2020年10月25日日曜日

和歌山市の弁明書とディープスロート

 

こんにちは、日向です。


先日、和歌山市 もうひとつの審査請求 でお知らせしておりました


2019年3月に、市民の方が市の情報開示について不服の申立をしていた件で、


ようやく、和歌山市都市再生課からの弁明書が送られてきたと、昨日、和歌山市民の方からそのコピーを送っていただきました。









対象となった文書は、市駅前再開発事業について、南海電鉄がアール・アイ・エーを選定した際の落札結果についての文書です。



落札したRIAの社名と金額以外は、すべて黒塗りでした。


19年3月、市民がこれに不服の申立を行い、市の対応を待っていたところ、ようやく1年半かかりまして、市からの弁明書が出てきたという顛末です。


この後は、弁明書に対して市民が反論をしまして、それを有識者で構成する審査会にて、一部非開示とした市の対応は適正だったのかどうかが、詳しく審査されます。そして最終的には、裁判でいうところの判決のような答申が出されるという流れです。



同じ市民団体として、二度目の審査請求なんですが、一度目と比べると、今回の市の弁明は、驚くほど簡潔です。



要約しますと、以下のとおりです。


要求通り開示してしまうと、南海電鉄が取引企業との信頼関係を損なうおそれがある


そうなると法人の正当な利益が損なわれるおそれがある


再開発事業は、南海電鉄の私的な行為であり、市は補助者にすぎない



というところです。




これ読みますと、“株式会社和歌山市”が“南海電気鉄道株式会社”に委託した事業に関する情報は、プライベートなものなので外の人間には開示できない、と言っているようなものです。


しかし、この再開発事業には、南海電鉄に対して、64億円もの補助金が投入されています。図書館建設費も含めた公金総額は、94億円にもなります。


それだけの公費を投入してしいる点については、この弁明書では、一切ふれられていません。


公金を投入すれば、その事業プロセスについて、逐一、説明責任が生じるのは当然のことですので、


入札参加者名やその入札額も開示されなければ、適正に事業者の選定が行われたのかどうかすら一般市民にはわかりません。


形式は競争入札にしていても、コッソリ、お友達の企業を呼んできて受託させるなど、好き放題なことができてしまいます。



二番目に、同種の事業を実施した他の自治体では、主体となった企業が、これらの落札情報を、特設サイトを開設して、市民から開示請求される前に、すべての結果を積極的に開示していることです。


具体的には、秋田県酒田市の光の湊プロジェクトです。


酒田駅前再開発事業 光の湊ガイドページ

HIKARI NO MINATO GUIDE PAGE

プレスリリースページ

https://hikari-no-minato.com/press


酒田市のケースでは、当初、高層書架が配置された建築パースが公開されたときに「ツタヤ図書館になるのでは?」とのウワサが流れましたが、なぜか途中からパースが低層書架に改定されまして、CCCの指定管理にはなりませんでした。


光の湊プロジェクトを資金計画から手掛けたのは、和歌山市と同じくアール・アイ・エーです。どうして、酒田市と同じことが和歌山市ではできないのでしょうか?



三番目に、入札にあたって、事前に価格調整などの談合の不正行為が疑われていることです。


最初から選定される事業者は決まっていて、入札はただの形式だけだったのではないのかと疑われています。


なので、その疑惑を晴らす意味でも、全面開示は必要です。もし、それでも開示拒否するのであれば、疑惑は深まる一方です。(正しくお金を使ったとの立証責任は、公金を預かった側にあります)


実は、この情報が開示された後に、黒塗りされている部分の具体的な企業名が“ディープスロート”【※1】を通して、すでに判明しています。


どうして、そのような落札結果になったのかという理由についても、この情報源からかなり説得力のある情報を得ています。


大スクープと言いたいところなんですが、諸般の事情があって、いまだ記事にはしておりません。


もし、その情報がオモテに出たら、相当にやっかいなことになるでしょう。


なので、できましたら、私が書く前に、和歌山市は、開示されたほうが賢明ではないのかと思うのですが…。


【※1】重要な情報源を意味する隠語。ウォーターゲート事件で情報提供をした政権中枢にいた人物をこう呼んだ。




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