2022年2月21日月曜日

村民の意見を聞かない読谷村


こんにちは、日向です。 


ツタヤ図書館問題というのは、その地域で起きているのに、ふだんは気づかない政治や行政の構造的なおかしさを、ある日突然、きれいにあぶりだしてくれます。


先日来、お伝えしております次のツタヤ図書館になりそうな沖縄読谷村の件


本日は、パプリックコメントについて読谷村・企画政策課に聞いてみました。


巨額の資金をかけて新しい図書館を建設するプロジェクトでは、運営者をどこにするか以前に、どういう図書館・複合施設にするのかっていうことを、広く市民の声を聞くパプリックコメントを募集するのが一般的です。



読谷村では、新しい図書館や公文書館・郷土資料センターを建設して、20年にわたって総額34億円のプロジェクトを民間事業者に任せるわけですから、その計画推進の前に、もう何度もパブコメを募集したり、説明会を開催したりしているはずと思いまして、いつ頃、何回くらい行われたのか聞いてみました。


すると


本PFI事業にあたってでは、パブリックコメント募集は、一度も実施していません。



と言われてしまいました。



えっ、一度もですか? 村民の意見を聞かなくて大丈夫なんですか?


と問いましたところ



議員さんには、全員協議会で事業について何度も詳しく説明しています。その資料は日向さんがすでに開示請求されてますから、お送りしました。



――えっ、私そんな資料を請求してましたっけ?


と自分では、すっかり忘れてましたが、全員協議会の議事録が存在しないと言われました(※1)ので、仕方なくそのときに説明した資料を、武雄市や和歌山市の視察復命書を請求した際についでに書いておいたことを思い出しました。


(※1)2020年に市民活動センターの運営者にCCCを選定した丸亀市では、全員協議会の議事録もすべて作成していました。→ 公募前に議会に呼ばれたCCC 参照


議員さんに説明すればそれでいいというのは、いくらなんでも、これだけの大きなプロジェクトを進めていく行政の姿勢としては、どうなんだろうと思いますね。


あの和歌山市ですら、市駅前の新図書館建設にあたっては、まず新しい図書館計画を作成し、パブリックコメントも募集し、それを計画に反映(図書館に設置してほしいのはカフェとか)新しい図書館について考える市民団体(偽装?)が活動を始めたり、指定管理者募集前には、新図書館についての説明会を実施したり、さらには応募してきたCCCとTRCの公開プレゼンを実施したりといった、一応は、形式だけでもプロセスを公開しつつ市民の声を聞く手順はあったんです。


教育委員会付属の図書館協議会でも、当時、和歌山大学の特任教授だった渡辺幹雄先生が座長になって、新しい図書館をどうするのかという一応の議論はありました。(答申されなかった専門家会議


ところが、読谷村では、そういった村民の声を聞くプロセスが、いまのところ、どこにも一切みつからないというんですから、驚きを通り越して呆れ果ててしまいました。



読谷村というところは、丁寧に村民の声を聞いていくというより、どうやら村長や役場が引っ張っていくスタイルの行政のようです。



読谷村では、今回のPFIを実施するにあたっては、国土交通省が定めたプログラム通りに計画を進めていって、法的にPFIと認定されるために、「特定事業の選定」という作業までキッチリ行なっていましので、国土交通省に、その認定を受けるためには、パブリックコメント等市民の意見を聞く作業は必須なのでは?と問い合わせましたところ、


必要ありません


との回答でしたので、ほかの補助金も受給していないようですから、法的にはセーフのようですが。



それにしても、ホームページで、事業の詳細は公表している


と企画政策課ではおっしゃってますが、そうすると、たとえばインターネットとかあまり使わないお年寄りとかはどうしているのでしょうか?


みなさん器用にスマホを操作して、いちいち村のサイトにアクセスして、新しい図書館はこうなるのかという情報を得ているのでしょうか?


つい、そんな皮肉が口をついてて出てしまいました。


追記 本事業の源流になっている2012年に公表された基本計画を作成する際には、もしたかしたらパブコメを募集しているかもしれませんが、その点は確認できていません。





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