こんにちは、日向です。
和歌山市民図書館の開示資料について語り合う会
を当ブログ上で開催したいと思います。
第一回の本日は、除籍リストからいきたいと思います。
0003・除籍リスト2019~2021.pdf 129ページ
上記の開示資料をご覧になって、なにかお気づきのことがありましたら、コメント欄に書き込んでください。
よろしくお願いいたします。
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市民の方からお借りした資料を検品する弊社の警備スタッフ |
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【2023年7月1日 22時追記】
除籍リストの日付と冊数を一覧表にしてみると、以下のようになりました。
カルチュア・コンビニエンス・クラブによる指定管理が始まった2019年12月19日以降に決裁された除籍は、赤字の部分です。そのほかはすべて市の直営時代の除籍です。
開示書類は、単純な時系列でもないし、除籍種別でもなく、不可解な並び順になっています。これではわかりにくいので、直営時代と指定管理以降に分けて、年度別にページ数順に並べ替えてみました。
市教委直営 2019年12月18日まで
指定管理以降 2019年12月19日以降
※2023年7/12追記 赤字部分“113ページ 亡失資料の除籍・西分館 令和3年(2021年)3月31日 10”の「亡失資料の除籍」部分を「破損その他の除籍」と間違って転記していましたので、正しい内容に修正しました。
市教委直営の2019年度(12月18日まで)は、3236冊除籍しています。これに対して、CCC指定管理になった2019年12月19日~2020年3月31日まで)の2019年度は、138冊しか除籍していません。
さらに2020年度になると、丸々一年間で、491冊しか除籍されていません(2020年1月1日~2020年12月31日まではゼロ冊)。直営時代3236冊の7分の1です。
新館オープンまでは、45万冊蔵書していた和歌山市民図書館が1年3カ月もの期間、除籍ゼロで、年度末になってまとめて491冊だけ除籍したということになります。
これはありえない数字です。途中、グランドオープンした2020年中の除籍リストをゴッソリ抜いて開示されたと考えるのが自然でしょう。
【2023年7月6日追記・2020年中の除籍リストはないと回答】
下のコメント欄に書きました通り、本日、読書活動推進課の課長さんから回答があり、開示されたもの以外に、2020年中の除籍リストは存在しないそうです。ということは、2019年12月19日の指定管理開始から翌年2021年3月30日まで(翌日3月31日に駆け込みで除籍リストあり)の1年3か月ももわたって、CCCは一冊も除籍処理をしていないことが確定しました。
45万冊以上も蔵書があり、毎日のように選書した本の新規の受入があるはずなのに、1年3か月もの期間も蔵書を廃棄しなくても大丈夫だったのでしょうか。新館だったため、書架はいっぱいにならずに余裕があったということなんでしょうか。
そこまでの怠慢は考えにくいので、おそらく除籍作業自体は、ふだんから定期的に行なっていて、書架から本を抜いてはいるんだけれども、除籍の事務処理を行う時間と人手がなく、あとでまとめて行なう方式を採用していた。そして、この年は、年度末前日の3月30日に、たまった491冊の申請をして、翌日の3月31日にそれが決裁されたということではないかと思います。
そうしますと、実際に棚から本を抜いていて、利用者が借りたいと思って予約したり、書架を探したりしても、データ上はあるのに、現物がないという不都合が生じてしまいかねません。そういう事態が起きる確率はかなり小さいので現実には問題にはならないのでしょうけれど、行政上の手続としては、不適切と指弾される行為だと思います。
【2023年17/11追記 先週金曜日の7/7に、私個人で開示申出を行ないました】
下のコメントに書きました通り、7月7日金曜日に、以下の文面で、情報開示申出を行いました。
(1)2019年年度以降、蔵書点検の結果判明した不明資料のリスト
(2)2020年4月1日~2021年3月31日に西分館で受け入れた蔵書が登録された図書原簿
(3)2020年4月1日~2021年3月30日に蔵書の除籍に関連して作成された一切の書面(なければすぐに不存在決定を出して下さい)
(3)については、読書活動推進課の課長さんの「開示されたもの以外に、2020年中の除籍リストは存在しない」との口頭での回答を「文書不存在」決定を出してもらうことによって正式に確定するために出したものです。
