合情報センター内には、コミュニケーションの場としても利用できる「賑わいゾーン」、無音の空間を創り上げ、調査研究や学習等、集中した学びに対応した「集中ゾーン」、そしてそれらをつなぐ「中間ゾーン」とエリアを分け、様々な用途にあった図書ゾーンを利用することができます。
図書館や公文書館と、カフェなどの商業施設のゾーニングがキッチリされているのならいいんですが、「中間ゾーン」とか言って曖昧にすると、公私混同の元凶になりかねません。カフェや店舗の賃料、光熱水費を、公共部門にツケを回したりしないよう監視しておかないと、和歌山市のように、CCCの食い物にされかねません。
多くの村民に多様な理由で図書館を利用してもらう、その象徴としてカフェをメイン入口近辺に配置します。
入り口の一等地をCCCが占拠することをすでに宣言しています。まさか和歌山市のように激安賃料にならないといいんですが。たぶんなるでしょう。
村史編集室、行政文書保管庫、青少年センターは、貴重な資料の取り扱いやプライバシー等セキュリティ環境が必要な機能はできるだけ隣接させ、安全管理と効率的な運営が行えるように配置します。
これは意味不明ですね。村史編集室と行政文書保管庫は、村の直営で運営されるはずなのに、プライバシーとセキュリティーってなんなんでしょうか?
総合情報センター館内には「カフェ」「POP-UPショップ」、別館には「ローカルマーケット」「ホームセンター」の 4 つの民間収益施設を計画しています。POP-UP(ポップアップ)ショップとは、読谷村の魅力ある商品(モノ・コト)を販売する店舗です。
“POP-UP(ポップアップ)ショップ”をやたら強調していますが、それが図書館内の通路等で営業するのなら、とんでもない話です。タダ同然で借りて、激高賃料で他の店舗に又貸ししている和歌山市の二の舞になってしまいます。そんなことは、まさかしないですよね。とても悪い予感がします。
また長くなりましたので、つづきは別の記事にします。
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2020年8月29日土曜日
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