こんなこと書いてるんですよ!
怒りの感情が抑えきれない様子でした。
昨日、和歌山市民の方から、グランドオープンが延期になっている南海市駅前の複合施設「キーノ和歌山」についての新聞記事がファックスされてきまして、
その中身を読んでみたところ、
確かに、これは、こころある和歌山市民だったら、怒るのも無理もないなと思いました。
ニューシンボルに期待いっぱい
キーノ和歌山全貌表す 人が主役のデザインに
そう題された毎日新聞の4/29付の地方面の記事で、筆者は、南海電鉄和歌山支社課長・杉本吉史氏。
前半部分は、自社が施主となって開発した
ホテルとショッピングセンターに、図書館を併設した「キーノ和歌山」がいかに素晴らしいかをとくとくと紹介しています。
少し引用してみましょう。
…東端の図書館から西端の駐車場まで、200メートル以上のコリドール (通路) でつなぎ、 一体性を感じさせる建築デザインを施しています。
駅の改札を出ると、圧巻の3層吹き抜けです。吹き抜けから駅前広場に出る時、左右に列が並ぶ長いコリドールがあり、壮観です。吹き抜けにかかる大屋根や1階コリドール、2階デッキの天井ルーバー (羽坂を平行に並べたもの)は、全て紀州材で統一されています。
外壁にガラスをふんだんに使用し、人の活動の様子が外から見えるように意図されています。また2階、3階に滞留空間を作って、人と人の交を生むことも考えられています。JR和歌山駅や以前の南海和歌山ビルのような存在感のある重厚な建物に比べると、人が主役で透明感のある、ゆったりとしたデザインになっている印象です。
南海電鉄が社運をかけて挑んだ、とまでは言われてませんが、総事業費123億円(うち公金94億円)が投入された巨大プロジェクトですから、完成した現地をみれば、さぞや素晴らしいエリアに生まれ変わったことでしょう。
問題は、その後の記述です。
新しい市民図書館について、杉本課長は、こう書いています。
指定管理者に選定された カルチュア・コンビニエンス・クラブは、民間の書店である東京の代官山蔦屋書店を手本にしていることが特徴で、壁一面の本棚はヨーロッパなどの歴史ある図書館をほうふつとさせます。なんて素敵な空間が和歌山にできるのでしょう!
はい? CCCによるツタヤ図書館独特の高層書架については、中身からっぽのダミー本を装飾用に配置していることは、これまでさんざん報道されてきて、批判もされてきたのに、当の開発担当者が、そんなこと何もなかったかのように
ヨーロッパなどの歴史ある図書館をほうふつとさせます
などと、もちあげたうえで
なんて素敵な空間が和歌山にできるのでしょう!
ですからね。私が和歌山市民だったら、確かに、ここで確実にブチ切れますね。
民間の商業施設ならいざ知らず、
地域の教育や文化の育成を担う公共図書館が、中身カラッポの箱を壁面に配置した“ハリボテ感満載”なのを、
よその人に自慢できますか?
しかも、
カルチュア・コンビニエンス・クラブは、民間の書店である東京の代官山蔦屋書店を手本にしていることがことが特徴で
とは、いったいどういう意味なのでしょうか?
おそらく、杉本課長が言いたいのは、
カルチュア・コンビニエンス・クラブ(が空間デザインを手掛けたツタヤ図書館)は(自社が開発した)東京の代官山蔦屋書店を手本にしている
ということなのでしょう。CCCという存在が、蔦屋書店をお手本にしているわけないですからね。
これを毎日新聞の校閲がノーチェックで掲載していることにも驚かされます。
「出来レース」をうっかり告白
まぁ、すべてのプロセスを知ってて、サラリーマンとしての立場上、何もしらないフリして宣伝したいという気持ちもわからなくはないので、
ここまでは、
しょーもな、南海電鉄
って思って、終わるところですが、
もうひとつ、私の立場上、どうしても、見逃せない明らかに事実と異なる記述も指摘しておきたいと思います。
それは、市民図書館についての以下の記述です。
駅前に移転する和歌山市民図書館は、建築中の早い段階で指定管理者を選定しました。これは、できあがった図書館を指定管理者に任せるのではなく、設計段階から運営者の意図を反映させるためです。
はぁ? CCCは、和歌山市民図書館に設計段階からかかわってきたんですか?