※7/27追記 以下のとおり不存在決定が出ました。
なお、総務部市政情報班からは、ほかの申出項目の回答と一緒に不存在決定が明記されるので、それが不都合なら別紙にしてほしいとのことでしたので(3)のみ分離して一枚の申出書に(1)として掲載した申出書を再度送付しました。
ところが、昨日7/10の朝、開示申出書をメールで送っていた総務部市政情報班の担当者から電話があり「読書活動推進課に確認したら、この文面では、いくつかの文書が対象になるので不存在は出せないと読書活動推進課では言っていますが」と言われました。
「えっ、2020年度のものは期末の3/31の文書は除外して、3/30までの文書のみを対象にしたのに、それでも開示する文書があるということは、開示漏れだったのでは?」と市政情報班の担当者に申し上げたところ、「いや、読書活動では“~弁償本”のリストがあると言ってますよ」との回答でした。
このときの読書活動推進課の指摘した文書名をメモし忘れておりましたので、本日7月11日の午前11時すぎに、出先から、市政情報班に電話をして「読書活動推進課から指摘された文書名をメールで送ってほしい」とお願いしました(担当者不在のため、他の方に伝言をお願いし、その後担当者に直接伝えました)
文書名だけの簡単な一言メモなので、すぐにメールで確認できると思っておりましたが、午後に市政情報課の担当者ご本人が「一応、読書活動にもう一度確認している、確認でき次第メールします」とのことで、いまだにメールはいただけておりません。完全に両者をフリーズさせてしまったようです。
ん? もしかして、なにかマズイことを聞いてしまったのかな?と感じました。「ない」と言ってた2020年度の除籍リストは本当はあるのか、それとも2020年度はないけれども2021年度(2020年度の除籍分を2021年4月1日以降に処理したのか?)本当に不可解な事件です。
【7/27 追記 市政情報班からの回答内容】
問い合わせしていた件、7/12に総務部市政情報班より以下の回答がきていました。掲載するのが遅くなりまして、申し訳ありませんでした。
・図書の除籍は、亡失、リサイクル、弁償、不用(汚破損)の4つのパターンがある
・現在、読書活動推進課が保有する除籍リストについては、本館分の亡失及びリサイクルについては、2020年度の分は存在しない
・弁償については、2020年度の分は、2021年度とあわせて2021年度に除籍を行ったため、2020年度の決裁は存在しない
・2020年度の不用(汚破損)については、以前に開示した481冊分のもののみ存在する
・2020年度の西分館の分については、亡失が存在する
【7/27 追記 4種類の除籍状況からわかったこと】
この後、読書活動推進課に質問してわかったことも、以下にまとめておきます。
(1)「亡失」とは、蔵書点検の結果、4回連続で所在不明となった資料のこと
(2)「リサイクル」とは、除籍した資料を市民に譲り渡すもの(ただし雑誌はリサイクルに供しない)
(3)「弁償」とは、利用者が破損・紛失した資料を金銭で弁償したもの
(4)「蔵書点検の結果判明した不明資料のリスト」で開示請求すると「亡失資料のみが開示される」と回答されていましたが、後にそれは誤りであり、正しくは「亡失(4回連続で所在不明となった資料)および、1~3回連続で所在不明となった資料のリストが開示される」とのことでした。
このことからわかったのは、市民図書館がCCCの指定管理者になった2019年12月19日以降の2019年度と、グランドオープンした2020年度については、2021年3月31日に西分館で行なわれた10冊の「亡失」をのぞいて、すべてが「不用(汚破損)」(破損その他の除籍)であるということです。
CCC指定管理になってからは、今回開示された2021年3月31日までは、少なくとも本館では、「亡失」「リサイクル」「弁償」の三種類の除籍は行なわれていないことが判明しました。
・「亡失」は、CCC指定管理になる前に市の直営部門が多数処理しており、指定管理になってからは、まだ4回連続で所在不明となった資料は出ていない(蔵書点検を年1回しか実施しないため)
・「リサイクル」は、この間、一度も市民に提供するイベントを行なっていない
・「弁償」は、CCC指定管理になってから、すべて現物での弁償行為に限定され、金銭で弁償する方法が廃止されたため(過去に多賀城市で起きた“弁償本ネコババ事件”の影響と思われる)
要するに、2020年度は、「関西初出店のツタヤ図書館」のオープンで、CCCのスタッフは大忙しだったため、除籍にさける時間や人手が足りなかったというのが実情だろうと思われます。