こんにちは、日向です。
本日は、昨年6月にグランドオープンしました南海市駅前の新しい和歌山市民図書館の話題です。
CCCから和歌山市に提出された開業準備報告書の中身があまりにもスカスカである点を先日は指摘しました。
1億円をかけた開業準備の報告書がこんなに簡易でいいのか?
という驚きはもちろんあるにしても、何より、公文書としての体裁が整っていないのではないのかという点を問題にしています。
ご参考までに、本日は、2016年3月に、和歌山市と同じように、駅前に移転された新築のツタヤ図書館としてオープンした多賀城市に、CCCが提出した開業準備報告書をご紹介したいと思います。
下をみてください。
まず検査結果の起案・決裁と通知書があります。
CCCの開業準備業務について、検査した結果、合格と認めます、という文書です。
これにつづいて、検査報告の起案と報告書があります。
市教委の担当部署がCCCの開業準備業務を検査したことを市長に報告する文書です。
さらに、ここからさかのぼると、CCCから市長宛に、開業準備業務が完了しましたよという報告書が続いています。
この後にようやく、CCCの開業準備報告書の本編が始まるわけですが、その前に、CCCからの報告には四半期ごとの請求額が記載してあります。
検査報告書でも、四半期ごとの委託の契約金額が書かれていて、これによって、CCCに委託費が支払われることがわかります。
和歌山市では、このヘディング部分が何もついていませんでした。
多賀城市では、これらの決裁文書から、契約通り3/31までに開業準備業務が完了したことになっているのがわかりますが、決裁文書がついていない和歌山市では、いつ完了していつ検査したのかすらわかりません。
報告書本体は、多賀城市もかなり簡易スタイルではありますす。
蔵書21万5000冊にICタグを貼り、中古本も合わせて3万1000冊を追加購入蔵書として登録、トータル23万冊を配架した――という基本的な流れがわかります。
そして最終的に、3万5000冊を追加することによって、蔵書のジャンル別の構成比がどのように変化したのか、蔵書点検結果、開館準備で行った具体的な作業等がなんとなく、イメージできます。
ただし、多賀城市では、写真は、やたらと黒塗が出てきます。
それと比べて、和歌山市の報告書では、費用が高額すぎると全冊ICタグ装着を断念し(CCCとの会議録では当初ICタグ装着するかのように話が進んでいましたが、途中から肝心の部分の会議の記録が消失しています)、CCC独自のライフスタイル分類も、2階7万のみ(当初の約束では5万冊)導入することになったため、多賀城のようにはいかなかったのかもしれませんが、それにしても、何がなんだかよくわからないような文書です。
和歌山市では、追加蔵書は、どのような決裁プロセスを経て、全体で何冊入れたのか、その分類別構成はどうなっているのか、とりあえず古本は買ってないみたいですが、刊行年の古い本はないのか、例によってツタヤ図書館が大好きな健康や料理などに偏っているのではないか、その選書リストを誰がどのようにチェックしているのか…。
そのような私の疑問を解決する情報は、この報告書にはまったく記載されていないことがわかりました。
改めてみて、いちばん驚いたのが、和歌山市へのCCC報告書6ページめにあった「配架スケジュール」です。これ、いくら拡大しても、何がかいてあるのか、不鮮明で読めないのです。この資料はCDに記録したデータで受け取ったので、コピーするときに画像があらくなったわけではありません。もともとです。
上のページの掲載図を拡大したところ。不鮮明で何が記載されているのか読めない。 |
そこで、この資料を開示した和歌山市・読書活動推進課に聞いてみましたところ、こう言われてしまいました。
うちでもこれは読めません
えっ、これ報告書として和歌山市は受理しているんですよね? 読めないものを受け取って、完了した1億円の委託費を払ったことになりますよ。
そう言ってみたのですが、担当者レベルでは、なんでそうなっているのか、わからないそうです。
ちなみに、その委託費は、多賀城のように四半期ごとではなく和歌山市では、一括払いだったそうです。1億円を。でも、読めないんですよ。報告書の画像が。
いつものことながら、あんまりアラ探しばかりするのは、気がひけるのですが、ツタヤ図書館の話というのは、一事が万事その調子ですので、
これはどうなっているのか?
という本筋の事実を究明するまでに、杜撰な手続きが障害になっていて、もうウンザリしてしまいますね。
この点は、今一度、和歌山市に、多賀城市と同じように、一連の決裁文書として開示してもらうことにしました。
よろしくお願いいたします。
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