2021年5月14日金曜日

電話をガチャ切りする図書館受託企業

 

こんにちは、日向です。



みなさんは、大人になってから、電話をガチャ切りされた経験というのは、おありでしょうか?



私も、職業柄、見ず知らずの方に電話する機会は結構ありますけれど、めったにそんな経験はありません。


それでも、ごく稀に、まだ話の途中なのに電話をガチャ切りされることがあります。



本日の午後、ひさしぶりにそういう経験をしました。



相手がブラック企業の経営者だったり、やばそうな人だったら、別に驚きもしないのですが、



そのガチャ切りされた相手というのが、公務といいますか、教育現場でもある都立高校学校図書館を運営している民間企業の人(たぶん経営陣)でした。



都立高校学校図書館の民間委託については、近くまとまった記事を出す予定なので、詳しくはそちらに譲りますが、概要だけメモ代わりに記録しておきます。


都立高校、偽装請負疑惑で労働局が2度目の調査…学校図書館の民間委託が破綻






本日、電話連絡したのは、都立高校の学校図書館の運営を受託している都内に本社がある企業三社(いずれも中小企業)です。



これらの企業について調べていくうちに、決算内容が知りたいなと思いまして、


当然、入札時、あるいは指名競争資格の審査に企業情報として役所に提出されているはずと、


東京都の財務局に、受託企業情報について問い合わせてみましたところ


結論としては、あるけど出せない


ということだったんですね。理由はややこしくて忘れました。



そこで、ふと思い出したのが、ほとんどの中小企業が決算公告を自社の専用サイトもしくは、官報に掲載して公告するとしていることでした。


だったら、それらの企業に直接聞いたほうが早いと思いまして、電話してみることにしたんです。用件は以下の通りです。




いま東京都の業務を受託している企業さんを調べておりまして、つきましては


貴社の決算公告は、どこでされていますか?(官報なら、直近のデータはいつのものをみればわかりますか?)



まず一社目は、電話に出た受け付けの方が、「担当者がいないので答えられない」というところまでは、予想の範囲内でしたが、


では、担当の方にお伝えください


として、申し上げた用件の、「決算公告」「決裁内容の公告」という言葉がなかなか通じませんでした。そこで、ゆっくりしゃべって、その通りにメモをしてもらいまして、こちらの電話番号を伝えると、担当者の方から折り返しご連絡をいただけるということになりました。また、明日、こちらからもご連絡はさしあげますとも申し上げました。連絡いただけるかどうか、はなはだ心もとないですが、なんとか用件は伝わった模様です。


次に二社目は「担当者がいないので」までは、一社目と同じでしたが、その後が少し厄介でした。用件はお伝えしたものの、先方の反応から

「はぁ?」という感じで、本当に用件が伝わったかどうか、こころもとない感じでした。


で最後に「お名前は?」とお聞きしましたところ「担当の者です」とおっしゃるんですね。意味不明でしたが「それは、明日また用件をお話しすれば、ご担当の方を呼んでいただけるということですか?」とお聞きして、ようやく「そうです」となりました。



さて、三社めは、いよいよガチャ切り案件です。こちらも、決算内容が知りたいので、どこに掲載されているのか教えてくださいということまでは伝えたところ、何度か「少々お待ちください」と言われて、電話の相手が代りました。


そして最後に出た女性の、おそらく経営陣なのか幹部なのかに代わって、用件を伝えましたところ、こう言われました。


電話一本で、そんなことにはこたらえれませんッ!


いや、電話でお聞きしようとしているのではなくて、決算公告はどちらをみればわかりますか? 貴社の登記簿の公告の方法に「官報」と記載されていますが、いつの官報に掲載されていますかということかがお聞きしたいのですが、株式会社では、会社法で決算公告が義務付けられてますので、もしされていないのでしたら違法になりますよ…


ということを申し上げている途中に、ガチャという音とともに、回線が切れてしまいました。



大事なのは、最後のところです。株式会社は、株主総会の終結後、決算データ(貸借対照表又はその要旨)の公告が義務づけられていまして(会社法第440条第1項)、これを怠った場合は、行政罰として「100万円以下の過料に処す」と定められています。(会社法第976条第2号)



まぁ、現実には、この法律守られていないケースも多いのですが、おおやけの仕事、しかもそれが学校図書館という教育にかかわることを担当するのですから、「そんな法律は知らん!」では済まされません。


別に決算公告するのがイヤなら、株式会社にしなければいいだけのこと。合同会社とか、合資会社とか、あと、いまは新規に設立できませんが、昔あった有限会社なども決算公告の義務は課せられていません。



前に、社員から「残業させるには、36協定を締結していないといけないんですよ」と指摘されて、


「なんだよそれ、うちにはそんなものはない!」と言い放った公共図書館運営会社の経営者の話を聞いたことがありますが、


今回のもそれと同じで、違法性を指摘されたとたんに、電話をガチャ切りですから、なかなかのツワモノです。




ちょうど、都教委に別の開示請求ことで、この後電話する用件がありましたので、


いやぁ、びっくりしました。法律で定められている決算公告の方法を聞いたら、電話をガチャ切りされましたよ。都立高校学校図書館の受託企業って、凄いですねぇ


と担当者に愚痴をこぼしておきました。


はぁ、そうですか。という力のない反応しかありませんでしたが。



とにかく、こういうコンプライアンスって何?みたいな会社が、東京都内では、図書館や教育に関係した仕事を多数受託して、ガッポリ儲けているわけです。



当ブログでも、これまでさんざんレポートしてきましたように、偽装請負や契約不履行のスキャンダルが噴出した結果、東京都が都立高校の民間委託を今後3年かけて廃止していくとなったのも、一部企業に対する単なる利権の拡大でしかなかったのかなぁという感想を改めて抱きしました。



そう言えば、最近公務の関係でガチャ切りされたのは、いつかなぁといろいろ思い起こしていたら、2017年にツタヤ図書館を開館した某自治体の担当者にどうしても問い質さないといけないことがあって、しつこく電話し続けた際に、ようやくつかまって話をしていたら、何が気にいらなかったのかわかりませんが、突然一方的にガチャ切りされたことがありました。相手は市教委の役人ですから、今回のケースに負けず劣らず酷い対応だと思います。




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