2020年12月1日火曜日

史上最悪のツタヤ誘致自治体が熊本県宇城市

 

こんにちは、日向です。


本日もカルチュア・コンビニエンス・クラブを図書館と美術館の指定管理者に選定した熊本県宇城市について書いておきたいと思います。



11月最終日となった月曜の午後、ようやく今回の指定管理者選定を担当した教育部文化課の方にお話を聞くことができました。


先に感想から述べておきますと、今回のケースを知ると、ほかのどこのツタヤ誘致自治体も、とんでもなく素晴らしく思えるほど、宇城市は、酷いということがわかりました。


なにが酷いかって、すべてが隠密裏に進められていて、市民が事前にこの件で情報を得たり、あるいは意見を述べる機会というのは、まったくなく、気が付いたらツタヤ図書館・美術館がほぼ決定しているという、とんでもない市民無視の暗黒行政だからです。



とりあえず、以下、わかったことをメモしておきます。



・指定管理者に応募してきた企業は二社。CCCともう一社の社名は、どこかは言えない。


・指定管理者審査会で審査した。審査委員は7人。うち5人が市の職員。図書館の専門家については、図書館長が学識経験者として入っている。


・CCCの子会社TSUTAYAが消費者庁から景品表示法違反で1億円の課徴金課せられことは、ネット等で知ってはいる。詳しくは知らない。


・応募資格を満たしていれば、そのような(違法行為を犯した)企業でも応募はできる


・ジャパンライフでも? いえ、いやそれはどうかと思う。とにかく応募資格を満たしていれば指定管理者に応募はできる


・審査委員のなかにいる図書館専門家は、全国的にツタヤ図書館問題になっているのも知ってて採点している。


・審査委員の中に、学識者はいる。図書館長。審査委員の名前は、公表していない。


・市の職員5名で、ほぼ決まってしまうことはない


・応募してきたもう一社が地元かどうかも、公表していない。


・(最近の事例の)山口県宇部市の件は、少し耳にしたが、詳しいことは知らない。


・審査項目は公表している。そのときの点数は公表していない。情報開示請求あれば公表できるかどうか協議する。


・26日木曜に決まって、今日からの12月議会に上程している。もし議会承認えられたら、CCCと協定を締結する予定。


・卑怯で姑息?だとは思わない。


・市民の意見を聞いてないことはない。事前に市が直接市民アンケートを実施して、図書館、美術館の要望を聞いている。


・アンケートには、カフェがほしいとかの要望はあった。


・市長の肝いり? いやそんなことはありません(強く否定)


・情報公開はどなたでもできる。ただし、請求書はファックスでは受け付けていないので、郵送で送ってほしい。


・図書館協議会は、うちにもある。年に二回開催している。指定管理者制度導入については、そこで議論はしている


・指定管理料はまだいまの段階では未定【※】。協議中。スタバと蔦屋書店もどうするかは決まっていない。カフェは当初から予定していた。市民の憩いの空間として。


【※】あとで確認したら、募集要項に5年間で7億8000万円と明記されていた。よって、その他のことも信用ならない


・図書館、美術館の建物は、中規模改修を予定。事業者はいまから。基本構想もまだ。設計もまだ。コンサルもまだ。


・新図書館・美術館は、令和4年度スタート。改修に国の補助金等は予定していない。自費で。財源はこれから協議。国の補助金は予定していない。ほかの補助金はまだ未定。おそらく出ないのではないか。


・天井や壁、内装等は改修予定。


・CCCとはまだ会議していない。議会承認ないと。まだない。


・選定会議で、CCCによるプレセンは当然あった。審査委員7人の前で。二社とも。CCCは、お二方こられた。名前は言えない。


・いつも指定管理者選定スケジュールはこんな感じかどうかはわからない。部署にもよる。指定管理者に関する経験はあまり私自身はない。


・肩書きは、教育部の次長で、文化課の課長。




注目していただきたいのは、これから建物を改修する予定で、施工はもちろん、まだその設計事業者すら決まっていない点。それなのに、先に指定管理者を選定しています。



井筒屋撤退跡地を改修して、CCC運営のまちなか図書館と、こどもプラザにしようとしていた山口県宇部市では、それらの改修事業計画がほぼ固まって設計事業者も決まってから、CCCと連携協定締結を発表しました。


また、丸亀市の場合は、新しい市民センターの設計段階で、まずは先にCCCが開業支援のサポート業務を受託してから、のちにCCCが指定管理者に選定されました。



それからすると、宇城市は、まずはすべてに優先してCCCの指定管理者を決めて、ここさえ決めれば反対運動があろうがなにがあろうが大丈夫ということなのでしょうか。


あとのことは、すべて未定というんですから、本当にびっくりします。




宇部市も丸亀市も、とりあえず指定管理者が決まる前に、CCCの名前が出てきて、助走期間みたいなものがあるのですが、宇城市にはそれがまったくありません。リハーサルも準備もなにもなく、いきなり本番です。



あからさまなヤラセといいますか茶番ではありましたが、CCCとTRCのプレゼンを市民に公開した和歌山市は、なんて素晴らしいんでしょう。


建物の改修計画から、明らかにあやしい結果ではあっても、業者の選定プロセスを公開し、事業費の明細もウェブサイトに掲載していた宇部市も、なんて素晴らしいんでしょう。


まだCCCが、世間で賞賛の嵐を浴びていた頃に、市民が情報開示請求で、系列企業から大量の古本をCCCが入れていたことを暴き、二度も住民訴訟を起こした武雄市の市民は、なんて素晴らしいんでしょう。


同じく、世間の賞賛の嵐のなかで、孤軍奮戦して住民訴訟を起こした海老名市民はなんて素晴らしいんでしょう。


住民投票で、ツタヤ図書館建設計画を中止させた愛知県小牧市の市民も、なんて素晴らしいんでしょう。


ツタヤ図書館計画阻止のために、住民投票条例の制定を求めて、8739名もの署名を集めた周南市民も、なんて素晴らしいんでしょう。


そのほか、多賀城市や高梁市、延岡市でも、ツタヤ誘致に対して、明確にノーを言うことができました。


ところが、宇城市では、残念ながらそういう機会は一度も与えられないまま、市長の思うままにものごとが進行していこうとしています。



いちばん近いのが和歌山市のケースですが、南海電鉄も巻き込んで、64億円という巨額の補助金に目がくらんだという裏事情があったからこその用意周到な計画でしたが、熊本県宇城市には、そういうメリットすらまったくみえてきません。



ある日、朝起きて気が付いたら、自分の街の図書館や美術館がTSUTAYA運営になっていたなんてことも、いずれ、私自身の身の上にも起きるのではないのか。そんなおそろしさすら覚える事案でした。



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