下の図を見てください。
これ、南海電鉄が施主となった再開発プロジェクト(キーノ和歌山)の設計事業者の選定結果です。
和歌山市を通じて私が再三行ってきた、設計者事業者を選定したプロセスの開示要請を頑なに拒絶してきた南海電鉄でしたが、
ある議員さんが
「巨額の公金が投入されているのに、情報開示しないのはおかしい。開示しないのなら公取に告発する」
と市当局に迫ったところ、市が動いて渋々同社が出してきたのがコレです。
当初、日付もない怪しい書面(【2】不可解な落札調書)
を出してきましたので、改めて要請して、ようやく出てきたのがコレでした。
基本設計が平成28年8月15日落札で、納期が翌年の平成29年1月31日。実施設計が平成29年2月1日落札で、納期は翌年平成30年2月28日です。
で、CCCが和歌山市から指定管理者に選定されたのは、平成29年11月30日。議会承認が翌月12月です。
つまり、CCCが正式に指定管理者に選ばれたときには、基本設計業務は、すでに終わっていて、実施設計だけ二か月くらいかぶってるんですよ。
その二か月間に、CCCは設計にかかわった?
そんなことはありません。というのも、CCCが初めて、和歌山市と南海電鉄などの関係者会議に出席してきたのは、平成30年4月9日からだからです。
「公益施設棟実施設計会議」と題された関係者会議は、平成29年7月4日からスタートしており、年度が変わった翌年平成30年4月9日からCCCは出席している。 |
これが「公益施設棟実施設計会議」が始まったときの出席者一覧。平成29年7月から翌年4月までの約9か月間にわたって、月に2~3回のペースで開催されていた。開示されたなかでは、4月9日を除いて、出席者欄にCCCの名前はない。 |
そこから、すでに設計業務は完了しているけれど、内装なんか細かい点を、ちょこっと話あったということなんでしょう。きっと。
出来レースか、虚偽記載か?
でも、杉本課長が言いたいのは、
カルチュア・コンビニエンス・クラブ(が空間デザインを手掛けたツタヤ図書館)は(自社が開発した)東京の代官山蔦屋書店を手本にしている
ということなので、おそらく基本設計の段階から、コッソリ、バレないようにCCCは、
代官山蔦屋書店も手掛けた設計事務所アール・アイ・エーや、和歌山市、南海電鉄とも詳細な打ち合わせをしてきたのでしょう。
なので、杉本課長の言うことが事実だとしたら、選定会議はただのセレモニーで、もともとCCCに決まっていた完全に出来レースであることになりますし、
いや、ごめんなさい、記事に書いたのは事実ではありませんでした。
ということでしたら、新聞に虚偽の事実を堂々と書いていることになりますので、
ぜひ、これからでも、毎日新聞に訂正を出されてはいかがかと思います。
あっ、そういえば、2016年にツタヤ図書館として新装開館した、多賀城市で内部告発された密談資料によれば、
まだ何も決まっていないのに、CCCの中林さん(現・延岡エンクロス館長)
が
「来週、RIAと打ち合わせしてきます」と発言【1】していましたのを、事実として、付け加えておきます。
【1】選定前の密談記録
【2】不可解な落札調書
“文書の宛名がない、作成者名もない、決済印もない、日付もない、この手の文書に最低限必要な予定価格とか、落札率とか、契約日などの欄が何もない、という実に怪しい文書でした。”
2020/04/30 13時16分追記 さきほど南海電鉄和歌山支社に連絡をしましたところ、筆者の杉本課長は「連休明けにならないと出社しない」とのことでしたので、当ブログに書いた内容を要約してお伝えし「もし事実と異なる点やご反論がおありでしたら、日向までご連絡いただきたい」と、ご本人に伝言をお願いしておきました。杉本課長から、ご反論等ありましたら、改めて本文に追記する予定です。
2020/05/07 15時12分追記
結局、連休明けになっても、杉本課長とは連絡がつきませんでしたので、さきほど南海電鉄本社広報部に電話でことの経緯をご説明して、該当部分の事実確認をしていただけるよう依頼しておきました。
2020/05/08/11時15分追記
筆者の杉本さんから電話あり、ご反論をいただきました。要旨は以下の通りです。
「2017年10月に和歌山市が指定管理者を募集した際の募集要項のなかに『空間イメージの提案』があったため、『設計段階から運営者の意図を反映』させたと認識している。社内でもそのようにしていると聞いている」→やりとりの詳細は、『うっかり口を滑らせてしまった?南海・杉本課長』の文末に追記しました。
うっかり口を滑らせてしまった?南海・杉本課長 へつづく
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