2020年12月20日日曜日

宇城市で進むコロナ禍の“ショック・ドクトリン”~スタバの家賃は5,833円!~

 

こんにちは、日向です。


先日、市立の図書館と美術館の指定管理者にカルチュア・コンビニエンス・クラブを選定した熊本県宇城市の件ですが、


指定管理者の募集要項のなかに、事業者が開設するカフェ等の家賃が月1万円にも満たない額ではないかと書きました。



これ、募集要項のなかに、年間の賃料が1㎡700円と記載されていましたので、


和歌山市のスターバツクスと蔦屋書店が200㎡をもとにした試算でしたが、宇城市の「カフェ等」の面積も募集要項の関連資料にこう記載されていたのを見逃してました。



営業可能面積は、不知火プラザ内(中央図書館・美術館)におおむね100㎡とします。


和歌山市の半分の面積だったんですね。


としますと、スターバックスと蔦屋書店を出店するCCCが宇城市に払う家賃は、


1㎡700円かける100㎡イコール7万円



になる計算です。年間7万円ということは、月の家賃にすると


5,833円です。

【※1】その後、賃貸面積が変更になったため、月当たり3,707円になることが判明しました。文末追記参照




それで、カフェ等の店舗を借りて、図書館と美術館の利用者を年間70万人を相手に商売しようっていうんですから、


とんでもなくおいしい話ですね。






熊本県宇城市の近隣の家賃を調べてみますと、店舗で、リフオームもなにもしていない築30年100㎡よりも広いのテナントでも、月の家賃は20万円以上で募集されています。






それからしますと、年間1億6500万円(現在の運営費1億1400万円)もの指定管理料を宇城市からもらいながら、月5,333円の家賃でカフェや書店を営業できるCCCにとっては、このうえもないくらいオトクな話なんですよ。(指定管理料は、宇城市議会・本日の反対討論でわかった4億円の改修計画より)




しかもですよ。募集要項にある市の説明をみますと、


工事については、市が設計・施工し、費用も市が負担します


となっていて、建物はすでにありますので、内装部分まで市がめんどうみてくれるというわけなんです。


カフェ等の内装費は、坪当たり40~60万円と言われていますから、どんなに安く見積もっても2000万円前後はかかる計算。もちろん図書館と美術館の公共スペースを除いた民間店舗だけに、それだけかかるんです。


いやもう、これは事業者としたら「おいしい話」どころではなく、


あからさまな利益供与といっていいかと思います。



そうなりますと、民間事業者としては、この話を世話してくれた政治家とかに、当然御礼をしないといけませんね。


もちろん、そんなことをしたら贈収賄になってしまいますので、絶対にできませんけれど。


市民感情からしたら、これは何かあるなとおもわざるをえないわけですよ。





ところで、話は変わりますが、ツタヤ図書館の問題について調べる前までは、私も、


PPP/PFIと呼ばれる手法は、民間企業のノウハウや資金を有効に活用して、行政が行う事業をより効率的に進めるものだと思ってました。


巨額の税金を投入しなくても、より安い費用でより質の高いサービスを提供できるのが指定管理者制度などを活用した官民連携の手法なんだと理解しておりました。


例をあげるとすれば、自治体所有の土地を自治体自らが開発すると、役人は商売が下手なので金がかかるだけのハコモノになってしまいます。


そこで、その開発が得意な民間に貸し出す。建設費も一部民間に出させて公共施設の入るビルを建ててもらい、一部を商業施設にすれば人が集まり、自治体は高額な家賃や地代収入を民間から継続的に得ることができ、少ない費用で、公共施設を運営できるわけです。



しかしながら、少なくともツタヤ図書館の例では、そういう効率的なスキームにはなっていません。


開館時間は増えますが、図書館の運営費は高くなり、カルチュア・コンビニエンス・クラブにきてもらうために、施設をCCCのいわれるがままに設計・改修して、独特のオシャレ空間をつくりあげるわけです。


市民が聞いたらぶっ飛ぶような巨額の費用がかかったうえに、民業部分では、先述したようなあからさまな利益供与まで行いますので、これは到底「効率のいい行政」などと呼べるものではありません。


高い費用をかけて、指定管理者にビジネスしやすい環境を提供して独占的に儲けさせる。


かかった費用を知らされていない市民は、タダで利用できると喜びますが、


そのツケはいずれ自分たちに回ってくるもの。ツタヤ施設に費やす予算のしわ寄せは、市政のさまざまな行政サービスを削るという形でのちに払わされます。


その構造がわかりにくいので、反対する人は少ないんですけれど、もしわかる人がいたら、誰もこんな話は賛成しません。


というような話なんですよ、ツタヤ図書館問題というのは。


宇城市のある熊本県は、2016年の震災で大きな被害を受けました。4年たって、ようやく復興が本格的に進みつつあるなか、今度は、全国的に新型コロナの影響で観光サービスが大きな打撃を受けました。


今年度からは税収が大幅に減り、予算を組むのもたいへんになるなか、ツタヤ図書館のようなとんでもない大盤振る舞いをするというんですから、もう、なにをかいわんやです。


どさくさにまぎれて、政商たちが儲けまくるのは、古くて新しいテーマなのかもしれません。


「利益はかかったコストのパーセンテージ計算なので、コストをかければかけるほど儲けが出る」米軍の後方支援を行うハリバートン社とペンタゴンの契約。CEOはチェイニー。 ショックドクトリンbotツイートより


【※1】 2022年4月1日追記


その後、賃貸面積が変更になり、

スタバ54.5+蔦屋書店9.05㎡=63.55㎡

 

×700円=4万4,485円


となります。


これを12カ月で割りますと、


月当たり3,707円となることが判明しました。

 




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