こんにちは、日向です。
本日は、大阪府門真市が2025年度に完成予定の新図書館(生涯学習複合施設)の指定管理者にTSUTAYA本部のカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)を選定した件についてのご報告です。
議会でCCCを承認した昨年12/17の翌日に出しておりました開示請求の正式回答がようやく先週届きました。
すでに当ブログ 門真市の非常識な不存在決定 で取り上げておりますように、
子会社のTSUTAYAが消費者庁から景品表示法違反で1億1753万円の課徴金を課せられた件については、「不存在」決定が出ておりますので、
門真市は、
基幹事業が社会的な責任を糾弾される違法行為を犯したことを一切検討もせずに、「優れた事業者」としてカルチュア・コンビニエンス・クラブを選定した
事実は確定しています。
これだけでも、門真市がCCCを選定したのは、かなりおかしなことなんですが、そういった不祥事を選定委員の先生方は、まったく知らなかったのか、それとも知っててあえて「素晴らしい企業だ」と判断したとしたら、いったいどんな審査が行われたんだろうということで、選定プロセスにかかわる開示資料には、おおいに注目したいところです。
2300枚の文書を開示決定
まず決定書面を受け取って、驚いたのが開示枚数です。
一枚につき10円の資料コピー代が、2万3,010円
となっていまして、2300枚もの資料が開示されるらしいんです。
2018年に和歌山市に請求して出てきた南海電鉄との会議資料が1400枚もありましが、門真市は、それをよりもさらに1000枚も多いなんて凄くないですか?
で、いったい何がそんなに多いんだろうと、内訳をズラズラとみていきますと、
大半が企業サイドが提出した応募書類なんですね。
たとえば、
応募者の経営状況を説明する書類 だけで603枚、応募者の就業規則及び給与規定等の写しが230枚
このへんだけでもう800枚なんですから、応募書類がいかに多いかってことがわかります。
でも、今回、私がいちばん知りたいのは、やはり、どうしてCCCがそんなに優れた企業として高く評価されたのかってことなので、そのへんの書類をいくらめくっても核心部分は出てこないような気がします。
といいますのも、開示書類の一覧を詳しくみていきますと、肝心の選定会議当日のプレゼンテーションの内容を記録した書類がみつかりません。
和歌山市でも、審査委員による質疑は選定会議の議事録に詳細に記録されていたのに、当日行われたメイイベントのCCCやTRCによるプレゼンは、黒塗文書のなかにも、それと思しき記録は一切ありませんでした。
果たして、門真市は、どうなのでしょうか? これはすべて開示文書をみてみないとわかりません。
類似施設等の実績については、一部開示できないらしい |
で、2300枚開示してくれるのはいいんですが、これをすべて紙で出してもらいますと、私のほうでそれらをすべてスキャンするのに、もう気の遠くなるような手間暇といいますか、業者さんにお願いしますと、さらに高い費用がかかってしまいます。
そこで、門真市の場合は、すでに指定管理者の募集要項からはじまって、審査課程の議事録等も市役所のサイトで公開していますので、開示決定文書のうち、それらすでに公開されているものについては、その公開アドレスを明示してもらい、公開されていないものについては、できるだけPDFデータ等で提供してもらえるよう再度お願いをしているところです。
不開示で黒塗りのある文書については、電子データでの提供はできない
とのことですが、そのほか全面開示されている文書については、できるだけこちらの要望に応えたい
との回答をいただいております。
ただし、電子データで開示した場合であっても、コピー手数料は同じ
だそうなので、2300枚で2万3000円も費用がかかかるのは、仕方ないことと諦めないといけないようです。
それでも、一部電子データで提供していただければ、膨大な紙をスキャンする手間は省けるのが唯一の救いではありますが。
“出来レースの匂い”しかしない選定プロセス
さて、まだ2300枚の書類を詳しくみてみないと、門真市では、どうしてCCCを選定したのかの疑問は解消されませんけれども、ここまでで、私の印象を簡単にメモしておきたいと思います。
まず第一に、50億円もかけて建設する複合施設の指定管理者だけに、応募にあたっては、膨大な書面を提出して審査を受けねばなりません。
“デザインビルド”と呼ばれる、ハコモノの設計から関与していく、ツタヤ図書館方式なので、この時点で、すでに応募できる企業というのは、数社に限られてくるといいますか、CCCのライバルとしては、図書館分野では、TRC図書館流通センターしか思い浮かびません。
大手の書店なども、もちろん共同事業体として他社とJVを組んで応募してくる可能性もあるのでしょうけれど、応募するだけで数人のチームが数か月かかりっきりになることを余儀なくされますので、それだけのコストをかけても選定される可能性が低いところには、とてもじゃないけど、応募してこないのではないでしょうか。
TRCの場合は、和歌山市をみてもわかる通り、たとえ指定管理者にはなれなくても、実質、選書データ提供から、図書の装備~納本までを結果的に一手に受託することになりますので、もし選考から漏れても、まっっっっったく、なんのソンもしないんですね。
和歌山市で、2017年11月の指定管理者の選定に漏れたTRC図書館流通センターは、なぜか図書の装備を担当している |
「おつきあい」というと語弊がありますが、門真市では、CCCと仲のいい日販などもTRCとのJVに入ってますので、セレモニーをしてくれる相手としては、なるほどこれは適任者だなぁ、そういうことなのかなぁと、おもわざるをえません。
ほかの競合他社からしますと、再開事業のコンサルタントにアール・アイ・エーが入っているということだけで、ああ、そうですか、となって、まずそこで無駄に応募なんかしてこないような思えますね。
それに、和歌山市とソックリな門真市 にも書きました通り、2017年に話題になりました安藤忠雄さんが手掛けた大阪市の「こども本の森 中之島」には、門真市と同じく、長谷工コミュニティとJVを組んだTRCが選定されましたが、
通常、この手のコンペにはまず参加しないCCCが、このときなぜか応募していて、TRCの後塵を拝してしまいました。それと逆パターンになったのが門真市なんですね。これも、たまたまそうなったんでしょうか?
とにかく、ほかに例をみないほど多くの人が亡くなっている大阪のコロナ禍において、50億円かけてツタヤ図書館をつくろうとしている門真市ですから、
いくら数年前から計画していたこととはいえ、「賑わい創出」めざしてカルチュア・コンビニエンス・クラブを選定したことの妥当性を果たして、これからどのように丁寧に市民に説明して理解してもらえるのか。それを考えますと、今度のプロジェクトは、まだ、いばらの道が待っているように思えて仕方ないです。
地元の文化を、これからどのように発展させていきたいのかはわからないけれど、とにかく高いお金払ってでも、TSUTAYAのCCCさんに丸投げしておけば、オシャレな施設ができたと市民も喜んでくれる
なんていう、浅はかな考えでここまできたとしたら、他のツタヤ誘致自治体同様に、一企業が公共を食い物にするための、空虚な宣伝文句だけが響き渡ることになるでしょう。
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