2021年8月16日月曜日

和歌山市が南海電鉄に払った5年間の補助金を集計


こんにちは、日向です。



本日は、みなさんに、とっても興味深いものをおみせしたいと思います。



下の書類をみてください。













添付書類も含めると、全部で100枚以上あるうちの、数枚だけピックアップしたものなんですが、


これ、新しい市民図書館を建設するために、和歌山市が施主となった南海電鉄に支給した補助金の執行書類です。


和歌山市南海支払記録20180927開示.pdf

和歌山市南海補助金開示2111コピー.pdf


2018年7月に最初の開示申出を行いまして、その後翌年春にも執行されている部分の開示をお願いし、





さらに、グランドオープンして5か月後の昨年2020年11月にも、残りの執行分を開示してもらっていましたので、


それらを、今回すべてつなげてみたんです。



そうすれば、和歌山市が、新しい市民図書館を建設するために、南海電鉄に払ったのは、総額でいくらなのかがわかるはず。



で、まだ確認が取れていないので、私の勘違いも一部あるかもしれませんが、とにかく書面上で確定（または給付決定or金額変更決定）した補助金の総額を出してみました。



下の表をみてください。これが年度別に整理しなおした補助金の執行額です。（間違っているかもしれませんので、これから確認のうえ、随時修正していく予定です→2021/8/27追記　文末に修正版を掲載ました※1）


　　　　　●都市再生課・補助金執行一覧


最後の合計の金額のケタ数がみえますでしょうか？　いち、じゅう、ひゃく、せん、まん……と数えていくと、11ケタあります。


13億じゃあないですよ。134億18,94万2000円でした。


なんで、そんなとんでもない額になっているのかといいますと、


南海電鉄に支給される国や県の補助金も、先に和歌山市が全額立て替えて払っていたからです。


そのあたりの事情は、　南海電鉄への不可解な補助金執行　をご参照ください。



市民図書館が入る複合施設・キーノ和歌山の総事業費は、123億円の予定でした。そのうち、市と県で32億円（うち市が18億円）、国が32億円の計64億円の補助金が南海電鉄に出る予定でした。


また、図書館建設費用30億円のうち、15億円は国から補助金が出る見込みのため、和歌山市の負担は15億円ですが、南海電鉄に払うのは、あくまでも30億円。


64億円と30億円の計94億円を、南海電鉄は国や自治体から補助を受けられる予定でした。


ところが、実際に国や県の分の立て替えてた和歌山市が、南海電鉄に払ったのは134億円だったのです。【※追記1】


和歌山市は、立て替えた分の国32億円＋県14億円＋国からの図書館建設補助15億円の計61億円は、あとから戻ってくるはずですが。



巨額の補助金が投入される公共プロジェクトでは、実施する自治体が民間に立て替える慣例があるのかと思ったら、それはありませんでした。




前記のブログから、該当部分を引用してみましょう。


補助金の前払いは、他都市では行っているのか？


との和歌山市サイドの問いに対して、RIAがこう回答していました。


補助金の前払いは弊社では受けたことはない



ほぅー、これは凄い。前払いなんてフツーじゃあないんだと。



さらにこう和歌山市サイドが続けています。



もし、国費、県費の補助金の決定をいただく前に、市がかぶる覚悟で、交付決定を出すことは事務処理上は可能だが、それを決断するかどうかは別である。



結果的に、県と国の分も立て替えて前払いしているわけですから、この後、尾花市長は、この行為を“決断”したんですね。




実は、この会議録の記述は、全面黒塗りされていた部分が内部告発であきらかになった箇所です。


独自入手した2016年6月30日開催の調整会議議事録より。文字背景がグレーになっている部分は、和歌山市が開示する際に、この文書作成者が黒塗りを希望していた部分と思われる





そこまで南海電鉄を優遇してでも、和歌山市は、市民図書館を市駅前につくりたかったんですね。



そして、当初の思惑通り、建物着工前の2017年11月にカルチュア・コンビニエンス・クラブを指定管理者に選定したというわけです。




私はsnsで、


和歌山市の新しい図書館行ってみたらすごく快適


とか


蔦屋とコラボしてスタバもあるなんてサイコー


市民図書館のスタバのフラペチーノおいしい！



なんていう無邪気な和歌山市の人たちの書き込みをみるたびに、



みなさん、市民図書館をタダで使えてると勘違いしてるけど、和歌山市は、そのために、いくらカネを注込んだとおもってるの？


と、ついぼやきたくなります。



和歌山市民にとってみれば、このほかにも、市民図書館には、開業準備費用に1億円、新システム導入費用に3億円、毎年の指定管理料に3.3億円もCCCに払っています。


それが財政を圧迫して、まともな市民サービスができなくなったり、国民健康保険や介護保険料が高くなったり、新型コロナ対策の補助金もしっかりできなくなったり


といったシワ寄席が、これから徐々にでてくると思われるのに、


なんで、中身カラッポの図書館を、あんなにありがたがるのか本当に理解に苦しみます。



まぁ、市民にはこういう情報は、一切知らされていないので、当然そうなるんですけれど。


よろしくお願いいたします。



【8/17　17:00　※追記1】さきほど、上記の内容を和歌山市都市再生課に確認しましたところ、やはり、一連の開示書類の決定・確定金額をすべて足していった134億円というのは、南海電鉄への補助金としては過大な額であり、正確ではないとのこと。そこで当ブログの記載を、どこがどう違っているのかをご担当の職員の方にみていただくことになりました。概算では、この半額くらいではないのかとのことでしたが、南海電鉄へ建設を委託していた肝心の図書館本体の買取費用30億円は、ここには入らないそうです。つまり、都市再生課が所管している公文書にはない。それについては、市民図書館を管掌する教育委員会・読書活動推進課のほうで管理しているとのことでしたので、また後日、そちらに開示をお願いしたいと思います。→結局は総費用100億円オーバー？


※1【2021/8/27　16時55分　修正版を追加しました】

さきほど、和歌山市都市再生課から上記の南海電鉄に対する補助金合算表にいての回答をいただきました。「補助金は、「決定」したのちに「確定」または「変更」するので、一部二重計上されている」とのことでしたので、「では、合算表から「決定」の部分を抜いて、「確定」と「変更」のみとすれば、正しい執行額になるか？」とお聞きしましたところ「そうだ」とのことでしたので、以下のように修正しました。総額は、79億2000万円でしたが、この中には肝心の新図書館の買取費用は含まていないそうです。これらの件については、別のエントリーを立てて詳しく解説する予定です。よろしくお願いいたします。


●都市再生課・補助金執行一覧・2021/8/27修正版


前記の合算表から「決定」とされた書面の金額のみを抜いて「確定」と「変更」（増減額のみ）を残して作成したもの。これについても、もし間違いがあれば、後日、再修正していく予定です。


　

　




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