2020年7月4日土曜日

図書館流通センターの暗躍(1)

こんにちは、日向です。


このブログを始めるきっかけになったのは、2018年4月に、和歌山市に対して情報開示申立を行い、同年7月、会議資料1400枚の97パーセントが黒塗りで出てきたことでした。

黒塗りの図書館建設計画




私が請求したのは「南海電鉄と話し合った内容がわかるすべての文書」です。


ダンボール箱にギッシリ詰まった1400枚の資料(ほとんど黒塗りだが、ところどころ数行が読める)を、専門家の方にもみていただきながら分析していく作業が数か月つづくわけですが、

このとき気になった箇所について、気づいたことをそのつどメモした「黒塗りの図書館分析ノート」をつけていました。

本日は、そのノートの一部を披露したいと思います。


下の資料をみてください。これが1400枚の黒塗り資料ののなかで、いちばん私が驚いた箇所です。


TSUTAYAの本社CCCのことではありません。なぜかTRCについて書かれた箇所です。






TRC図書館流通センターは、もともとは、図書館向けに書籍を販売したり、図書の装備に関するサービスや書誌情報を取り扱っていた会社でしたが、

20年ほど前から自治体から図書館の運営を受託するようになり、現在、全国で531(うち指定管理館は374)もの図書館を運営している図書館界のガリバーのような存在です。

注目したのは、2016年4月14日に開催された図書館定例会という会議での出来事。


南海電鉄が「TRCからの成果物を図面以外受け取っていない」とクレームをつけているのです。

いったい、このとき何があったのか。ここからスタートした疑問が、やがて和歌山市民図書館の移転を核とした南海市駅再開発プロジェクトの異様な全貌について調べる入口になりました。


先に誤解のないように申し上げておきますと、和歌山市当局が新図書館の運営者に、一度でも、TRCに傾いたという形跡はありません。


少なくとも、市長部局と南海電鉄に関しては、このプロジェクトスタート時点から、徹頭徹尾、CCCに運営を任せて、賑わい創出してくれるツタヤ図書館にする


という意思は、かなり強固なものがあり、一度もその意思が揺らいだことはないように思えます。


ところが、このプロジェクトが本格始動する前にいた和歌山市の市教委の内部については、決して一枚岩ではなかったことが、図書館協議会での議論等から判明しています。



また、このプロジェクトでは、徹底した“CCC隠し”が行われる一方で、指定管理者制度の導入から選定委員会までのプロセスを整えるために大活躍したのがTRCでした。


そのことを念頭において、以下の分析ノートのメモをお読みください。この内容についての解釈は、次回以降に書く予定です。






019市民図書館定例会議記録160414.pdf








↓以下時系列できごと
20165月図書館基本計画発表(TRC傘下図書館総研による)
20168月南海電鉄が図書館入居ビルの基本設計業者にRIAを選定

20175RIAによる基本設計発表

20176月指定管理者制度導入
20171130日CCC選定委員会で指定管理者内定



南海電鉄がRIAを選定したとされる20168月よりも4か月前の2016年4月に市、県、南海電鉄が出席する定例会に、RIAも出席している
 

このとき、南海が「TRCからの成果物を図面以外受け取っていない」とクレームをつけている。この翌月の20165月、TRC傘下の図書館総研が地元企業と一緒にまとめた図書館基本計画が発表されている。TRCは、南海にこの基本計画の詳細データを渡していないことになる。また南海は「今後の設計に図書館コンサルは入れない」ことを市に確認している。


再度メモ
2016年4月から、図書館の基本設計・実施設計を決めるために「図書館定例会」がスタートした(途中一部「公共施設棟定例会」とも称している)
 

・出席者は、主に市と南海、RIAの三者で、ほかの会合と違って県からは出席なし
 

・定例会がスタートした2016年4月はちょうど、TRCが地元企業とのJVで前年秋から受託していた「基本計画」を発表する直前。
 

・そのまま話が進めば、TRCによる基本計画の内容を土台にして、建物の基本設計がつくられるはずだが、施主の南海が「図面しかもらってない」と言い出している。


また、基本設計に「図書館コンサルは入れない」ことまで確認している。「図書館コンサル」=基本計画実務を行なったTRC子会社の図書館総合研究所と思われる。 

・よって、このときすでに市当局はTRC排除に動いていたものとみられる。



図書館流通センターの暗躍(2) へつづく


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