2021年8月4日水曜日

小池都知事に出された指導票・全文

 

こんにちは、日向です。



違法な労働が平然と行われ、


6年前にも、労働局から是正指導を受けたにもかかわらず、


反省して改めるどころか、脱法的な手法を用いて、依然として違法行為が続けられていた



そう書くと、筋金入りのブラック企業が世の中に蔓延っているんだと思われるかもしれませんが、


その舞台が、東京都立高校という、歴史と伝統のある教育機関であるということに、改めて驚きを禁じえません。



その違法労働をさせていた東京都に対して、労働局から再度、行政指導が行われたという先日の速報（速報！また派遣法違反で指導された東京都）につづいて



本編記事が、さきほどビジネスジャーナルに掲載されました。


都教委、偽装請負疑惑で労働局が再び行政指導…順法意識の欠如と腐敗した体質が露呈


これ、見出しの表現は、少し大袈裟と感じられたかもしれませんが、もう本当に額面通りなんです。



この事件は、ついうっかりそうなったとか、認識が甘かったなんていう生易しいことではありません。



あきらかに違法性を認識していた都教委が、前回の是正指導後に、労働局から指摘を受けたことを真摯に受け止めて反省し改めるのではなく


これまで通り違法労働をつづけたいがために、脱法的な仕様書のしくみをつくって摘発を逃れようとした、非常に悪質な行為であることがわかってきました。



関係者のコメントを集めてみると、私が一度書いた草稿の認識がとんでもなく甘いものだったことをあとから痛感したほどでした。



詳しくは、上記の記事を読んでいただくとして、工事現場にたとえていえば



現場の作業員を全員「現場監督」（業務責任者）にしたようなもの



「名ばかり管理職」ならぬ「名ばかり管理者」にすることによって、


委託会社の本社にいる責任者を通して指示命令を出さないといけないところを


学校図書館の現場従事者の誰にでも、直接指示命令を出しても違法ではない


ということにしてしまったんですね。



実態としては、完全に労働者派遣事業なんですが、形式的には、あくまでも業務委託にしているんです。



で、今回、すでにこの違法性が議会でも指摘されて、この3月に、民間委託された128校の都立高校にある学校図書館の委託の廃止が決定。


今後、2年をかけて、合法的な直接雇用に転換していくことが決まりました。



ふつう、そこまでなれば、労働局としても、東京都知事に対して、いまさらややこしい行政指導なんかするはずもないんですけれど


いや、いくらなんでも、これは看過できない


ということで、6/8に東京労働局長名で、小池百合子都知事あての指導票が出されたわけです。






文末に、全文を記しておきます。



労働局の関係者によれば、「指導票」は「是正指導」とは違って、違法の事実が確認できない状態でも出せるので



指導の強さの面では、やや弱いと言えますが、中身は、ゼロから業務を点検して、現場に法令を周知徹底させなさい


と、いまさらながらなっております。



この後の焦点は、果たして都教委はこの指導票に対してどう対処するかです。



2015年に偽装請負が発覚した際も、その事実を一切公表せずに隠蔽されていました。誰も責任をとっていません。


そのときに指摘されたのとまったく同じことについて、再度、指導を受けた今回も、また


一切公表もせず、東京新聞はじめとしたローカルメディアですら、一行も書かないのでしょうか。



以下、指導票テキスト全文


令和和 3年6月8日


東京都知事小池百合子殿


東京労働局長


　貴事業所において下記の事項について改善措置をとられるよう、指導します。（この指導票は5年間保存してください。）



措置の必要性


東京都は、都内128校における都立高校図書館業務運営について、入札により決定した5社と委託契約を締結し、委託運営を実施しているが、当該業務について調査を行ったところ、教員から、受託者の労働者(以下、「労働者」という)への直接指示が疑われる状況が認められた。


ついては、発注者である東京都は、自ら各学校における図書館の状況を十分に理解・把握し、図書館業務担当教員のみならず全ての教員に対して適正な運営実現のための指導を行うとともに、定期的に教員や受託者に対して、教員を含めた発注者からの労働者への作業指示の有無を確認し、問題を認めた場合には直ちに改善を行うことにより 、実態として労働者とみなされるような状況を生じさせず、労働事業と請負により行われる事業との区分に関する基準を定める告示(昭和61年働省告示第37号 )に照らし、適正な運営を実現確保するよう、改善 を行うこと。



措置の内容


1、左記については、「労働者事業と請負により行わ れる事業との区分に関する基準」(昭和61年労働省告示  第37号)に照らして、点検及び確認を実施し、必要な是正措置を速やかに講ずること。




2、上記の点検及び確認の結果、問題が認められた場合には、その内容及び結果について、速やかに東京労働局受給調整事業部受給調整事業第二課あて書簡にて報告すること。



本編記事はこちら↓

都教委、偽装請負疑惑で労働局が再び行政指導…順法意識の欠如と腐敗した体質が露呈


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