2020年12月29日火曜日

南海電鉄への不可解な補助金執行


 こんにちは、日向です。


このところ、“ほぼ日刊”に近い形でお届けしております当ブログですが、本日も、忘れないうちに、思い出したことを書いておきたいと思います。


先日、47億円を29億円にする和歌山市の裏ワザ?

で、和歌山市民図書館の建設費は、本当は29億円ではなく47億円だったのではないのかと、大胆な推理を展開しました。



なぜ、そう考えたかというと、根拠といえるほどのことではないものの、以前から、南海市駅前再開発の補助金執行について、どうしてもひっかかることがあったからです。


それは、市の関係者が漏らしたこんな一言です。



和歌山市は、市から南海電鉄に対して、市の補助金を払うときに、県と国からの補助金についても一括して立て替えて先に払っている


国や県の補助金は、申請しても時間がかかるらしく、市の補助金のように融通はきかないので、その分を市が先に一括して肩代わりしているというんです。もちろん、後から市は県と国から、南海に下りるはずの額は受け取るらしいのですが。



へぇー、こういう巨額の再開発ともなると、そういうこともするんだ


と、そのときは、かなり意外ではあるけれど、そういう慣習もあるのだと理解していました。





そのことが、あれれっ? とおかしいと気づいたのは、今年5月のこと。


ビジネスジャーナルで、独自入手した黒塗りなしの関係者会議の内容を元に、CCCの出来レース疑惑について、何本かスクープ記事を放ちました際に、


その黒塗り外し資料の中に、こんな記述があることをみつけたんです。



補助金の前払いは、他都市では行っているのか?


との和歌山市サイドの問いに対して、RIAがこう回答していました。


補助金の前払いは弊社では受けたことはない



ほぅー、これは凄い。前払いなんてフツーじゃあないんだと。



さらにこう和歌山市サイドが続けています。



もし、国費、県費の補助金の決定をいただく前に、市がかぶる覚悟で、交付決定を出すことは事務処理上は可能だが、それを決断するかどうかは別である。



結果的に、県と国の分も立て替えて前払いしているわけですから、この後、尾花市長は、この行為を“決断”したんですね。



独自入手した2016年6月30日開催の調整会議議事録より。文字背景がグレーになっている部分は、和歌山市が開示する際に、この文書作成者が黒塗りを希望していた部分と思われる





和歌山市が黒塗りで開示した部分




何故、そこまで南海電鉄を優遇しなければならなかったのか?


そこで思い浮かんだのが、市民図書館の建設費は29億円ではなく、本当は、市や県の補助金の一部を含めた48億円だったのではないのか?


という仮説です。論拠としては、いまいち弱いんですけれど、


少なくとも和歌山市は、南海電鉄に巨額の補助金を注込んででも、特殊なスキームで市民図書館を新築しなければならない事情があった


ということは言えるのではないのかと思うんです。



そのために、ふつうはやらないような国と県の補助金まで一括で立て替えて南海電鉄に払うなんていうことを“決断”したということになるんですね。



この補助金の執行状況に関しては、開示請求して、ほぼすべて出てきていますので、後日どこにかにアップしたいと思います。




さて、今回、これを調べているときに、もうひとつ判明したのが


赤線で囲んだ部分の冒頭で、


追加で実施設計を申請したい


とRIAが述べていることです。





この会議が行われたのが2016年6月30日。この数週間後に、和歌山市は南海電鉄と基本協定を締結したと発表しています。


CCCが指定管理者に選定されるのが、翌年の2017年12月ですが、指名競争入札で、RIAが本件実施設計業務を落札したのは、それよりも前の2017年2月1日のことでした。


【※1】実施設計は、平成29年度2月1日に落札(スタート)されており、結果的に、RIAの希望通り平成28年度(2016年度)内に補助金の申請は可能な状態になっている。しかし、2月スタートでは、年度内残り2か月足らずしかないため、6/30の会議でRIAが述べている通り、実績報告は当然出せない。おそらく実績報告を出せないと補助金も出ないのではないか。そこで国と県の補助金は、市が立て替えて自らが出す補助金と一緒に南海に先払いする方式(国と県の分は市がのちに受け取る)が編み出されたものと推認される。





大事なことなので、もう一度書きますと、


追加で実施設計を申請したい(平成28年度(2016年度)補助金について)


とRIAが述べている会議が行われたのは、自社が実施設計を落札する7か月前の2016年6月30日のことでした。



計画全体を担当しているRIAは、他社が担当するかもしれない実施設計業務の資金計画を心配していたのでしょうか。


それとも…。


黒塗りが外れた会議録というのは、こういう検証をされてしまうので、絶対に出せないのかもしれませんね。


では、また。




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