2023年7月5日水曜日

ラーメン屋のような“行列自慢”をする平井館長

 

こんにちは、日向です。


2022年11月11日に行なわれた和歌山市民図書館・運営審議会(和歌山市民図書館・運営審議会会議録.pdf)について、これまで何回か書いてきました。





本日は、そのつづきです。


この運営審議会が、実質的に来期から5年間の指定管理者を決めるための前哨戦といいますか、現指定管理者であるカルチュア・コンビニエンス・クラブの運営がいかにすばらしいかを、専門家会議のなかで御墨付を与えるようなものではないかと、これまでも何度か指摘してきました。


それがいちばん如実に現われているのが、議事録の4ページ(PDFファイルの7ページ)から始まる平井薫館長の発言です。

通常でしたら、開館から現在までの状況をできるだけ簡潔に報告して、「委員の先生方のご意見を賜りたい」とつなげるはずなんですが、


なんと、ここでは、平井さんの独壇場といいますか、息つく暇もなく言葉を繰り出すマシンガントークが展開されています。






下をみてください。平井さんの発言がどのくらいの時間続いたのかを計算(話す速度を標準的な1分間300字として)してみました。



新・市民図書館の紹介

7p 40*11=440

8p 40*36=1440

9p 40*36=1440

10p 40*6=240

3560字


(司会者の合いの手)


新・市民図書館の開館から現在までの状況

10p 40*23=920

11p 40*36=1440

12p 40*36=1440

12p 40*9=360

4160字



4ページにわたって3,560文字/300=11.86666666666667 12分


4ページにわたって、4,160文字/300=13.86666666666667 14分


約26分




1分間300字という標準的な話す速度に換算すると、26分間もひとりでしゃべりつづけているんです。その内容は、ほとんどが自社運営がいかに素晴らしい成果をあげているかというアピール、つまり早い話がプレゼンテーションですね。


これをみて、なるほど、これまで開館後に一度も開催しなかった運営審議会のこの場を、CCC単独のプレゼンの場にして、次期指定管理者の選定につなげようという思惑なのかなぁと思ったわけなんです。



ところがですよ、前回も述べたように、よくよく読んでみますと、平井さんのアピールが、CCC運営の素晴らしさを浮き彫りにするどころか、いやいや、それは違うだろうよ、と思うようなことが次々と出てくるんですね。


具体的に指摘しておきますと、以下のアピールです。よく読んでみるとわかるのですが、公共の図書館の運営というよりも、なにか商業施設の活況状態を、ひたすらまくしたてているような印象です。しかも、それらの数字の信ぴょう性もかなり怪しいんです。


とりわけ、これは、看過できないと思ったのが、開館前の行列についてです。






これ和歌山に限らず、自習室の席取りのために、開館前から利用者の行列ができるのがツタヤ図書館の風物詩のひとつになっていて、ときにはその行列が長くなることもあるんですが、さすがに人気の飲食店ではないので、行列がアピールポイントになることはありませんでした。


なのに、平井館長は、この行列の長さを自らの成果のように語っているんです。


初年度は行列が60メートルあり、土日祝日には200名も並んでいる。それが2年めになると倍の120メートルにまでまでなり、2年めの冬には180メートルと、どんどん並ばれる人が増えてますと


みなさんもたぶん、凄い違和感を覚えたはずで、これがいまいちばん人気のラーメン屋でしたら、なるほど、行列ができる店としてアピールするのもふつうのことなんでしょうけれど、いいですか、ココは、公共施設ですよ。


朝早くから長蛇の列にならばないと利用できない行政サービスなんかあったら、たちまちクレームの嵐のはず。役所の窓口で、延々と人が並んでいたりすれば、それは一刻も早く解消されるべき不具合のひとつで、それを、さんざん放置・助長させておいて、自ら運営する施設の人気度を示すバロメーターとして利用するなんてことがあっていいのでしょうか?


そもそも図書館の資料を利用しないで、ただ勉強をするだけの「持ち込み学習」は、図書館の本来の目的からは大きく外れてしまうので、かつては全面的に禁止すべきという意見も多くあったくらいです。


最近は、別に自習室を設けることで、持ち込み学習を可能としているところが多いとは思いますけれど、それでも毎日のようにキャパをこえる利用者があったり、あるいは、特定の人たちだけが朝早くから並んで、無料wi-fiとして活用したり、公設シェアラウンジとして席を確保しようとする行為などが目にあまるものであれば、その状態を良しとせずに、なんらかも方法で、不公平にならないように改善策を講じるべきです。


そういう対策をなにも講じずに、2年目3年めと、どんどん行列が長くなってます、なんてアピールすること自体が、「公共」の意味をまったく理解しない言説といえるでしょう。


役所の手続の窓口と同じで、むしろ行列ができないようにするのが喫緊の課題なのに、120メートル、180メートルも行列ができてますなんてアピールする平井館長の見識のなさには、ほとほと呆れかえります。


お前は、ラーメン屋の店長か?


