2020年11月15日日曜日

「地方創生」という“病”(2)～宇部市インサイダー疑惑～

 

こんにちは、日向です。


さきほど、10月25日に出ました宇部市トキスマの続報・後編がビジネスジャーナルでリリースされました。


山口・宇部市長、突然の辞任劇の裏に不可解な不動産取引…“ツタヤ図書館もどき”に暗雲



前回の記事(宇部市とCCCの“補助金頼み事業”、市議会で大どんでん返し！「無記名投票」で逆転否決)では、9月28日の宇部市議会本会議で、ツタヤ図書館もどきの施設条例案がどんでん返しで否決された件の経緯を振り返り、最後はこう終わっていました。


“取材を進めていくと、トスキマ賑わい交流館のプロジェクトには、近隣商業施設の開発とも複雑に絡み合っており、そちらの開発では、とんでもない不正疑惑が浮かび上がってきた”


その“不正疑惑”について、詳しく報じたのが今回の記事です。


久保田市長辞任に伴う市長選の告示日である今日15日の地元紙朝刊は、一斉に「宇部市長選、きょう告示」と報じていると思いますが、


そこには、書かれていないスキャンダルを取り上げています。





ツタヤ図書館もどきとなるトキスマの計画には、もうひとつ周辺の賑わい施設がからんでいました。人気スーパー・レッドキャベツが撤退した跡地で、井筒屋が閉店したあとのトスキマに負けずおとらず、地元にとっては、賑わいの核になっていた施設です。



トキスマとともに、公金が入るまちおこし計画の対象になっていた、このスーパー跡地を取得したのは、久保田市長とも仲が良く東証マザーズに上場する地元ベンチャー企業の社長。


地元紙では、この社長が私財をなげうって人気スーパー撤退後のビルを個人で取得。寂れかけたまちを救おうとしているという美談にされていました。


ところが、この話を仲介したのは、商工会議所の事務局長で、どうやら一般公開前に、激安価格で話がついたのではないのか。


事務局長は、社長とは、数年来の知り合いで、上場する前のこの会社の株式を保有しているのではないのか、だとすればインサイダーではないのか。そんな噂が浮かび上がってきました。


このネタをつかんだとき、やはりいちばん不可解だったのは、この社長が個人で不動産を取得しているということ。


億の単位の不動産を、自らが経営する上場会社ではなく社長個人が購入するというのは、どういうことなのか。


そう考えると、この噂の信ぴょう性がにわかに高まっていき、周辺取材を進めていくと、記事にできるだけの材料が集まっていきました。


最後は、疑惑の人物に質問をあてましたが、残念ながら2人とも回答拒否でした。


商工会議所会頭名による回答拒否




なぜこの話が重要なのかといいますと、9/28のトキスマ施設条例案に賛成するように、各議員らに圧力をかけていた黒幕は、どうやら、この2人だということがわかったからです。



トキスマ施設条例に賛成しないと、レッドキャベツ事業からもすべて手を引くぞ


恫喝ともいえるそんな圧力を、宇部市議会は結果的には跳ね返したのですが、個人の私利私欲によって、簡単にその中身が決められてしまう「まちおこし」＝地方創生というもののひとつの側面を、如実に表している事例だと思いました。


詳しくは、記事をお読みいただければと思います。


よろしくお願いいたします。


“疑惑の物件”は、今年4/6に、エムビーエス山本社長の親族が代表を務める会社に所有権が移転されていた。



【前編】

宇部市とCCCの“補助金頼み事業”、市議会で大どんでん返し！「無記名投票」で逆転否決


【後編】

山口・宇部市長、突然の辞任劇の裏に不可解な不動産取引…“ツタヤ図書館もどき”に暗雲









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