2022年2月21日月曜日

内閣府の「ハニートラップ」

 

こんにちは、日向です。




読谷村では、今回の総合情報センターPFIプロジェクトを進めるにあたっては、国の補助金は一切入っていないとのことでした。


不思議でしたけど、担当部署の方がそうおっしゃるなら、そうなんだと思っておりましたところ、


たまたま先日、ある講演会でおめにかかった図書館関係者の方から、さきほどメールをもらいまして、そのなかでこんな指南を受けました。


>内閣府が「事業調査費補助金」名目で毎年一千万から二千万円をハニートラップよろしくバラ撒いては結局自治体から公費を企業に吸い上げさせている


あっ、そうか。国土交通省ではなく、内閣府も補助金出してるのか!


そう気づいて、内閣府に問い合わせまして、さんざん調べてもらいましたところ


読谷村からも申請が出てますよ



との回答が得られました。金額は不明ですが、一応その書類はアップされているのを確認しました。


令和2年度

優先的検討規程運用支援

支援対象地域支援事業名要約版支援の内容
宮城県登米市令和2年度 登米市におけるPPP/PFI手法優先的検討規程策定・運用に関する調査検討支援業務(PDF形式:669KB)PDFを別ウィンドウで開きます(PDF形式:779KB)PDFを別ウィンドウで開きます
京都府京田辺市令和2年度 京田辺市におけるPPP/PFI手法優先的検討規程策定・運用に関する調査検討支援業務(PDF形式:498KB)PDFを別ウィンドウで開きます(PDF形式:992KB)PDFを別ウィンドウで開きます
沖縄県読谷村令和2年度 読谷村におけるPPP/PFI手法優先的検討規程策定・運用に関する調査検討支援業務(PDF形式:839KB)PDFを別ウィンドウで開きます(PDF形式:610KB)

https://www8.cao.go.jp/pfi/shien/anken_chousagaiyou/anken_chousagaiyou.html





そこで、またすぐに読谷村に問い合わせましたところ



先週までは、なにを聞いても、本当にこころよく答えていただいたのに、今日は担当者の上司の方が出てきて、こう言われてしまいました。



その点は、申し訳ないですが、言った言わないの誤解があったらいけませんので、正式な文書として開示請求をかけてください




――実は、いまニュース記事にしようと原稿を書いているところなので、とてもその結果を待ってられません。

そもそも「調査も含めて、補助金は一切出てない」と、○○さん方がおしゃったのに、どうやら事実とは異なるのではないのか、その確認だけでもお願いしたい


そう申し上げましたが、聞き入れてもらえませんでした。



で、仕方なく、再度内閣府に電話して、読谷村に支給された補助金額を聞きましたところ


補助金額は非公表です


とのこと。理由は?と聞いても、納得できる回答はなく、こちらも正式な開示請求をしてほしいということでした。



すみません。話が長くなりますけれど、そこで内閣府に読谷村が申請した調査費補助の募集要項をお聞き気しましたところ、支援の内容が判明しました。



内閣府が委託したコンサルタントによる資料提供や助言、内閣府職員やコンサルタントの地方公共団体への派遣等により、地方公共団体が行う優先的検討規程の策定、又は、実際に事業化することを念頭に対象事業に関する優先的検討規程の運用の初期段階を支援します

   https://www8.cao.go.jp/pfi/shien/r2/pdf/r2_yuusen_youkou.pdf





着目したいのは、「内閣府が委託したコンサルタント」という箇所です。よくよく話を聞いてみましたところ、要するに内閣府がお金を払うのは、自治体ではなく、直接業務にあたるコンサルタントなんですね。


なるほど、それなら読谷村の担当者が言っていた調査費も補助は受けてない


というのは、まんざらウソではなかったということになります。実質的には補助は受けているんだけれども、カネをもらったのは、読谷村ではなく、業務を内閣府から委託されたコンサルタントだというわけです。




さて、では、読谷村の総合情報センターPFI業務の調査にかかわるコンサルタントを務めたのは、誰なのか?


まだ確定的なことはわかりませんが、少なからぬ関与をしているのがこの人だろうと思います。






この方は、今回のPFIに関する事業者コンペの選定委員も務めていて、PFIの第一人者であることは確かのようです。


担当部署にしつこく確認したところ、「アドバイスはしてもらっている」とのことでした。


そして、たまたま、ネット上をウロウロしていたら、興味深いものを拾ってしまいました。





この方が講演で使用されたパワーポイントの資料です。読谷村の今回のPFI事業が事例として取り上げられています。このなかで、すぐに私が注目したのは、この講演の日付でした。


2021年5月21日



あれっ、確かPFI事業のコンペの募集要項が公開されたのが2021年4月30日だったはず。実際に事業者が応募書類を提出したのはさらにその3か月後の7月のこと(選定結果発表は12月24日)。


とすると、このコンサルタントの先生は、募集要項が出たばかりの案件の事例を使って、講演をしていることになります。いや、もう一度日付をみてみます。間違ってないですよね?


2021年5月21日


事業者が選定され、事業もスタートしてからでしたら、事例として使用されることには、なんら問題ないのかもしれませんけれど、現在進行中で、まだ事業者も決まる前に「PFIっていうのは、こういうふうにやるんだ」とばかり事例として講演しているわけなんですよ。



なんかこれって、他のツタヤ図書館誘致自治体でも既視感あるなと思っていたら、そう、和歌山市の関係者会議で、まだ図書館の指定管理者を募集する、何年も前に、RIAの担当者が、多賀城のプロジェクトについて発表していました。当時、多賀城は、まだ骨組みさえできていない設計図の段階でしたのに、まるで成功例のように紹介していました。



ペーパー図書館”と国交省



話を元に戻します。内閣府の補助金について教えていただいた図書館関係者の方の真意はこうです。



営利企業が利益を追求するのは当然としても、それに内閣府が加勢をして公費を貪らせて公的機関を弱体化させる構図は看過できません。



「ハニートラップ」というと、色仕掛けのスパイをイメージしがちですが、コンサルタントの調査費を内閣府が補助して、民間が儲けるPFIを推進するというのは、文字通り「甘い蜜」で誘うということです。


私は、この話を聞いて「調査費」の名目で、核のゴミ・最終処分場について検討する自治体のことを思い浮かべました。構図としては、似たようなところがあるのではないでしょうか。


ところで、それにしても総合情報センター本体の補助金がゼロというのは、まだ、何か裏があるに違いないと疑っていますが、そちらはすぐには解明できそうもありません。


なにかヒントがありましたら、みなさんもぜひ教えてください。


よろしくお願いいたします。





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