2018年11月30日金曜日

“和歌山陥落”から1年

 ちょうど去年の今頃、突然、飛び込んできたのが

「和歌山市が新図書館の指定管理者にTSUTAYAのCCCを選定」のニュース。



いやぁ、ビックリしましたね。あれだけ次々と不祥事が表面化しますと、どんなにめだちたがりやの市長のいる自治体であっても、もうCCCを選定するところはないのではと思ってましたから。それが今度は人口30万を超える県庁所在地というんですから。

 その後、1年にわたって、和歌山について調べてみた結果、わかったのが以下のことでした。

今更ツタヤ図書館ができる理由(1決まっていた?

2015年の武雄市古本騒動があった9.10の前にすでに市長が密かに決めていたのでは? その前提ですべてが動いていたので、不祥事が続出したからといって、今更、変えることができなかった可能性が高い

今更ツタヤ図書館ができる理由(2補助金がもらえる

 多賀城以降は、すべてコレ。駅前再開発プロジェクトには国交省の巨額の補助金がつくので、市長にとっては少ない予算で派手な開発案件をブチあげられる。ただし地元も半額負担なので補助金地獄になるのだが、それを議会ではチェックできない

今更ツタヤ図書館ができる理由(3議会を通しやすい 

市長さえ取り込めば、市長派議員+KM党で過半数を楽にクリア。KM党の数が結構効いている。何ゆえあの党がツタヤ支持なのかは七不思議のひとつ。単なる風評だとしても、893と同じでそう信じられると、これがあの会社の政治力の源泉となる。

今更ツタヤ図書館ができる理由(4「年間●●万人来館」がキモ。 
国交省の中心市街地開発関連の補助金は、「賑わい創出」が目的。いま確実に人を呼んでこれる公共施設は、図書館以外になく、ハコモノ批判も避けられる。武雄市で「年間100万人」とウソ八百ぶちあげたのに、自治体は飛びついた。というかリアによる補助金獲得する資金計画の中に、あらかじめツタヤ図書館誘致が組み込まれていると考えたほうが自然。リアのコンサルを受けた自治体は、そのままツタヤ汚染されやすい

というのが、「和歌山ツタヤ図書館選定」から1年の感想です。

この間の経緯については、10以上記事を書いてきましたが、代表的なものを選ぶとすれば、以下の2本です。

週プレNEWS 2017.12.28

BJ 2018.9.12



2018年11月29日木曜日

談合疑惑を深めた海老名市の180日

こんにちは、日向です。

先日、お知らせしておりました海老名ツタヤ図書館の記事が昨日の11/28にリリースされました。ビジネスジャーナルの記事、いつも読んでいただいている方はおわかりだと思うのですが、2回に分けた続き物で、今回のは後編です。


【前編】BJ 2018.11.17


【後編】BJ 2018.11.28
海老名市ツタヤ図書館、年間税金投入が市直営時代の2倍…市、委託契約更新を強行

また、今回取り上げました海老名市による市立図書館の指定管理者更新については、今夏にも議会答弁の模様をレポートした記事を2回出しています。それもあわせた続きものとして、読んでいただけると、より全体像がわかるかと思います。

【議会レポート前編】BJ 2018.07.05

【議会レポート後編】BJ 2018.07.14


よろしく御願いいたします。

2018年11月27日火曜日

「~関係者」って誰?

こんにちは、日向です。

先日、ある企業の広報の担当者から、突然、こう言われてビックリしました。

「日向さんの記事に出てくる『~関係者』って、いったい誰なんですか?」

一瞬、言葉を失いましたね。

ブラック企業の経営者が、直撃取材に対して「そんなことほざいてるの、誰なんだよ!」とブチ切れることはあっても、一般の企業で、なかおつ日常的にメディアを相手にしている広報の人間が、こういう発言をすることは、まずありえません。

「えっ、誰かしゃべれとでも?」

そう聞こうとしたら、先に、この担当者もマズイと思ったのか、こう続けました。

「いや、別にニュースソースを明らかにせよという意味ではないんですが、日向さんの書く記事って、ときどき、誰がこんなこと言うのかな、ちゃんと裏が取れてる話なのかなと思うことがあるんで…」と釈明されました。


おそらくこの企業にとって、私が過去に書いた記事のなかに我慢のならない内容が含まれていたことが幾度かあったのでしょう。ならば、正式に抗議するなりすればいいものを、つい本音が出てしまったということなんでしょうか。

「すみません。それが誰かなんてペラペラしゃべっていたら、私この仕事できなくなります。できるだけ正確な記事を書くようこころがけてはおりますが、ときには事実確認が十分できないこともありますので、ぜひ情報開示やご確認には、ご協力いただけると助かります」と答えておきました。

 ところで、この話の引き金になったのは、「~というウワサが流れていましたが…」という質問でした。このウワサ、どうやらこの企業にとっては聞き捨てならなぬ話だったようなのです。

 業界では、つかんだ情報の真偽を確かめたいときに当事者に「あてる」と言います。私は、このときウワサを「あてた」わけではありません。なぜならば、それはデマだと結論がすでに出ていたからです。

問題は、誰がそんなデマを流したのか、でした。それは、結局取材しても確認が取れなかったのですが、この企業の広報担当者にとっては、そのようなデマが流れること自体が、癇に障る話だったようです。

すみません。固有名詞を出せないので、なんだかフラストレーションのたまる話になってしまいました。

近くリリースされるツタヤ図書館関連の記事を読んでいただければ、なんとなくみえてくるのではないかと思います。

なお、誤解のないように言っておきますと、この会社は、TSUTAYAで有名なCCCではありません。

そんなわけで、取材相手が怒る場面というのは、なかなか興味深いですね。なにかしらその背景に重大な事実が隠されているかもしれないと思う次第です。

2018.11.28追記 ↓近くリリースされるツタヤ図書館関連の記事

海老名市ツタヤ図書館、年間税金投入が市直営時代の2倍…市、委託契約更新を強行