2018年9月15日土曜日

黒塗りの図書館建設計画


ビジネス・ジャーナルに以下の記事を書きました。

2018.09.12

和歌山市、ツタヤ図書館に64億円税金投入…関連文書の情報開示請求に全面黒塗りで回答


和歌山市、ツタヤ図書館に64億円税金投入…関連文書の情報開示請求に全面黒塗りで回答


字数の都合等で、記事の中に書けなかったこと、添付したい資料等をこのブログに掲載しておきたいと思います。



まずは、記事の背景から説明します。


TSUTAYA図書館とは?


 「TSUTAYA図書館」とは、レンタル店「TSUTAYA」を全国展開するCCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)が指定管理者となって運営する公共図書館のこと。2013年に佐賀県武雄市に第1号が誕生して、大きな話題を呼んだのを覚えておられる方も多いと思います。

 当初、「官民一体の取組による画期的な図書館」として、いろんなメディアから賞賛を浴びました。

 年中無休で夜9時まで開館、開放感のある吹き抜け空間と高層書架がオシャレ、館内にスターバックスがあって、コーヒーを飲みながら本や雑誌を読める、新刊書店、レンタル店が併設されてて便利など、とにかく、従来の図書館にはない民間ならではの斬新な試みとして注目されたのです。


不祥事を連発


 ところが、しばらくすると、おかしなことが次々発覚しました。いつのまにか大事な郷土資料が廃棄されていたり、価値のない古本を大量に図書館蔵書として購入していたり、書店方式の独自分類がわかりにくかったり、貸し出しに採用したTカードは個人情報保護に不安といった問題が噴出したんですね。

 ふつう、そういう不祥事を起こすような企業は、信用を落としてしまい、少なくとも、公共図書館運営など公務の仕事を受託するのは難しくなるのですが、どういうわけかTSUTAYAの本部であるCCCは、まったく様子が違ってました。

TSUTAYA図書館の増殖


 2015年に神奈川県海老名市にもオープンした後、2016年宮城県多賀城市、2017年岡山県高梁市、2018年山口県周南市と、新しい受託館を獲得していき、TSUTAYA図書館を増やしてきたのです。

 そして、ついに昨年末、CCCは、初の県庁所在地である和歌山県和歌山市でも受託に成功。来年完成する駅ビルの新しい図書館の指定管理者にCCCが選定され、なんか裏で癒着してんじゃないのって疑ってしまうほどの勢いなんです。

 進出した自治体では、議会も議員も、なぜかCCCを必要以上にありがたがる傾向がありました。不祥事あってもお咎めなし。メディアも、地元紙は不祥事をほとんど黙殺、「来館者何万人突破!」などヨイショする記事しか出しません。

 その間も、古本大量購入、天下り館長人事、予算流用、著作権侵害、住民訴訟、個人情報流出疑惑など、本当にこれでもかというほど次から次へと不祥事や疑惑が話題になっているにもかかわらずです。

和歌山で起きていたこと

 私は、2015年後半くらいからビジネスジャーナル誌上に、ツタヤ図書館関連のニュース記事を何本も書いてきたんですが、書いてるうちにだんだん感覚が麻痺して、「またかいな」と、多少のことでは驚かなくなってきました。それほど不祥事が続いたのです。

 そして、昨年の12月から2月にかけては、舞台を週プレNEWSに移して「和歌山市TSUTAYA図書館決定」の内幕を詳しくレポートする記事を何本か連載しました。

 このときにわかったのは、和歌山市では、これまでのTSUTAYA図書館とは比較にならないくらい、とんでもなく、おかしな事態が進行しているということです。


代官山を設計したRIA

 何がおかしな事態かというと、その事業規模の大きさです。新しい市民図書館ができる南海市駅前のビルは、総事業費が123億円。なんとそこに公的な補助金が64億円も投入されることになっていたんです。

ちなみにそれまでのTSUTAYA進出自治体では、補助金額は、せいぜい数億円~十数億円規模にすぎませんでした。和歌山市は、その数倍の規模なんです。

補助金の原資は、もちろん税金です。よって、その事業の詳細プロセスについては、市が公表しているだろうと思って検索したり、あちこち聞いてみたりしておりましたところが、知りたいことがほとんど何も出てきませんでした。

とりわけ知りたかったのは、建物の基本設計を担当する㈱アール・アイ・エー(RIA)がどのようにして選定されたのかということでした。

TSUTAYAを運営しているCCCとRIAは、特別な関係にあります。記事にも書いたように、CCCのフラッグシップともいえる、あの代官山蔦屋を設計したのがRIAなんです。

情報開示義務なし

なので、RIAが建物の基本設計を担当した時点で、図書館の指定管理者はCCCに内定していたのではとの疑念を抱いて、そのプロセスを調べたわけです。

ところが、図書館が入居するビルの施主は、和歌山市ではなく、南海電鉄であることが判明。問い合わせしても、市は「施主でないので、知らない」と言うし、南海は、民間企業には、情報開示義務がないためか、まともな回答をしないんです。

いやいや、ちょっと待って。64億円もの公金をもらうのに、民間企業だからと情報開示義務ないなんて、ありえない。そう思いますよね。

開示請求してみたら?


そこで、市にこんな情報開示請求をかけました。

「来年開館する市民図書館について、南海電鉄と話し合ったすべての文書」






これだったら、RIA選定プロセスくらいはわかるはず。

そう思って、4月下旬に開示請求をメールで送って待ちました。14日めに、45日延長決定の連絡。開示決定後もコピー代送付などのやりとりをして、現物が届いたのは7月のアタマでした。

そして送られたきたのがダンボール箱にビッシリ入った1400枚の文書。開封すると、そのほとんどが真っ黒。全面黒塗りの文書だったのです。ここまでが、今回BJの記事に書いたことの詳しい顛末です。

記事には、2枚しか写真掲載できませんでしたので、そのほかの写真もココ載せておきます。

次回以降、この1400枚の黒塗り文書を、専門家と一緒に穴のあくほどみてわかったことをレポートしていく予定です。

1400枚の開示書類はダンボール箱にビッシリ詰め込まれていた




会議の議事録は、冒頭数枚のみ一部黒塗りだが、ほとんどの行は棒線。残りはすべて全面黒塗り


おそろく図面と思われる特大資料の一部は、A3で印刷されたものをA4サイズに折られている






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