2018年9月20日木曜日

南海電鉄取材メモ(2)「われわれのやり方で足りる」

このブログは、先日ビジネスジャーナルに発表しました以下の記事の背景を解説しています。

和歌山市、ツタヤ図書館に64億円税金投入…関連文書の情報開示請求に全面黒塗りで回答




こんにちは、日向です。

今日は、昨日(南海電鉄取材メモ(1)「じゃあ、ウソだったんですね!」 )につづいて、南海電鉄とのやりとりを記録した取材メモのつづきを公開いたします。

前半部分で、南海電鉄は、設計事業者を正式に公募せず、心当たりのある業者に決めた「随意契約」であったことが判明しました。その結果、代官山蔦屋を手がけてCCCと関係の深いRIAが設計事業者に選定されています。

南海電鉄は、そのプロセスを一切公表していません。昨日例示したとおり、同規模のプロジェクトである山形県酒田市のケースでは、補助金を受け取る会社が随時特設ページで、事業者の選定等プロセスを公表しているのとは対照的です。

さて、これから公開する後半部分で注目していただきたいのは、RIAを選定したのはいつだったかという点です。




後日、開示請求して出てきた1400枚の会議資料のほとんどが黒塗りだった



値段だけで決めた


--それ(何社見積をとったのか)も言わない。複数者と。そのなかで一定のレベルに達していたのであとは価格の問題だけだったとおっしゃるんであれば、なぜ、内容は、A社とB社とC社を比較しなくていいという話になるのか? かたほうは高層書架、片方は使わない(高層部分を)というのだったら、高層書架あぶないという話にはならない?

南海 こうぞうしょかですか?

--あれっ、和歌山のいま話題になっている図書館のことご存じない? 市民図書館のパースご覧になったことないんですか?

南海 ありますけども。

--こうそうしょかご存じない? みたことない?

南海 ああ、こうそうしょかですか。高い。背の高い。

--おそらく、abcあって、もう一社は高層書架でなかったら内容の評価になりますよね。こっちのほうがカッコイイとか、危険とか。そういう議論にはならなかった?

南海 そもそも基本設計始めた段階なんで、何もない状態なんですね。

--そういう提案もなし?

南海 提案型という形で受けたわけではなく。

--とりあえず、基本設計作ってよと、どんなふうにするのかもおいといて、ただ値段だけ出してよと?

南海 いわゆるプロポーザル方式というのではなくて、要はわれわれとして信頼のできる会社さんに依頼した。

--値段だけで、内容はこれからスタートしてよという話?

南海 そうです。

--基本設計でプロセスを公開する必要性を感じなかった。理由はなんとなくであると?

南海 いえ、なんとなくというわけではなくて、われわれのやりかた。

--ああ、重視していないということ?

南海 してないわけではないが、われわれのやり方で問題ないという認識で進めてきたと。

--われわれのやり方で問題ないとは?

南海 いま言いました、複数者からの見積をとって、それで決めていくというやり方で問題ないと。

--で、それは公表する必要はないというのは、重要ではないから?

南海 いえ、それは単に公表する必要がないというだけの認識です。



われわれのやり方で足りる

--すみません。押し問答になって申し訳ないんですが、いまおっしゃったのは理由はなんですかとお聞きしているのですが?

南海 うん。われわれのやり方で足りると思って進めてきましたので、その公表・・。

--われわれのやり方とはどんなやり方?

南海 いま申しました複数者に見積をとって、それで選定して進める。

--それを公表する必要がないというのはどういう理由?

南海 そこまでする必要があるという認識ではなかったと。

--あまり重要ではないと?

南海 うーん、重要かどうかは別としまして。

--重要なものは公表するけれども、重要でないものは公表しないという理解の話の流れになりますよね。

南海 われわれが公表する必要があると認識するものは公表しますし。

--図書館というのは、税金が投入されて、いずれ和歌山市に譲渡されるんですよね?

南海 ええ、そうです。

--違います? 南海電鉄のプライベートなものですか?

南海 では、ございません。

--私の言うことおかしいですか?

南海 いえいえ、そうでは、ございません。


2016年の8月にRIAと契約


--わかりました。そういう見解は承りました。つづきをどうぞ。

南海 はい。そういう形で公表していない。

--する必要はないし、今後もする予定はないと?

南海 われわれからここに決まりましたと公表する予定はない。当然聞かれたら、どこと契約すると回答します。

--プロセスについても聞かれたら、答えることもあるかもしれないが、答えないかもしれない?

南海 聞かれたら同じように答えます。

--で、公務ではないのでわれわれは情報開示請求はできない。で、税金を使っているけれど一般人が情報開示請求できないのは理不尽ではないかと思うが?

南海 ちょっとわからないですね。

--ノーコメント?

南海 よろしいですか。

--それだけですね。

南海 はい。それと時系列という件ですね

--はい。

南海 基本設計の時期ですけれど、平成28年。

--2016年?

南海 2016年の8月に契約してまして。

--どこと?

南海 アールアイエーと。

--リアと契約したのは8月。それを決めたのは? 見積をとったのはいつ?

南海 同じく8月ですね。見積依頼は、3か月くらい前から出している。

--5月から依頼して8月に出て、はい、せえのでやったら、ここが安いねとなったのがRIAだったと。

南海 そういうことです。


何かおかしいですかね

--これがすべて?

南海 契約までのそうですね。

--以上ですか?

南海 それで、よろしいですか?

--部署とお名前お願いします。

南海 えっと、南海電鉄株式会社の都市創造本部・施設部の〇〇といいます。

--わかりました。私はおかしいと思うんですが、それは南海電鉄の公式見解ということでよろしいですか?

南海 何かおかしいですかね。

--税金投入されるけども、プロセスは公開する必要はなかったと。

南海 プロセスというのは、たとえばどういうことを?

--どうしてこの会社に決まったの? いくらで決まったの? 途中経過は何月何日にどうしたと役所はみんなやりますよね。

南海 それをわれわれ自らがホームページに載せるとか?

--そうです。三者が共同でやっているわけですから、三者の話し合いのなかで、じゃあ、市に対してこうなりましたよと南海電鉄が報告して、市が公表する。

これがおそらく一般的な流れだろうと思います。南海電鉄みずから公表するということではなく、これは税金をお預かりしているものですから、いずれ、公共のものになるわけですから、われわれはこうやりますので、市の方で発表してくださいという流れになるのが妥当かなと思ったのですが?

南海 今回は、そこまでの認識ではなかったので。こちらのほうから公表するつもりはないです。

--わかりました。そのように書きますので。


税金から60億円もの補助金が支出されるにもかかわらず、新しい図書館の基本設計を担当する事業者の選定プロセスすら、情報開示がされない。

この南海電鉄とのやりとりの後、事業プロセスの詳細を知るための最後の手段として「和歌山市が南海電鉄と話し合ったすべての文書」を開示請求したわけですが、その結果は、先日書きましたように1400枚の会議資料のほとんど黒塗りされた文書が送られてきたわけです。


南海電鉄との一問一答 へつづく

 


【関連記事】
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