そう言われかねない内容だと思いました。



一事が万事その調子で、CCCの人たちのプレゼンの特徴として、


とにかくやたらめったら数字を出してくる


という傾向がありまして、なんでも数字にして、こんなに成果をあげているんだぜオレらみたいなアピールが延々とつづくんですね。


あとは推してしるべしと言う感じで、どの数字も、本当にそれが成果として上げるのに適切なものなのか?という疑問がついてまわります。



その点については、また後日書いていきたいと思います。


一方、こうした見識のない運営サイドの実績アピールに対して、審議会の委員のセンセイ方は、どうみているのでしょうか。会議録を詳しくみてみても、特に疑義を呈している様子もありません。


なかには、平井館長のプレゼン映像でみせられた行列のスライドをみて、とても素晴らしいことだと持ち上げる委員もいるくらいです。


間違った方向にいきがちな運営側の事業者を質すべき立場の委員までもが、一緒になって、CCC運営をベタ褒めしているのには、うすら寒いものしか感じませんでした。

唯一の図書館専門家としてわざわざ神戸からきている長谷川先生ですら、この件については、特になんの意見も述べていませんでしたので、本当にこの審議会はダメダメだなぁという印象しかありません。


よろしくお願いいたします。


行列180メートルのカラクリ へつづく


【関連記事】



“空箱”を拝んだ142万人


CCCと専門家会議をつなぐ点と線  

和歌山市の簿冊タイトルが開示されました 

答申されなかった専門家会議


「CCCの営業マン」 と呼ばれた話題の市議を直撃!【前編】











宇城市へ情報開示決定の審査請求を行いました和歌山市へ提出されたCCC開館準備報告書 ●和歌山市CCCとの定例会議・議事録を入手(その3)添付資料 ●和歌山市CCCとの定例会議・議事録を入手(その2 ●公式回答が“ウソ八百?”の和歌山市読書活動推進課 ●高石市で蔦屋書店の相棒となった日本測地設計 ●和歌山市CCCとの定例会議・議事録を入手(その1 ●大阪府高石市は、蔦屋と南海のカモ? ●『雇用保険から排除される非正規労働者~』の記事が出ました ●蔦屋書店は悪くないと言う高石市の担当課長 ●速報!“ツタヤ図書館もどき“が大阪府高石市にもできる?




…………………………………………………………

2020年8月29日土曜日

…………………………………………





20206月》

和歌山市民図書館は、ICタグ装備せず「ICタグと自動貸出機」はセット自動貸出機についての補足説明和歌山市民図書館の自動貸出機について3800万円“安全対策”出来レースの代償後編出来レースの代償・前編専門家がほとんどいない審議会 『第9版 失業保険150%トコトン活用術』についてのお詫びと訂正 TSUTAYA占領地のレジスタンス 疑惑まみれのグランドオープン 白塗り”に隠されていた告発意図


20205月》

20204月》

20203月》

20202月》







2019/12/23
2019/12/12
2019/12/12
2019/12/07
2019/12/06
2019/10/10
2019/10/07
2019/10/01
2019/09/28
2019/09/27
2019/09/28

2019/07/28
2019/07/21
2019/07/20
2019/07/14
2019/07/14
2019/07/13
2019/07/12
2019/07/9
2019/07/6
2019/07/5
2019/07/5
2019/07/1
2019/06/29
2019/06/29
2019/06/27
2019/06/26
2019/06/25
2019/06/24
2019/06/21

2019/06/21
2019/06/19
2019/06/19


2019/06/08
2019/06/07
2019/06/06
2019/06/05
2019/06/01
2019/05/31
2019/05/30
2019/05/30
2019/05/28
2019/05/26
2019/05/23
2019/05/03
2019/04/29
2019/04/27
2019/04/25
2019/04/23
    2019/04/22
2019/04/19
2019/04/19
2019/04/09
2019/04/06
2019/04/06
2019/04/05
2019/04/05
2019/03/25
2019/03/17
2019/03/08
2019/02/26
2019/02/25
2019/02/24
2019/02/22
2019/02/20
2019/02/18
2019/02/17
2019/02/15
2019/02/14
2019/02/09
2019/02/08
2019/02/02
2019/02/01
2019/01/28
2019/01/27
2019/01/24
2019/01/15
2019/01/14
2019/01/13
2019/01/13
2019/01/10
2019/01/07
2019/01/06
2019/01/03
2019/01/03
2019/01/03
2019/01/03
2019/01/03
2019/01/03
2018/12/31
2018/12/31
2018/12/29
2018/12/29
2018/12/22
2018/12/22
2018/12/20
2018/12/20
2018/12/20
2018/12/19
2018/12/19
2018/12/15
2018/12/12
2018/12/10
2018/12/09
2018/12/08
2018/12/08
2018/12/02
2018/12/01
2018/11/30

2018/11/29
2018/11/27
2018/10/07

2018/09/23

2018/09/23
2018/09/20
2018/09/19
2018/09/17

2018/09/15

2018/09/15




0 件のコメント:

コメントを投稿